問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 18
問題 18

問題018|整数・素数

前半戦

正の実数 a,b が 1a+1b=1 を満たし,正の整数 m,n,N に対して,

⌊ma⌋=⌊nb⌋=N

が成り立つとする.a,b を m,n を用いて表せ.ただし,⌊x⌋ は x を超えない最大の整数を表す.

素数が無限に存在することを証明せよ.

後半戦

任意の正の整数 n に対して,33n+1 は少なくとも 2n+1 個の正の約数を持つことを示せ.

p を奇素数とする.等差数列

2p+1, 4p+1, 6p+1,…

には素数が無限に存在することを証明せよ.すなわち,正の整数 k を用いて 2pk+1 と表される素数が無限に存在することを示せ.

ヒント 設問 1

ヒント 1

床関数の条件を不等式で表し,それぞれ a,b で割って足す.

ヒント 2

N≤m+n<N+1 から,左側の等号が成立することを使う.

ヒント 設問 2

ヒント 1

素数が有限個であると仮定し,それらをすべて掛けた数に 1 を加える.

ヒント 2

その数自身が素数とは限らないので,素因数に注目する.

ヒント 設問 3

ヒント 1

An=33n+1 とおく.

ヒント 2

平方の差も使って An+1 を An と二つの 1 より大きい整数の積に分解し,An より大きい約数を二つ作る.

ヒント 設問 4

ヒント 1

該当する素数が有限個 q1,…,qr だと仮定し,A=2pq1⋯qr,M=1+A+⋯+Ap−1 とおく.

ヒント 2

M の素因数 q に対して,Ap≡1 (mod q) だが A≢1 (mod q) であることを示す.最小の正の指数とフェルマーの小定理を使うと,p∣q−1 が得られる.

解答 設問 1

床関数の定義より,

N≤ma<N+1,N≤nb<N+1

である.a,b>0 なので,それぞれを a,b で割って足すと,

N(1a+1b)≤m+n<(N+1)(1a+1b)

となる.仮定を用いれば N≤m+n<N+1 である.m+n は整数なので m+n=N を得る.

ここで,m−N/a と n−N/b はともに非負であり,その和は m+n−N(1/a+1/b)=0 である.したがって両方とも 0 であり,m=N/a, n=N/b となる.よって,

a=m+nm,b=m+nn

である.逆に,これらの値を取れば 1/a+1/b=1,ma=nb=m+n となり,N=m+n として条件を満たす.

解答 設問 2

素数が有限個であると仮定し,そのすべてを p1,p2,…,pr とする.

M=p1p2⋯pr+1

とおく.M>1 なので,M は少なくとも一つの素因数 q を持つ.しかし,どの pi で割っても M の余りは 1 だから,q は p1,…,pr のいずれとも異なる.これはすべての素数を列挙したという仮定に矛盾する.よって,素数は無限に存在する.

解答 設問 3

An=33n+1 とおき,n についての数学的帰納法で示す.n=1 のとき A1=28 は相異なる正の約数 1,2,28 を持つので,少なくとも 3=2⋅1+1 個の正の約数を持つ.

ある n≥1 について,An が少なくとも 2n+1 個の正の約数を持つと仮定する.

u=33n,v=3(3n+1)/2

とおく.3n は奇数なので v は整数であり,v2=3u である.したがって,

An+1=u3+1=(u+1)(u2−u+1)=(u+1){(u+1)2−v2}=An(u+1−v)(u+1+v)

となる.n≥1 より (3n+1)/2<3n なので v<u であり,B=u+1−v>1,C=u+1+v>1 である.

An+1=AnBC より,An のすべての正の約数は An+1 の約数でもある.さらに,

An<AnB<AnBC=An+1

なので,AnB と An+1 は,An の約数には含まれない相異なる二つの正の約数である.よって,An+1 の正の約数は少なくとも (2n+1)+2=2(n+1)+1 個ある.以上より,すべての正の整数 n について題意が成り立つ.

別解(奇数の約数を連鎖させる)

Aj=33j+1(j=0,1,…,n)とおく.A0=4 であり,u=33j−1 とすると

Aj=Aj−1(u2−u+1)(j≥1)

である.u2−u+1 は 1 より大きい奇数なので,Dj=Aj/4 とおけば

1=D0<D1<⋯<Dn,D0∣D1∣⋯∣Dn

となり,すべての Dj は奇数である.

したがって,Dj,2Dj,4Dj(0≤j≤n)はすべて An=4Dn の約数である.同じ組の中では値が異なり,異なる組 Dj,2Dj,4Dj の間でも含まれる 2 の因子の個数が異なるため重複しない.よって正の約数は少なくとも 3(n+1)≥2n+1 個ある.

解答 設問 4

p を固定した奇素数とする.2pk+1 と表される素数が有限個であると仮定し,そのすべてを q1,…,qr とする.

A=2pq1q2⋯qr,M=1+A+A2+⋯+Ap−1

とおく.該当する素数が一つもない場合は,空の積を 1 として A=2p と定める.いずれの場合も M>1 なので,M は素因数 q を持つ.この q が,新しい 2pk+1 型の素数となることを示す.

素因数 q の基本的な性質

A は 2,p,q1,…,qr のすべての倍数である.したがって,これらのいずれで割っても M の余りは 1 となる.よって,

q≠2,q≠p,q≠qi(1≤i≤r)

である.また,q∣A ならば M≡1 (mod q) となって矛盾するので,q と A は互いに素である.

等比数列の和の恒等式より,

(A−1)M=Ap−1

であるから,q∣M より Ap≡1 (mod q) を得る.一方,もし A≡1 (mod q) ならば,M は p 個の項の和なので M≡p (mod q) となる.これは q∣M より q∣p,すなわち q=p を意味し,矛盾する.したがって,

Ap≡1 (mod q),A≢1 (mod q)

である.

最小の指数を調べる

Ah≡1 (mod q) を満たす最小の正の整数を h とする.Ap≡1 よりそのような h は存在し,A≢1 より h>1 である.

一般に,At≡1 (mod q) ならば h∣t となる.実際,t=uh+v,0≤v<h と割り算を行うと,

1≡At=(Ah)uAv≡Av (mod q)

を得る.v>0 ならば h の最小性に反するので,v=0 である.

これを t=p に適用すると h∣p となる.p は素数で h>1 だから,h=p である.さらに,q は素数で gcd(A,q)=1 なので,フェルマーの小定理より,

Aq−1≡1 (mod q)

である.同じ議論を t=q−1 に適用すれば,p=h∣q−1 を得る.

矛盾を導く

q≠2 なので q−1 は偶数である.p は奇素数なので gcd(2,p)=1 であり,2p∣q−1 が成り立つ.したがって,正の整数 k を用いて,

q=2pk+1

と表せる.ところが,q は q1,…,qr のいずれとも異なる.これは,該当する素数をすべて列挙したという仮定に矛盾する.よって,2pk+1 と表される素数は無限に存在する.

DISCUSSION

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