問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 24
問題 24

問題024|高次方程式と解の個数

難易度 C 目安 60分

前半戦

実数 a,b に対し,方程式

x4+ax3+bx2+ax+1=0

が互いに異なる4つの実数解をもつための必要十分条件を求め,点 (a,b) の存在範囲を図示せよ.

実数 a に対し,f(x)=x2−a とする.方程式

f(f(x))=x

がもつ異なる実数解の個数を,a の値によって分類せよ.また,異なる実数解が4つある場合,そのうち f(x)=x を満たす2つと,満たさない2つが,数直線上でどのような順序に並ぶかを求めよ.

後半戦

多項式の列を

P1(x)=x2−2,Pn+1(x)=Pn(x)2−2

で定める.すべての正の整数 n に対し,方程式

Pn(x)=x

は互いに異なる 2n 個の実数解をもつことを証明せよ.

出典:国際数学オリンピック(IMO)1976年,第2問.

n≥2 を整数とする.方程式

zn−zn−2−z+2=0

の解のうち,|z|=1 を満たす複素数 z をすべて求めよ.

出典:IMO 1974 Longlist,第39問(アメリカ提案).

ヒント 設問 1

ヒント 0

x=0 は解ではないので,両辺を x2 で割り,t=x+1/x とおく.実数 x に対する t の範囲も確認しよう.

ヒント 1

t2+at+b−2=0 の2解が,どちらも t<−2 または t>2 を満たし,相異なることが必要十分である.2解が左右に分かれる場合と,同じ側にある場合を分ける.

ヒント 設問 2

ヒント 0

f(x)=x の解は必ず f(f(x))=x の解でもある.4次式を x2−x−a で割ってみよう.

ヒント 1

もう一方の因数は x2+x+1−a となる.それぞれの判別式に加えて,両因数が共通解をもつ場合を調べる.

ヒント 設問 3

ヒント 0

倍角公式 (2cos⁡θ)2−2=2cos⁡2θ を使い,Pn(2cos⁡θ) を表そう.

ヒント 1

N=2n とし,θ=kπ/N(k=0,…,N)で Pn(2cos⁡θ)−2cos⁡θ の符号を調べる.x=2 が解であることにも注意する.

ヒント 設問 4

ヒント 0

zn−2(z2−1)=z−2 と変形し,|z|=1 を使って両辺の絶対値を比較する.

ヒント 1

s=z+z― とおくと,|z2−1|2=4−s2,|z−2|2=5−2s である.これらが等しいことから z の候補を絞り,元の式へ戻す.

解答 設問 1

x≠0 なので t=x+1/x とおくと,元の方程式は

g(t)=t2+at+b−2=0

となる.逆に x2−tx+1=0 は,|t|>2 なら異なる2つの実数解を,|t|=2 なら1つの実数解をもち,|t|<2 なら実数解をもたない.異なる t から同じ x は生じないので,求める条件は g(t)=0 が領域 |t|>2 に異なる2解をもつことである.

2解が −2 の左と 2 の右に分かれる条件は,g(−2)<0, g(2)<0 である.すなわち,

b+2−2a<0,b+2+2a<0,

したがって b<−2−2|a| を得る.

2解がともに 2 より大きい条件は,軸が 2 より右にあり,g(2)>0,判別式が正であることだから,

a<−4,−2a−2<b<a24+2

となる.同様に,2解がともに −2 より小さい条件は,

a>4,2a−2<b<a24+2

である.以上から,答えは次の2領域の和集合である.

b<−2−2|a|
|a|>4,2|a|−2<b<a24+2

図の着色部が求める範囲であり,破線の境界はすべて含まない.

a,b平面の解の存在範囲.V字型境界より下の領域と,左右の直線と放物線に挟まれる領域を着色し,境界を破線で示す.
解答 設問 2

展開して因数分解すると,

f(f(x))−x=(x2−x−a)(x2+x+1−a)

である.2つの2次式の判別式は,順に 1+4a, 4a−3 である.共通解があるなら両式の差から 2x+1=0,よって x=−1/2, a=3/4 である.したがって,異なる実数解の個数は

{0(a<−1/4),1(a=−1/4),2(−1/4<a≤3/4),4(a>3/4)

となる.特に a=3/4 では第2因数の重解 −1/2 が第1因数の解と一致するので,個数は3ではなく2である.

a>3/4 のとき,f(x)=x の2解を r−<r+,残りの2解を u−<u+ とすると,

r±=1±1+4a2,u±=−1±4a−32

である.h(x)=x2−x−a とおけば,u±2+u±+1−a=0 より

h(u−)=4a−3>0,h(u+)=−4a−3<0

となる.したがって r−<u+<r+ であり,u−<u+ と h(u−)>0 から u−<r− である.求める順序は

u−<r−<u+<r+

となる.

解答 設問 3

倍角公式から,帰納的に

Pn(2cos⁡θ)=2cos⁡(2nθ)

が成り立つ.N=2n,F(x)=Pn(x)−x とし,

xk=2cos⁡kπN(k=0,1,…,N)

とおく.x0>x1>⋯>xN であり,

F(xk)=2(−1)k−2cos⁡kπN

である.1≤k≤N−1 では,k が奇数なら負,偶数なら正となる.また,N は偶数なので F(xN)=4>0 である.よって,k=1,…,N−1 の各区間 (xk+1,xk) に,中間値の定理によって少なくとも1つの解がある.これらは互いに異なる N−1 個の実数解を与える.さらに F(x0)=F(2)=0 なので,合計 N 個の異なる実数解が得られる.

一方,F は N 次多項式であるから,解は重複度を含めても N 個を超えない.したがって,すべての解が実数で相異なり,その個数は 2n である.

解答 設問 4

与式を zn−2(z2−1)=z−2 と変形する.|z|=1 より zz―=1 なので,実数 s=z+z― を用いると,

|z2−1|2=2−z2−z―2=4−s2,|z−2|2=5−2s

である.両辺の絶対値が等しいことから 4−s2=5−2s,すなわち (s−1)2=0 を得る.よって Re⁡z=1/2 であり,|z|=1 と合わせると,

z=1±3i2

に限られる.これらは z2−z+1=0 を満たすので,z2−1=z−2≠0 である.元の式は zn−2=1 と同値になる.両候補の累乗が初めて1に戻る正の指数は6だから,

{z=(1+3i)/2, (1−3i)/2(n≡2 (mod 6)),該当する解なし(n≢2 (mod 6))

となる.候補を元の式に戻したので,十分性も確認できている.

DISCUSSION

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