問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 16
問題 16

問題016|整数・数列

前半戦

正の整数 n と正の整数 a1,a2,…,an に対して,

k1a1+k2a2+⋯+knan=gcd(a1,a2,…,an)

を満たす整数 k1,k2,…,kn が存在することを示せ.

フィボナッチ数列 {Fn} を

F1=F2=1,Fn+1=Fn+Fn−1(n≥2)

で定める.任意の正の整数 n に対して,

F1(n1)+F2(n2)+⋯+Fn(nn)=F2n

が成り立つことを示せ.

後半戦

次の分数の値が整数となる整数 n をすべて求めよ.

n3−3n2+42n−1

p>17 を満たす任意の素数 p に対して,p32−1 が 16320 で割り切れることを示せ.

ヒント 設問 1

ヒント 1

n についての数学的帰納法を用いる.

ヒント 2

gcd(a1,…,an) と an+1 に対して,2整数の最大公約数を整数係数の一次結合で表す結果を使う.

ヒント 設問 2

ヒント 1

α=(1+5)/2, β=(1−5)/2 とおく.

ヒント 2

ビネの公式 Fk=(αk−βk)/5 と二項定理を用い,1+α=α2, 1+β=β2 に注目する.

ヒント 設問 3

ヒント 1

分数を 8 倍して整式の部分と余りに分け,2n−1 が 27 の約数となることを示す.

ヒント 2

得られた候補は元の分数に代入して確認する.

ヒント 設問 4

ヒント 1

16320=26⋅3⋅5⋅17 と分解する.

ヒント 2

3,5,17 についてはフェルマーの小定理を使う.26 については p32−1 を繰り返し平方の差として因数分解し,p2−1 が 8 の倍数であることを利用する.

解答 設問 1

n についての数学的帰納法で示す.n=1 のときは k1=1 とすればよい.また,11日目に示した結果より,任意の正の整数 u,v に対して,su+tv=gcd(u,v) を満たす整数 s,t が存在する.

ある正の整数 n について題意が成り立つと仮定する.正の整数 a1,…,an,an+1 に対して d=gcd(a1,…,an) とおくと,帰納法の仮定より,

k1a1+⋯+knan=d

を満たす整数 k1,…,kn が存在する.ここで,2整数についての結果を d,an+1 に適用すると,

sd+tan+1=gcd(d,an+1)=gcd(a1,…,an,an+1)

を満たす整数 s,t が存在する.d の表示を代入すれば,

(sk1)a1+⋯+(skn)an+tan+1=gcd(a1,…,an,an+1)

となる.係数 sk1,…,skn,t はすべて整数なので,n+1 についても題意が成り立つ.以上より,すべての正の整数 n について証明された.

別解(整数係数の和の最小正値)

整数係数の和 k1a1+⋯+knan のうち,正となるものの最小値を d とする.例えば a1 がこの形の正の数なので,d は存在する.各 ai を d で割り,ai=qid+ri,0≤ri<d とおく.余り ri=ai−qid も同じ形の整数係数の和だから,最小性より ri=0 である.したがって d はすべての ai の公約数である.

逆に,g=gcd(a1,…,an) は任意の整数係数の和を割り切るので g∣d である.d が公約数であることと合わせて d=g を得る.d の選び方から,求める整数係数が存在する.

解答 設問 2

F0=0 と定めると,Fk+2=Fk+1+Fk は k=0 から成り立つ.ここで,

α=1+52,β=1−52

とおく.α,β は方程式 t2=t+1 の解なので,

α2=α+1,β2=β+1

を満たす.したがって,数列 Bk=(αk−βk)/5 は,

Bk+2=αk(α+1)−βk(β+1)5=Bk+1+Bk

を満たす.また,B0=0, B1=(α−β)/5=1 である.初期値と漸化式がフィボナッチ数列と一致するので,帰納的に,

Fk=αk−βk5(k≥0)

が成り立つ.これがビネの公式である.

F0=0 より,求める和には k=0 の項を加えてよい.ビネの公式を代入し,二項定理を用いると,

∑k=1nFk(nk)=∑k=0nFk(nk)=15{∑k=0n(nk)αk−∑k=0n(nk)βk}=(1+α)n−(1+β)n5=α2n−β2n5=F2n

となる.よって,題意の等式が成り立つ.

解答 設問 3
F(n)=n3−3n2+42n−1

とおく.整数 n に対して 2n−1≠0 である.分子を 8 倍すると,

8(n3−3n2+4)=(2n−1)(4n2−10n−5)+27

となるので,

8F(n)=4n2−10n−5+272n−1

を得る.したがって,F(n) が整数ならば 27/(2n−1) も整数であり,2n−1 は 27 の正または負の約数でなければならない.よって,

2n−1∈{−27,−9,−3,−1,1,3,9,27}

から,候補は

n=−13,−4,−1,0,1,2,5,14

である.これらを元の分数に代入すると,順に

F(n)=100,12,0,−4,2,0,6,80

となり,すべて整数である.よって,求める整数は

n=−13,−4,−1,0,1,2,5,14

である.

解答 設問 4
16320=26⋅3⋅5⋅17

であり,右辺の四つの因数はどの二つも互いに素である.したがって,p32−1 がそれぞれで割り切れることを示せばよい.

まず,p>17 は素数なので,p は 3,5,17 のいずれとも互いに素である.フェルマーの小定理より,

p2≡1 (mod 3),p4≡1 (mod 5),p16≡1 (mod 17)

となる.それぞれを 16 乗,8 乗,2 乗すれば,p32 は 3,5,17 のいずれを法としても 1 に合同である.よって,p32−1 は 3,5,17 で割り切れる.

次に,26 について考える.p は奇数なので,p−1,p+1 はともに偶数であり,その一方は 4 の倍数である.したがって,

p2−1=(p−1)(p+1)

は 8 の倍数である.また,平方の差の因数分解を繰り返すと,

p32−1=(p2−1)(p2+1)(p4+1)(p8+1)(p16+1)

となる.右辺の最初の因数は 23 の倍数であり,残りの四つの因数はすべて偶数なので,積は 23+4=27 の倍数である.特に,26 で割り切れる.

以上より,p32−1 は互いに素な 26,3,5,17 のすべてで割り切れるため,その積 16320 で割り切れる.

DISCUSSION

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