問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 8
問題 08

問題008|不等式と3次方程式

難易度 B 目安 45分

前半戦

実数 x,y が

x=y,0≤x≤1,0≤y≤1

を満たしながら動くとする.このようなすべての x,y に対して

y+b≤(x+a)2

が成り立つような点 (a,b) の存在範囲を,ab 平面上に図示せよ.

周の長さが一定である三角形のうち,面積が最大となるものはどのような三角形か.

後半戦

a,b,c を実数とし,

P(x)=x3+ax2+bx−c

とする.方程式 P(x)=0 の3つの解がすべて正の実数であるとき,

k=(b−a)2c

とおく.k の最小値を求めよ.

3次方程式 f(x)=0 が相異なる3つの解 x1,x2,x3 をもつような3次多項式 f(x) を考える.f(2x) が f′(x) で割り切れるとき,x1:x2:x3 を求めよ.ただし,x1,x2,x3 は複素数であってもよく,比も複素数の範囲で表すものとする.

ヒント 設問 1

ヒント 1

x=y=t とおき,すべての 0≤t≤1 に対する条件を b≤(a+t)2−t と書く.

ヒント 2

右辺を t の2次関数とみる.頂点 t=1/2−a が区間の左,内部,右のどこにあるかで最小値を分けよ.

ヒント 設問 2

ヒント 1

半周長を s とし,ヘロンの公式で面積を3辺の長さから表す.

ヒント 2

3辺を x,y,z とすると,正の数 s−x,s−y,s−z の和は一定の s である.相加相乗平均の不等式と等号成立条件を使え.

ヒント 設問 3

ヒント 1

正の3根を p,q,r とおき,解と係数の関係で b−a と c を表す.

ヒント 2

六つの正の数 p,q,r,pq,qr,rp に相加相乗平均の不等式を用いる.それらの積と c の関係を調べ,等号が実現することも確かめよ.

ヒント 設問 4

ヒント 1

最高次係数を1にして f(x)=x3+ax2+bx+c とおく.商が1次式であることから f(2x)=(px+q)f′(x) と表す.

ヒント 2

係数を比較して b,c を a で表す.a=0 を除外した後,w=3x/a とおいて根に共通する倍率を取り除け.

解答 設問 1

x=y=t とおくと,0≤t≤1 であり,与えられた不等式は t+b≤(t+a)2 となる.したがって,すべての t∈[0,1] に対して b≤(a+t)2−t が成り立てばよい.ここで,

F(t)=(a+t)2−t=t2+(2a−1)t+a2

とおく.F(t) は t の下に凸な2次関数で,頂点の t 座標は t0=12−a である.よって,区間 0≤t≤1 における最小値を頂点の位置に応じて求める.

(i) a≤−12 のとき

t0≥1 であるから,最小値は t=1 のときの

F(1)=(a+1)2−1=a2+2a

である.

(ii) −12≤a≤12 のとき

0≤t0≤1 であるから,最小値は

F(t0)=a−14

である.

(iii) a≥12 のとき

t0≤0 であるから,最小値は t=0 のときの

F(0)=a2

である.

以上より,求める領域は

b≤{a2+2a(a≤−12),a−14(−12≤a≤12),a2(a≥12)

で表される.境界を含み,各境界曲線より下側の領域が求める領域である.

別解(図形的な見方)

同じ条件は,放物線の平行移動を用いて捉えることもできる.x=y=t とおき,さらに

X=x+a,Y=y+b

とおく.このとき,(X,Y)=(a+t,b+t) であるから,t が 0 から 1 まで動くと,点 (X,Y) は2点 (a,b),(a+1,b+1) を結ぶ線分上を動く.また,与えられた不等式は Y≤X2 となる.したがって,求める条件は,この線分全体が放物線 Y=X2 の下側に含まれることである.

同じ条件を ab 平面で見ると,各 t∈[0,1] に対して

b≤(a+t)2−t

が必要である.等号で定まる放物線

Ct:b=(a+t)2−t

は,放物線 C0:b=a2 をベクトル (−t,−t) だけ平行移動したものである.したがって,求める領域は,0≤t≤1 に対応するすべての放物線 Ct の下側の共通部分であり,その境界は放物線族の下側の包絡線となる.

以上の2つの考え方を図示すると,次のようになる.破線は放物線 Ct の移動を,青い太線は求める領域の境界を表している.

放物線b=a^2をベクトル(-t,-t)だけ平行移動して得られる放物線族を破線で示し,その下側の共通部分を灰色,包絡境界を青い太線で示した図
a,b平面で放物線と直線および陰影領域を示す座標図
解答 設問 2

三角形の3辺の長さを x,y,z とし,周の長さを 2s とおく.このとき,

x+y+z=2s

であり,s は一定である.また,三角形の面積を S とすると,ヘロンの公式より,

S=s(s−x)(s−y)(s−z)

である.

三角形が成立することから,s−x,s−y,s−z はいずれも正である.さらに,

(s−x)+(s−y)+(s−z)=3s−(x+y+z)=s

であるから,相加平均と相乗平均の関係より,

s3≥(s−x)(s−y)(s−z)3

となる.したがって,

(s−x)(s−y)(s−z)≤(s3)3=s327

であり,

S≤s⋅s327=s233

を得る.

等号が成り立つのは,

s−x=s−y=s−z

のときであり,これは x=y=z=2s3 と同値である.よって,面積が最大となるのは3辺の長さが等しいときである.したがって,求める三角形は

正三角形

である.

解答 設問 3

P(x)=0 の3つの正の実数解を p,q,r とする.解と係数の関係より,

a=−(p+q+r),b=pq+qr+rp,c=pqr

である.したがって,

b−a=p+q+r+pq+qr+rp

となる.6個の正の数 p,q,r,pq,qr,rp に相加相乗平均の不等式を用いると,

b−a≥6p⋅q⋅r⋅pq⋅qr⋅rp6=6pqr

を得る.両辺は正であるから2乗して,

(b−a)2≥36pqr=36c

となる.よって k≥36 である.

等号が成り立つためには

p=q=r=pq=qr=rp

であればよく,実際に p=q=r=1 のとき等号が成り立つ.このとき a=−3, b=3, c=1 であり,k=36 となる.したがって,求める最小値は

36

である.

解答 設問 4

最高次係数で割ることにより,f(x) は

f(x)=x3+ax2+bx+c

とおいてよい.f(2x) は f′(x) で割り切れ,両者の次数の差は 1 であるから,ある定数 p,q を用いて

8x3+4ax2+2bx+c=(3x2+2ax+b)(px+q)

と表せる.両辺の係数を比較すると,

3p=8,2ap+3q=4a,
bp+2aq=2b,bq=c

を得る.これらを順に解くと,

p=83,q=−4a9,b=4a23,c=−16a327

となる.したがって,

f(x)=x3+ax2+4a23x−16a327

である.

ここで a=0 とすると f(x)=x3 となり,f(x)=0 は相異なる3つの解をもたない.よって a≠0 である.w=3xa とおくと,

27a3f(aw3)=w3+3w2+12w−16=(w−1)(w2+4w+16)

となる.したがって,w の値は

1,−2+23i,−2−23i

である.x=a3w であり,a3≠0 は3つの解に共通する因子であるから,解の順序を適切に定めれば,

x1:x2:x3=1:(−2+23i):(−2−23i)

となる.

DISCUSSION

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