問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 23
問題 23

問題023|複素数と方程式

難易度 D 目安 60分

前半戦

実数係数の4次方程式

x4+ax3+bx2+cx+d=0

は,4つの実数でない複素数解をもつ.そのうち2つの解の積が 13+i,残り2つの解の和が 3+4i であるとき,b を求めよ.ただし,i は虚数単位である.

出典:AIME 1995,第5問.

a3−a−1=0 とする.a+2 を解にもつ,最高次の係数が1である整数係数の6次方程式を1つ求めよ.

出典:日本数学オリンピック(JMO)1997年予選,第6問(次数を指定).

後半戦

複素数係数の多項式 P,Q,R に対し,

S(x)=P(x3)+xQ(x3)+x2R(x3)

が,互いに異なる n 個の解 α1,…,αn をもつ n 次多項式であるとする.α13,…,αn3 を重複も含めて解にもつ n 次多項式を,P,Q,R を用いて構成せよ.

出典:IMO 1970 Shortlist,第11問(スウェーデン提案).

最高次の係数が1である整数係数の多項式 f(x) について,1次以上の整数係数多項式 g(x),h(x) を用いて

f(x)3−2=g(x)h(x)

と表せるという.このような f(x) のうち,次数が最小となるものを1つ求め,それより低い次数では不可能であることを示せ.

出典:日本数学オリンピック(JMO)2003年予選,第12問(最小性の証明を付加).

ヒント 設問 1

ヒント 0

実数係数の方程式では,実数でない解とその共役複素数が対になって現れる.積が 13+i となる2つは,共役な組だろうか.

ヒント 1

積が 13+i となる2解を α,β とおく.残りの2解は α―,β― だから,α+β=3−4i である.2つの2次式の積を考えよ.

ヒント 設問 2

ヒント 0

x=a+2 とおき,a=x−2 を与えられた3次方程式へ代入する.

ヒント 1

代入して整理すると,x3+5x−1=(3x2+1)2 となる.両辺を2乗して整数係数の式を作ろう.

ヒント 設問 3

ヒント 0

1の原始3乗根 ω を使うと,x3−α3=(x−α)(ωx−α)(ω2x−α) と表せる.

ヒント 1

S(x)S(ωx)S(ω2x) を計算する.恒等式 (A+B+C)(A+ωB+ω2C)(A+ω2B+ωC)=A3+B3+C3−3ABC が使える.

ヒント 設問 4

ヒント 0

f が1次なら f(x)3−2 は3次である.整数係数の2つの非定数多項式に分解できるなら,1次の因数をもつことになる.

ヒント 1

2次式を探す際,x3−6x+6 で割った余りを利用して,(x2+ux+v)3−2 がこの3次式で割り切れる u,v を考えてみよう.

解答 設問 1

積が 13+i となる2解を α,β とする.もし β=α― なら積は実数となるので,この2解は共役な組ではない.実数係数であることから,残りの2解は重複も含めて α―,β― である.したがって,

α+β=3−4i,αβ=13+i

となり,元の多項式は

{x2−(3−4i)x+13+i}{x2−(3+4i)x+13−i}

に等しい.x2 の係数を比較すれば,

b=(13+i)+(13−i)+(3−4i)(3+4i)=26+25=51

を得る.

解答 設問 2

x=a+2 とおくと a=x−2 なので,

(x−2)3−(x−2)−1=0

である.整理して

x3+5x−1=(3x2+1)2

を得る.両辺を2乗すれば,

(x3+5x−1)2−2(3x2+1)2=0

となる.したがって,求める方程式の一例は

x6−8x4−2x3+13x2−10x−1=0

である.実際,左辺は最高次係数1の整数係数6次多項式であり,上の計算により x=a+2 を代入すると0になる.2乗によって別の解が加わっても,指定された数を解にもつという条件には影響しない.

解答 設問 3

ω3=1, ω≠1 とし,S の最高次係数を c≠0 とする.因数分解により,

S(x)S(ωx)S(ω2x)=c3∏j=1n(x3−αj3)

である.一方,A=P(x3), B=xQ(x3), C=x2R(x3) とおけば,左辺は

(A+B+C)(A+ωB+ω2C)(A+ω2B+ωC)=A3+B3+C3−3ABC

に等しい.よって,

T(t)=P(t)3+tQ(t)3+t2R(t)3−3tP(t)Q(t)R(t)

と定めると,

T(x3)=c3∏j=1n(x3−αj3)

が恒等的に成り立つ.したがって T(t)=c3∏j=1n(t−αj3) であり,T は求める n 次多項式である.異なる αj の3乗が一致する場合も,その重複度はこの積にそのまま反映される.

解答 設問 4

まず,

f(x)=x2+x−4

を考える.実際に展開すると,

(x2+x−4)3−2=(x3−6x+6)(x3+3x2−3x−11)

が成り立つので,この2次式は条件を満たす.

次に,これより低い次数を除外する.0次で最高次係数が1なら f(x)=1 であり,f(x)3−2=−1 は2つの非定数多項式の積にはならない.1次の場合は f(x)=x+m(m は整数)と書ける.もし (x+m)3−2 が整数係数の2つの非定数多項式に分解できるなら,その次数は1と2である.最高次係数の積が1なので,符号を調整すれば1次因数は x−r(r は整数)と書ける.すると (r+m)3=2 となるが,3乗して2になる整数は存在しない.したがって1次も不可能であり,最小次数は 2 である.

DISCUSSION

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