問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 10
問題 10

問題010|数式

難易度 D 目安 40

前半戦

任意の正の整数 a に対して,分数

a3+2aa4+3a2+1

が既約分数であることを証明せよ.

次の式を満たす正の整数の組 (x,y,z) は存在しないことを示せ.

x3−y3=6xy2z3

関数

F(θ)=sin4⁡θ+cos4⁡θ−23(sin3⁡θ+cos3⁡θ)

の 0≤θ≤2π における最大値と最小値を求めよ.

後半戦

2n−1 を割り切る 2 以上の整数 n は存在するか.存在するならばその例を一つ挙げ,存在しないならばそのことを証明せよ.ただし,フェルマーの小定理「奇素数 p に対して,p は 2p−1−1 を割り切る」を用いてもよい.

ヒント 設問 1

ヒント 1

分母から分子の a 倍を引くと a2+1 になる.

ヒント 2

同じように整数倍を引く操作を繰り返し,分子と分母の最大公約数を調べる.

ヒント 設問 2

ヒント 1

x,y を最大公約数で割り,互いに素な正の整数に直す.

ヒント 2

与えられた式から,それぞれが他方の 3 乗を割り切ることに注目する.

ヒント 設問 3

ヒント 1

t=sin⁡θ+cos⁡θ とおくと,sin⁡θcos⁡θ=(t2−1)/2 と表せる.

ヒント 2

t の変域を求め,F(θ) を t の多項式に直して最大値と最小値を調べる.

ヒント 設問 4

ヒント 1

条件を満たす n が存在すると仮定し,その最小の素因数を p とする.

ヒント 2

p が 2q−1 を割り切る最小の正の整数 q を考え,q が n を割り切ることを示す.

解答 設問 1

分子と分母の最大公約数が 1 であることを示す.

a4+3a2+1=a(a3+2a)+(a2+1),a3+2a=a(a2+1)+a,a2+1=a⋅a+1

であるから,ユークリッドの互除法より,

gcd(a4+3a2+1, a3+2a)=gcd(a3+2a, a2+1)=gcd(a2+1, a)=gcd(a, 1)=1

となる.したがって,任意の正の整数 a に対して,与えられた分数は既約分数である.

別解(整数の組合せで1を作る)

分子を N=a3+2a=a(a2+2),分母を D=a4+3a2+1 とすると,

(a2+1)D−N2=1

が成り立つ.したがって N,D の任意の公約数は左辺の1も割り切るので,最大公約数は1である.この恒等式は,u=a2+1 とおいて

u(u2+u−1)−(u−1)(u+1)2=1

とまとめれば確かめられる.整数の二式の組合せで1を作れれば,互いに素であることが一度に示せる.

解答 設問 2

条件を満たす正の整数の組 (x,y,z) が存在すると仮定する.d=gcd(x,y) とおき,x=da, y=db と表すと,a,b は互いに素な正の整数である.与えられた式を d3 で割ると,

a3−b3=6ab2z3

を得る.この式より a は b3 を割り切り,b は a3 を割り切る.一方,a,b は互いに素なので,a と b3,b と a3 もそれぞれ互いに素である.したがって a=b=1 でなければならない.これを上の式に代入すると 0=6z3 となり,z が正の整数であることに矛盾する.よって,条件を満たす正の整数の組は存在しない.

解答 設問 3

t=sin⁡θ+cos⁡θ とおく.t2=1+2sin⁡θcos⁡θ より,

sin⁡θcos⁡θ=t2−12

である.また,t=2sin⁡(θ+π/4) であり,0≤θ≤2π において t は区間 [−2,2] のすべての値をとる.

ここで,

sin4⁡θ+cos4⁡θ=1−2(sin⁡θcos⁡θ)2
sin3⁡θ+cos3⁡θ=(sin⁡θ+cos⁡θ)(1−sin⁡θcos⁡θ)

であるから,

F(θ)=1−(t2−1)22−23t(1−t2−12)=−12t4+13t3+t2−t+12

となる.右辺を G(t) とおくと,

G′(t)=−2t3+t2+2t−1=−(t+1)(2t−1)(t−1)

である.したがって,G(t) は [−2,−1] で増加,[−1,1/2] で減少,[1/2,1] で増加,[1,2] で減少する.各区間の端点における値は,

G(−2)=12+23,G(−1)=53,G(12)=2596,G(1)=13,G(2)=12−23

である.これらを比較すると,最大値は G(−1)=5/3,最小値は G(2)=1/2−2/3 となる.

t=−1,すなわち sin⁡θ+cos⁡θ=−1 となるのは θ=π,3π/2 のときであり,t=2 となるのは θ=π/4 のときである.よって,求める値は,

最大値53(θ=π, 3π2),最小値12−23(θ=π4)

である.

解答 設問 4

そのような整数 n は存在しない.

n≥2 かつ n∣2n−1 を満たす整数 n が存在すると仮定し,n の最小の素因数を p とする.2n−1 は奇数なので n も奇数であり,p は奇素数である.

フェルマーの小定理より 2p−1≡1 (mod p) であるから,2q≡1 (mod p) を満たす正の整数 q のうち最小のものが存在する.q=1 ならば p∣21−1=1 となって不可能なので,

2≤q≤p−1

である.ここで,n=kq+r,0≤r<q と表すと,

1≡2n=(2q)k2r≡2r (mod p)

となる.もし r>0 ならば q の最小性に反するので,r=0 である.したがって q∣n が成り立つ.

q≥2 より,q の素因数を一つ取り,ℓ とする.q∣n なので ℓ は n の素因数でもあるが,

ℓ≤q≤p−1<p

となり,p が n の最小の素因数であることに矛盾する.よって,条件を満たす整数 n は存在しない.

DISCUSSION

この問題の掲示板

この掲示板は公開されています。ニックネームと本文は、ログインしていない人にも表示されます。Googleアカウントの名前は表示されません。

閲覧はどなたでもできます。ログインすると投稿できます。

まだ投稿はありません。