問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 11
問題 11

問題011|整数と有理数

難易度 C 目安 50

前半戦

正の整数 a,b に対して,ax+by=gcd(a,b) を満たす整数 x,y が存在することを示せ.また,任意の整数 x,y に対して,gcd(a,b) は ax+by を割り切ることを示せ.

フィボナッチ数列を F1=F2=1,Fn+2=Fn+1+Fn(n≥1)で定める.任意の正の整数 n に対して,Fn と Fn+1 が互いに素であることを示せ.

実数 p,q に対して,任意の2次関数 f(x) について

∫−22f(x)(x3+px+q)dx=0

が成り立つという.このとき,p,q の値を求めよ.

後半戦

方程式

xy=yx

を満たす,互いに異なる正の有理数の組 (x,y) をすべて求めよ.すべての解を与える公式を示せ.

次の式を満たす正の整数の組 (x,y,z) は存在しないことを示せ.

x2+10y2=3z2
ヒント 設問 1

ヒント 1

ユークリッドの互除法に現れる余りが,すべて a,b の整数係数の一次結合で表せることに注目する.

ヒント 2

また,a,b の公約数は,それらの整数倍の和も割り切る.

ヒント 設問 2

ヒント 1

漸化式と gcd(u+v,u)=gcd(u,v) を使い,添字を一つずつ小さくする.

ヒント 2

gcd(Fn+1,Fn)=gcd(Fn,Fn−1) を繰り返し,初期値まで戻せばよい.

ヒント 設問 3

ヒント 1

f(x)=ax2+bx+c(a≠0)とおき,積分の線形性と奇関数・偶関数の性質を使う.

ヒント 2

得られる式が,すべての a≠0 と実数 b,c に対して成り立つ条件を考える.

ヒント 設問 4

ヒント 1

対称性から x<y とし,k=y/x>1 とおく.

ヒント 2

xk−1=k を導き,1/(k−1)=p/q を既約分数で表す.x が有理数であることから,p と p+q の素因数分解の指数を調べる.

ヒント 設問 5

ヒント 1

平方数を 3 で割った余りを考える.

ヒント 2

解が存在すると仮定したとき,x,y,z がすべて 3 の倍数となることを示し,より小さな正の整数解を作る.

解答 設問 1

d=gcd(a,b) とおく.必要ならば a,b を入れ替え,a≥b としてよい.ユークリッドの互除法では,二つの数から,一方を他方で割った余りを順に求める.各段階で最大公約数は変わらず,正の余りは次第に小さくなるので,有限回で余りが 0 となる.このとき,最後の 0 でない数が d である.

最初の二数は a=1⋅a+0⋅b,b=0⋅a+1⋅b と表せる.また,ある段階の二数が u=ax1+by1,v=ax2+by2 と整数係数で表せるならば,u を v で割った商を q,余りを r として,

r=u−qv=a(x1−qx2)+b(y1−qy2)

となる.したがって,互除法に現れる数はすべて a,b の整数係数の一次結合で表せる.特に,最後の 0 でない数 d についても,ax+by=d を満たす整数 x,y が存在する.

次に,d は a,b の公約数なので,整数 A,B を用いて a=dA, b=dB と表せる.任意の整数 x,y に対して ax+by=d(Ax+By) となり,Ax+By は整数である.よって,d は ax+by を割り切る.

解答 設問 2

n=1 のとき,gcd(F2,F1)=gcd(1,1)=1 である.n≥2 のとき,漸化式とユークリッドの互除法より,

gcd(Fn+1,Fn)=gcd(Fn+Fn−1,Fn)=gcd(Fn,Fn−1)

となる.これを繰り返すと gcd(Fn+1,Fn)=gcd(F2,F1)=1 を得る.したがって,任意の隣接するフィボナッチ数は互いに素である.

解答 設問 3

任意の2次関数を f(x)=ax2+bx+c(a,b,c は実数,a≠0)と表す.積分の線形性より,

∫−22f(x)(x3+px+q)dx=a∫−22(x5+px3+qx2)dx+b∫−22(x4+px2+qx)dx+c∫−22(x3+px+q)dx

である.奇関数の [−2,2] における積分は 0 となるので,右辺は

2aq∫02x2dx+2b∫02(x4+px2)dx+2cq∫021dx=163aq+b(645+163p)+4cq

となる.これがすべての a≠0 と実数 b,c に対して 0 となる条件を調べる.まず a=1, b=c=0,すなわち f(x)=x2 とすると,163q=0 より q=0 を得る.次に a=b=1, c=0,すなわち f(x)=x2+x とすると,

645+163p=0

より p=−12/5 となる.

逆に,p=−12/5, q=0 のとき,上の積分の計算結果は a,b,c の値によらず 0 となる.したがって,任意の2次関数について条件が成り立つ.よって,求める値は

p=−125,q=0

である.

解答 設問 4

方程式は x,y について対称なので,まず x<y の場合を考える.k=y/x>1 とおくと,xy=yx より xkx=(kx)x となる.両辺の 1/x 乗をとり,x で割ると xk−1=k を得る.したがって,

x=k1/(k−1),y=kk/(k−1)

である.k は有理数なので,1/(k−1)=p/q を,互いに素な正の整数 p,q を用いた既約分数として表す.このとき k=(p+q)/p であり,

x=(p+qp)p/q,y=(p+qp)(p+q)/q

となる.

ここで,x を互いに素な正の整数 A,B を用いて x=A/B と表すと,

AqBq=(p+q)ppp

である.gcd(p+q,p)=gcd(p,q)=1 より両辺は既約分数なので,Aq=(p+q)p,Bq=pp が成り立つ.素因数分解の指数を比較し,gcd(p,q)=1 を使うと,p+q と p の各素因数の指数はすべて q の倍数でなければならない.したがって,正の整数 m,n を用いて p+q=mq, p=nq と表せる.

もし q≥2 ならば,二項展開より

(n+1)q≥nq+qnq−1+1>nq+q

である.よって nq<mq=nq+q<(n+1)q となるが,これは n<m<n+1 を意味し,m が整数であることに矛盾する.したがって q=1 である.以上より,x<y の場合の解は,正の整数 n を用いて

x=(n+1n)n,y=(n+1n)n+1

と表されるものに限られる.

逆に,任意の正の整数 n に対して k=(n+1)/n,x=kn, y=kn+1=kx とおくと,x,y は互いに異なる正の有理数であり,xk−1=k が成り立つ.したがって,

xy=xkx=(xk)x=(kx)x=yx

となるので,確かに解である.よって,求めるすべての組は

(x,y)=((n+1n)n, (n+1n)n+1)(n=1,2,3,…)

および,これらの x,y を入れ替えた組である.

解答 設問 5

条件を満たす正の整数の組 (x,y,z) が存在すると仮定し,そのうち z が最小となるものを取る.平方数を 3 で割った余りは 0 または 1 であり,与えられた式より,

x2+y2≡0 (mod 3)

となる.したがって,x2,y2 を 3 で割った余りはともに 0 であり,x,y はともに 3 の倍数である.正の整数 x1,y1 を用いて x=3x1, y=3y1 とおくと,

9x12+90y12=3z2

となる.両辺を 3 で割ると z2=3x12+30y12 を得るので,z2,したがって z も 3 の倍数である.そこで z=3z1 とおき,上の式に代入して両辺を 9 で割ると,

x12+10y12=3z12

を得る.よって,(x1,y1,z1) も正の整数解であり,z1=z/3<z となる.これは z の最小性に矛盾する.したがって,条件を満たす正の整数の組は存在しない.

DISCUSSION

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