問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 27
問題 27

問題027|三角関数の最大・最小と不等式

難易度 C 目安 60分

前半戦

実数 a に対し,0≤θ≤π/2 における

qa(θ)=cos2⁡θ+4sin2⁡θ−2asin⁡θcos⁡θ

の最大値・最小値を求め,それぞれをとる θ の条件も求めよ.

0≤x<2π に対し

f(x)=2(sin⁡x+cos⁡x)3−3(sin⁡x+cos⁡x)

とする.f の最大値・最小値と,それぞれをとるすべての x を求めよ.さらに,実数 b に対し,方程式 f(x)=b の異なる解の個数を求めよ.

後半戦

整数 n≥2 と任意の実数 x1,…,xn に対し,

∑1≤j<i≤ncos2⁡(xi−xj)≥n(n−2)4

を示せ.さらに等号成立条件を ∑cos⁡2xi, ∑sin⁡2xi を用いて表し,各 n で等号が実現する例を与えよ.

IMO 1983 ロングリスト,第72問を改題(等号に関する問いを追加).

整数 n≥1 と実数 θ について,次の問いに答えよ.
(1) |sin2⁡θsin⁡2θ| の最大値を求めよ.
(2) 次の式が θ=π/3 で最大値をとることを示し,その値を求めよ.ただし n=1 のとき,中括弧の積は1とする.

|sin2⁡θ{∏k=1n−1sin3⁡(2kθ)}sin⁡(2nθ)|

(3) ∏k=0nsin2⁡(2kθ)≤(3/4)n を示せ.

Putnam 1973,B6(表記を整理).

ヒント 設問 1

ヒント 0

u=2θ として合成する.ただし u は円周全体ではなく [0,π] を動く.

ヒント 1

qa=(5−3cos⁡u−2asin⁡u)/2.合成した振幅が実際に区間内で実現するかを,a の符号で分ける.

ヒント 設問 2

ヒント 0

t=sin⁡x+cos⁡x として3次式を調べてもよいが,3倍角の公式を使うと1つの三角関数にまとまる.

ヒント 1

ϕ=x+π/4 とおくと,f(x)=−2sin⁡3ϕ である.

ヒント 設問 3

ヒント 0

倍角の公式で,余弦の2乗を余弦そのものに直す.

ヒント 1

(∑cos⁡2xi)2+(∑sin⁡2xi)2 を展開する.

ヒント 設問 4

ヒント 0

(1)は u=sin2⁡θ とおき,式を2乗する.

ヒント 1

(2)の式は ∏k=0n−1|sin2⁡(2kθ)sin⁡(2k+1θ)| である.割り算をせずに(1)を各因子へ使う.

解答 設問 1

u=2θ∈[0,π],r=9+4a2 とすると,

qa(θ)=5−(3cos⁡u+2asin⁡u)2.

a>0 の場合,3cos⁡u+2asin⁡u の最大値 r は cos⁡u=3/r, sin⁡u=2a/r で実現する.一方 sin⁡u≥0 より 3cos⁡u+2asin⁡u≥−3 であり,最小値 −3 は u=π でだけ実現する.従って

minqa=(5−r)/2,maxqa=4(a>0).

最小値の点は上の2条件で定まる唯一の θ,最大値の点は θ=π/2 である.

a<0 の場合は 3cos⁡u+2asin⁡u≤3 であり,最大値3は u=0 でだけ実現する.最小値 −r は cos⁡u=−3/r, sin⁡u=−2a/r で実現する.従って

minqa=1,maxqa=(5+r)/2(a<0).

最小値の点は θ=0,最大値の点は上の2条件で定まる唯一の θ である.a=0 では q0=1+3sin2⁡θ より,最小値1を θ=0,最大値4を θ=π/2 でとる.

解答 設問 2

sin⁡x+cos⁡x=2sin⁡(x+π/4) と3倍角の公式を使うと,

f(x)=2{4sin3⁡(x+π/4)−3sin⁡(x+π/4)}=−2sin⁡(3x+3π/4).

従って最大値は 2 であり,sin⁡(3x+3π/4)=−1 を解くと

x=π/4, 11π/12, 19π/12

で実現する.最小値は −2 であり,sin⁡(3x+3π/4)=1 より

x=7π/12, 5π/4, 23π/12

で実現する.

角 3x+3π/4 は長さ 6π の半開区間を動く.正弦は1周期の半開区間内で,−1<c<1 の値をちょうど2回,c=±1 をちょうど1回とる.その3周期分を数えて,

{6(|b|<2),3(|b|=2),0(|b|>2).
解答 設問 3

C=∑i=1ncos⁡2xi, S=∑i=1nsin⁡2xi とおく.加法定理と倍角の公式より,

C2+S2=n+2∑j<icos⁡2(xi−xj)=n+4∑j<icos2⁡(xi−xj)−n(n−1).

したがって左辺の和は {n(n−2)+C2+S2}/4 に等しい.これで不等式が示され,等号条件は C=S=0 である.

例えば xi=(i−1)π/n とすればよい.実際,ϕ=2π/n とし ∑k=0n−1cos⁡kϕ=C, ∑k=0n−1sin⁡kϕ=S とおくと,添字を1つずらすことと加法定理から C=Ccos⁡ϕ−Ssin⁡ϕ, S=Csin⁡ϕ+Scos⁡ϕ を得る.この2式より 2(1−cos⁡ϕ)C=2(1−cos⁡ϕ)S=0 であり,n≥2 なので C=S=0 となる.

解答 設問 4

(1) u=sin2⁡θ∈[0,1] とすると,式の2乗は 4u3(1−u) となる.微分すると 4u2(3−4u) なので u=3/4 で最大値 27/64 をとる.よって答えは 33/8 である.

(2) 与式を Fn(θ) とすると,

Fn(θ)=∏k=0n−1|sin2⁡(2kθ)sin⁡(2k+1θ)|≤(33/8)n.

θ=π/3 ではすべての |sin⁡(2kθ)| が 3/2 になるので,全因子で等号が同時に成り立つ.したがって最大値は (33/8)n である.

(3) Fn2/3 では,両端の正弦の絶対値の指数はそれぞれ 4/3, 2/3,途中の指数は2である.絶対値は1以下なので,両端の指数を2まで増やしても値は大きくならない.よって

∏k=0nsin2⁡(2kθ)≤Fn(θ)2/3≤(3/4)n.

別解(相加相乗平均で微分を省く)

(1) で u=sin2⁡θ と置くと,0≤u≤1 である.和が1である4つの非負数 u/3,u/3,u/3,1−u に相加相乗平均の不等式を用いれば,

(u3)3(1−u)≤(14)4,|sin2⁡θsin⁡2θ|2=4u3(1−u)≤2764.

等号は u/3=1−u,すなわち u=3/4 のときに成り立つので,最大値は 33/8 である.「和が一定の因子を,指数の数だけ分ける」と,この種の積の最大値を微分せずに決められる.(2),(3) は主解と同じ積の評価で従う.

DISCUSSION

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