問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 19
問題 19

問題019|式と数・整数

前半戦

a,b を実数とする.二つの2次方程式

x2+ax+b=0,x2+bx+a=0

が共通の実数解を持つための必要十分条件を求めよ.

相異なる 7 以下の正の整数 a,b,c,d,e,f,g を用いて,

a×b×c×d+e×f×g

と表せる素数をすべて求めよ.

後半戦

正の整数 m,n が m<n を満たすとき,

gcd(m,n)n(nm)

は整数であることを示せ.

a,b,c,d,e,f を正の整数とし,S=a+b+c+d+e+f とおく.S が abc+def と ab+bc+ca−de−ef−fd の両方を割り切るとき,S は合成数であることを示せ.

ヒント 設問 1

ヒント 1

共通の実数解を t とし,二つの式の差を取る.

ヒント 2

a=b の場合は判別式を調べる.

ヒント 設問 2

ヒント 1

1,…,7 を4個と3個の組に分ける.

ヒント 2

二つの積の和が素数となるためには,偶数 2,4,6 は同じ組に入る必要がある.同様に 3,6 の配置を考える.

ヒント 設問 3

ヒント 1

λm+μn=gcd(m,n) を満たす整数 λ,μ の存在を使う.

ヒント 2

mn(nm)=(n−1m−1) に注目する.

ヒント 設問 4

ヒント 1

多項式 P(x)=(x+a)(x+b)(x+c)−(x−d)(x−e)(x−f) を展開する.

ヒント 2

仮定から P(d) は S の倍数となる.S が素数だと仮定し,積 (a+d)(b+d)(c+d) を考える.

解答 設問 1

共通の実数解を t とする.二つの方程式に x=t を代入し,差を取ると,

(a−b)(t−1)=0

を得る.

a≠b の場合 t=1 でなければならない.これを元の方程式に代入すると,1+a+b=0 となる.逆に,a+b=−1 ならば x=1 は両方の方程式の実数解である.したがって,この場合の必要十分条件は a+b=−1 である.

a=b の場合 二つの方程式は同じ方程式 x2+ax+a=0 となる.これが実数解を持つための必要十分条件は,判別式が非負となること,すなわち,

a2−4a=a(a−4)≥0

である.よって,a≤0 または a≥4 となる.

以上をまとめると,求める必要十分条件は,

a+b=−1

または,

a=bかつ(a≤0 または a≥4)

である.なお,a=b=−1/2 のときも x=1 が共通解となるので,最初の条件に a≠b を付ける必要はない.

解答 設問 2

a,b,c,d,e,f,g は,相異なる 7 以下の正の整数なので,1,2,…,7 を一度ずつ使ったものである.

A={a,b,c,d},B={e,f,g},X=abcd+efg

とおき,X が素数であると仮定する.4個の相異なる正の整数の積は 1⋅2⋅3⋅4=24 以上なので,X>3 である.

もし偶数 2,4,6 が A,B の両方に分かれて入っていれば,abcd と efg はともに偶数となる.すると X も偶数となり,X>2 であることから素数ではなくなる.したがって,2,4,6 はすべて同じ集合に属する.

同様に,3 と 6 が別々の集合に属していれば,二つの積はともに 3 の倍数となる.このとき X も 3 の倍数となり,X>3 だから素数ではない.よって,3 と 6 も同じ集合に属する.

以上より,2,3,4,6 はすべて同じ集合に属する.B の要素は3個しかないので,

A={2,3,4,6},B={1,5,7}

に限られる.したがって,素数となる値の候補は,

X=2⋅3⋅4⋅6+1⋅5⋅7=144+35=179

だけである.

ここで,179<14 であり,14 未満の素数は 2,3,5,7,11,13 である.179 は 2,3,5 のいずれでも割り切れず,

179=7⋅25+4=11⋅16+3=13⋅13+10

より,7,11,13 のいずれでも割り切れない.したがって 179 は素数である.上の配置で実際に表せるので,求める素数は 179 のみである.

解答 設問 3

d=gcd(m,n) とおく.11日目に示した結果より,

λm+μn=d

を満たす整数 λ,μ が存在する.両辺に 1n(nm) を掛けると,

dn(nm)=λmn(nm)+μ(nm)

となる.ここで,二項係数の定義より,

mn(nm)=mnn!m!(n−m)!=(n−1)!(m−1)!(n−m)!=(n−1m−1)

である.したがって,

dn(nm)=λ(n−1m−1)+μ(nm)

と表せる.右辺は整数の整数倍の和なので整数であり,題意が示された.

別解(互いに素な因子を消す)

d=gcd(m,n),m=du,n=dv とおくと,gcd(u,v)=1 である.二項係数の恒等式

m(nm)=n(n−1m−1)

を d で割れば,v∣u(nm) を得る.u,v は互いに素なので v∣(nm) である.したがって

gcd(m,n)n(nm)=1v(nm)

は整数である.

解答 設問 4

多項式

P(x)=(x+a)(x+b)(x+c)−(x−d)(x−e)(x−f)

を考える.二つの積を展開すると,3次の項が打ち消し合い,

P(x)=(a+b+c+d+e+f)x2+(ab+bc+ca−de−ef−fd)x+(abc+def)=Sx2+(ab+bc+ca−de−ef−fd)x+(abc+def)

となる.仮定より,この多項式のすべての係数は S の倍数である.したがって,任意の整数 x に対して P(x) も S の倍数となる.特に x=d を代入すると,第二の積は 0 となるので,

S∣P(d)=(a+d)(b+d)(c+d)

を得る.

ここで,S が素数であると仮定する.素数が整数の積を割り切るならば,少なくとも一つの因子を割り切るので,S は a+d, b+d, c+d のいずれかを割り切る.しかし,すべての変数は正の整数だから,

0<a+d<S,0<b+d<S,0<c+d<S

であり,これらのいずれも S で割り切れない.これは矛盾する.よって S は素数ではない.さらに S≥6>1 なので,S は合成数である.

DISCUSSION

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