問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 14
問題 14

問題014|整数・二項係数

難易度 D 目安 50

前半戦

次の式の値が素数となる整数 n は存在するか.

n4−6n2+25

n を非負整数とする.n 次多項式 P(x) が,k=0,1,…,n に対して P(k)=2k を満たしている.P(n+1) の値を求めよ.

後半戦

各項が正の整数である数列 {an} が,任意の正の整数 i,j に対して,

gcd(ai,aj)=gcd(i,j)

を満たすとする.このとき,すべての正の整数 n に対して an=n であることを示せ.

p を素数,n を非負整数とし,n の p 進展開を

n=n0+n1p+⋯+ntpt(0≤ni<p)

とする.二項係数 (nr)(r=0,1,…,n)のうち,p で割り切れないものの個数を n0,n1,…,nt を用いて表せ.

ヒント 設問 1

ヒント 1

(n2+5)2−(4n)2 と変形して因数分解する.

ヒント 2

各因数を平方の形に直し,どちらかが 1 となる場合を調べる.

ヒント 設問 2

ヒント 1

二項定理の和を,多項式 (xr)=x(x−1)⋯(x−r+1)/r! を用いて表す.

ヒント 2

条件を満たす多項式を作り,P(x) との差が持つ零点の個数を考える.

ヒント 設問 3

ヒント 1

条件は i=j の場合にも成り立つ.

ヒント 2

gcd(m,m)=m を用いる.

ヒント 設問 4

ヒント 1

(1+x)p≡1+xp (mod p) を繰り返し用い,(1+x)n を n の p 進展開に沿って分解する.

ヒント 2

各因子から項を選ぶ方法と,その項の次数の p 進展開を対応させる.

解答 設問 1

与えられた式を因数分解すると,

n4−6n2+25=(n2+5)2−(4n)2=(n2+4n+5)(n2−4n+5)={(n+2)2+1}{(n−2)2+1}

となる.n は整数なので,右辺の二つの因数はともに正の整数である.したがって,積が素数となるためには,少なくとも一方の因数が 1 でなければならない.

(n+2)2+1=1 となるのは n=−2,(n−2)2+1=1 となるのは n=2 のときである.いずれの場合も,与えられた式の値は 16−24+25=17 となり,これは素数である.よって,そのような整数は存在し,該当するのは n=±2 である.

解答 設問 2

(x0)=1 と定め,1≤r≤n に対して,

(xr)=x(x−1)⋯(x−r+1)r!

とおく.これは x の r 次多項式である.次の多項式を考える.

Q(x)=∑r=0n(xr)

Q(x) は n 次多項式である.整数 k が 0≤k≤n を満たすとき,r>k ならば (kr)=0 なので,二項定理より,

Q(k)=∑r=0k(kr)=(1+1)k=2k=P(k)

となる.したがって,次数が高々 n の多項式 P(x)−Q(x) は,相異なる n+1 個の零点 0,1,…,n を持つ.零多項式でない多項式の零点の個数はその次数以下であるから,P(x)−Q(x) は零多項式であり,P(x)=Q(x) が成り立つ.

よって,再び二項定理を用いると,

P(n+1)=∑r=0n(n+1r)=∑r=0n+1(n+1r)−(n+1n+1)=2n+1−1

となる.

別解(有限差分)

関数 f に対して Δf(x)=f(x+1)−f(x) と定める.多項式では差を取るたびに次数が下がるので,Δn+1P=0 である.一方,E(x)=2x とおけば ΔE=E より Δn+1E(0)=1 である.

R(x)=E(x)−P(x) とすると,仮定から R(0)=⋯=R(n)=0 である.差を繰り返し取った Δn+1R(0) は R(0),…,R(n+1) の一次結合であり,最後の R(n+1) の係数は 1 なので,

2n+1−P(n+1)=R(n+1)=Δn+1R(0)=1.

よって P(n+1)=2n+1−1 である.これは n=0 の場合も含む.

解答 設問 3

任意の正の整数 n に対して,条件に i=j=n を代入すると,

gcd(an,an)=gcd(n,n)

を得る.an,n は正の整数なので,左辺は an,右辺は n に等しい.したがって,すべての正の整数 n に対して an=n である.

解答 設問 4

以下,多項式の合同式は,同じ次数の項の係数がそれぞれ合同であることを表す.

p は素数なので,1≤j≤p−1 に対して (pj) は p の倍数である.したがって,二項定理より

(1+x)p≡1+xp (mod p)

が成り立つ.これを繰り返すと,任意の非負整数 i に対して

(1+x)pi≡1+xpi (mod p)

を得る.よって,n の p 進展開を用いると,

(1+x)n=∏i=0t((1+x)pi)ni≡∏i=0t(1+xpi)ni=∏i=0t(∑ri=0ni(niri)xripi)(mod p)

となる.

右辺の積から項を一つ選ぶことは,各 i について 0≤ri≤ni を満たす整数 ri を選ぶことに対応する.その項の次数は

r=r0+r1p+⋯+rtpt

である.各 ri は p 未満なので,p 進展開の一意性により,異なる選び方から同じ次数の項が生じることはない.また,ri≤ni より 0≤r≤n である.

0≤ri≤ni<p より,ni!,ri!,(ni−ri)! はいずれも p で割り切れない.したがって,(niri) も p で割り切れず,選ばれた項の係数

∏i=0t(niri)

も p で割り切れない.一方,このような選び方で現れない次数の係数は,右辺では 0 である.

以上より,左辺の二項係数が p で割り切れない次数は,このような選び方にちょうど対応する.各 ri の選び方は ni+1 通りなので,求める個数は

∏i=0t(ni+1)

である.n=0 の場合も,二項係数は (00)=1 の一つだけであり,この公式が成り立つ.

DISCUSSION

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