問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 9
問題 09

問題009|接線の通過領域と有理数解

難易度 D 目安 45

前半戦

0≤t≤233を満たす実数tに対して,xy平面上の2点A,Bを

A(23t,−83t),B(t+1,t3+3t2−4t−4)

と定める.tが0≤t≤233の範囲を動くとき,直線ABの通る範囲を図示せよ.

後半戦

次の等式を満たす有理数の組(x,y)は存在しないことを証明せよ.

x−1x+y−1y=4

xy平面上の放物線C:y=x2上に2点

P(t−2,(t−2)2),Q(t+4,(t+4)2)

がある.ただし,t≠0とする.線分PQ上にない2点R,Sを,四角形PRQSの各辺がx軸またはy軸に平行になるようにとる.tが0以外の実数全体を動くとき,線分RSが通過しうる領域を図示せよ.

ヒント 設問 1

ヒント 1

2点の座標から直線 AB の方程式を求め,y を t の式で表す.

ヒント 2

x を固定し,y=(3t2−4)x−2t3 の最大・最小を指定された t の区間で調べる.端点に加え,t に関する導関数が0となる点も確認せよ.

ヒント 設問 2

ヒント 1

積 u=xy を導入し,元の式を (x+y)(xy−1)=4xy と書く.和と積から作る2次方程式の判別式を調べる.

ヒント 2

判別式が有理数の平方になる条件を,互いに素な整数を用いて書き直す.積が平方数であることとピタゴラス数の表示を使い,同じ条件を満たすより小さい整数の組を作ることを目指せ.

ヒント 設問 3

ヒント 1

R,S の座標を求め,u=t+1 とおく.直線 RS の式に加えて,線分上にある条件も書き出す.

ヒント 2

x を固定すると,y=3u2−2xu+9 を x−3≤u≤x+3 で調べればよい.最後に,t=0 と図形が退化する t=−1 を除く影響を確認せよ.

解答 設問 1

2点A,Bを通る直線の方程式を整理すると,

y=(3t2−4)x−2t3

となる.これは,

y−(t3−4t)=(3t2−4)(x−t)

と書ける.したがって,この直線は3次曲線y=x3−4x上の点(t,t3−4t)における接線である.よって,求める範囲は,0≤t≤23/3に対応する接線が通過する領域である.下側境界はy=−4xとy=−163/9の小さい方,上側境界はx≤0でy=−4x,0≤x≤23/3でy=x3−4x,x≥23/3でy=−163/9となる.図の灰色部分が求める領域である.

前半戦:直線ABの通過領域を灰色で表示.直線y=-4x,水平線y=-16√3/9,0≦x≦2√3/3の3次曲線が境界.破線は代表的な接線.
解答 設問 2

背理法で証明する.与式を満たす有理数の組(x,y)が存在すると仮定する.xを−1/xに,またはyを−1/yに置き換えても与式は変わらないので,x>0,y>0と仮定してよい.u=xyとおくと,

(x+y)(xy−1)=4xy,x+y=4uu−1

である.ここで,u>0,u≠1である.x,yは

T2−4uu−1T+u=0

の有理数解なので,判別式は有理数の平方である.したがって

u(6u−u2−1)

も有理数の平方である.互いに素な正整数p,qを用いてu=q/pと書くと,

u(6u−u2−1)=pq(6pq−p2−q2)p4

であるから,pq(6pq−p2−q2)は整数の平方である.またp,q,6pq−p2−q2はどの2つも互いに素であるため,正整数s,t,wが存在して

p=s2,q=t2,6pq−p2−q2=w2

と書ける.よって

w2=6s2t2−s4−t4=(2st)2−(s2−t2)2

を得る.s,tを入れ替えてs>t>0とし,この形の正整数解のうちs+tが最小のものをとる.

三平方の関係w2+(s2−t2)2=(2st)2を考えると,s,tはともに奇数,wは偶数であり,

(w2)2+(s2−t22)2=(st)2

は原始ピタゴラス数を与える.したがって互いに素な正整数m,nが存在し,一方を偶数,他方を奇数として

s2−t2=4mn,st=m2+n2

と書ける.mを偶数,nを奇数としてよい.(s+t)(s−t)=4mnと互いに素性から,どの2つも互いに素な正整数A,B,C,Dが存在して

s+t=2AB,s−t=2CD,m=AC,n=BD

と書ける.これらをst=m2+n2に代入すると

2A2B2=(A2+D2)(B2+C2)

を得る.また,mが偶数であることからCは偶数,A,B,Dは奇数であり,互いに素性を用いて

A2=B2+C2,2B2=A2+D2

となる.さらにA2=B2+C2を原始ピタゴラス数として表せば,互いに素な正整数a>bが存在して

A=a2+b2,B=a2−b2,C=2ab

である.これを2B2=A2+D2に代入すると

D2=a4+b4−6a2b2

であり,したがって

(2D)2=6(a+b)2(a−b)2−(a+b)4−(a−b)4

を得る.これは(a+b,a−b,2D)が初めと同じ形の正整数解であることを示す.しかし

0<(a+b)+(a−b)=2a<2B(a2+b2)=s+t

であり,s+tの最小性に反する.よって矛盾であり,与式を満たす有理数の組(x,y)は存在しない.

解答 設問 3

点R,Sの座標は

R=(t−2,(t+4)2),S=(t+4,(t−2)2)

である.したがって,直線RSの傾きは

(t−2)2−(t+4)26=−2(t+1)

であり,その方程式はy=−2(t+1)x+3(t+1)2+9となる.u=t+1とおけば,

y=3u2−2xu+9,u−3≤x≤u+3

すなわちx−3≤u≤x+3である.まずu=1も許して考え,xを固定して

g(u)=3u2−2xu+9=3(u−x3)2+9−x23

とおく.端点での値は

g(x−3)=(x−6)2,g(x+3)=(x+6)2

である.頂点u=x/3が区間内にある条件は−9/2≤x≤9/2であり,このとき最小値は9−x2/3である.最大値は両端のうち大きい方なので,x≤0では(x−6)2,x≥0では(x+6)2である.したがって,u=1も許した通過領域は

{(x+6)2≤y≤(x−6)2,x≤−92,9−x23≤y≤(x−6)2,−92≤x≤0,9−x23≤y≤(x+6)2,0≤x≤92,(x−6)2≤y≤(x+6)2,92≤x

である.

最後に除外されるuを調べる.条件t≠0よりu≠1である.またt=−1,すなわちu=0ではP=(−3,9),Q=(3,9)となり,線分PQ上にないR,Sを条件どおりにとれないので,u=0も除く必要がある.固定した点(x,y)を通るuは2次方程式

3u2−2xu+9−y=0

の解である.したがって,u=0,1を除くことで本当に失われる点は,この2次方程式の許される解がすべて0,1に含まれる場合だけである.重解u=0から(0,9),重解u=1から(3,6),2つの解が0,1である場合から(3/2,9)を得る.よって求める領域は上の領域から3点

(0,9),(32,9),(3,6)

を除いたものである.図(a)は全体,図(b)は下側境界付近の拡大であり,赤い白丸は除外点を表す.

後半戦(3):2つの端点軌跡と包絡線に挟まれた線分RSの通過領域.点(0,9),(3/2,9),(3,6)を除く.

別解 u=t+1とおくと,線分RSを含む直線は

Lu:y=−2ux+3u2+9

である.放物線C0:y=9−x23上のx=3uにおける接線の傾きは−2uであり,その接線の方程式はLuに一致する.一方,端点Rの軌跡はy=(x+6)2,端点Sの軌跡はy=(x−6)2である.接点x=3uが線分上にある条件はu−3≤3u≤u+3,すなわち−3/2≤u≤3/2である.したがって,−9/2≤x≤9/2では包絡線C0が下側の境界となり,その外側では端点の軌跡が下側の境界となる.最後にu=0,1を除く影響を考えると,除かれる点は(0,9),(3/2,9),(3,6)だけである.

DISCUSSION

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