問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 29
問題 29

問題029|領域と最大・最小

難易度 D 目安 60分

前半戦

2つの円板の共通部分

D={(x,y):x2+y2≤1, (x−1)2+y2≤1}

を図示せよ.また,実数 a に対し,点 (x,y) が D を動くときの ax+y の最大値・最小値を求めよ.

実数 a が 0<a<1 を動くとき,2点 (a,0),(0,1−a) を結ぶ線分の通過する領域を求め,境界を含むかどうかも明示せよ.

後半戦

実数 A,B,C,D,E,F,G が B2−4AC<0 を満たすとする.曲線

Ax2+Bxy+Cy2+Dx3+Ex2y+Fxy2+Gy3=0

は,ある δ>0 に対して 0<x2+y2<δ2 の領域に点をもたないことを示せ.

Putnam 1970,A2.

平行四辺形 ABCD において AB=a, AD=1, ∠DAB=α とし,三角形 ABD の3内角はすべて鋭角であるとする.各頂点を中心とする半径1の4つの閉円板が平行四辺形全体を覆うための必要十分条件は

a≤cos⁡α+3sin⁡α

であることを示せ.

IMO 1967,第1問.

ヒント 設問 1

ヒント 0

2円の交点は (1/2,±3/2) である.各円板全体での最大点が,共通部分に含まれるかを調べる.

ヒント 1

最大値が交点で実現する中間の場合は,2本の接線による評価を非負係数で足すと証明できる.

ヒント 設問 2

ヒント 0

x,y>0 の点が線分上にある条件を a の方程式として考える.

ヒント 1

xa+y1−a の最小値は (x+y)2.座標軸上は別に調べる.

ヒント 設問 3

ヒント 0

x=rcos⁡θ, y=rsin⁡θ とおき,2次の部分を r2,3次の部分を r3 で評価する.

ヒント 1

2次の部分の絶対値は,単位円上で正の下限をもつ.三角関数の合成からその下限を具体的に出せる.

ヒント 設問 4

ヒント 0

三角形 ABD の外心と外接円の半径 R に注目する.

ヒント 1

三角形のどの点も少なくとも1頂点からの距離が R 以下である.逆に外心は,4頂点のどれからも R 未満の距離にはないことを示す.

解答 設問 1

2円の共有点は U=(1/2,3/2),L=(1/2,−3/2) であり,領域 D は2円弧に挟まれた閉領域である.r=a2+1 とおく.

原点中心の円板では ax+y≤r であり,等号点 (a/r,1/r) がもう一方の円板にも入る条件は 2−2a/r≤1,すなわち a≥1/3 である.中心 (1,0) の円板では ax+y≤a+r であり,等号点 (1+a/r,1/r) が単位円板に入る条件は 2+2a/r≤1,すなわち a≤−1/3 である.

−1/3≤a≤1/3 のとき,D 上では2円の U における接線から

x2+3y2≤1,−x2+3y2≤12

が成り立つ.それぞれに非負の数 a+1/3, 1/3−a を掛けて足すと ax+y≤(a+3)/2 を得る.U で等号となるので,

M(a)=maxD(ax+y)={a+a2+1(a≤−1/3),(a+3)/2(−1/3≤a≤1/3),a2+1(a≥1/3).

領域は (x,y)↦(1−x,−y) で自分自身に移り,目的の式は a−(ax+y) に移る.従って最小値は

m(a)=a−M(a).
半径1,中心(0,0)と(1,0)の2円板の共通部分を着色.交点は(1/2,±√3/2).
解答 設問 2

x,y>0 の点について,通過条件は

xa+y1−a=1

を満たす 0<a<1 が存在することである.

xa+y1−a−(x+y)2={x(1−a)−ya}2a(1−a)≥0

より最小値は (x+y)2,等号は a=x/(x+y) で成り立つ.左辺は a→0+, 1− でともに無限大となり,途中で連続なので,1という値をとる必要十分条件は x+y≤1 である.

座標軸上で線分に含まれる点は 0<x<1, y=0,または x=0, 0<y<1 である.従って求める領域は

{(x,y):x≥0, y≥0, x+y≤1}∖{(0,0),(1,0),(0,1)}

である.曲線境界は両端を除いて含み,両軸上の開線分も含む.

第1象限で√x+√y≤1を満たす領域.曲線と軸上の境界を含むが原点,(1,0),(0,1)を白丸で除く.
解答 設問 3

仮定より AC>0 である.

Acos2⁡θ+Bcos⁡θsin⁡θ+Csin2⁡θ=A+C2+A−C2cos⁡2θ+B2sin⁡2θ

であり,(A+C)2−{(A−C)2+B2}=4AC−B2>0 だから,その絶対値は

m=|A+C|−(A−C)2+B22>0

以上である.一方,3次の部分の絶対値は Kr3,ただし K=|D|+|E|+|F|+|G|,以下である.

K=0 なら2次の部分は原点以外で0にならないので,任意の δ>0 でよい.K>0 なら δ=m/K とおく.0<r<δ では2次の部分の絶対値が mr2>Kr3 となるため,3次の部分と打ち消し合うことはない.従ってその領域に曲線上の点は存在しない.

解答 設問 4

三角形 ABD の外心を O,外接円の半径を R とする.まず三角形内の任意の点 P は,3頂点のいずれかから距離 R 以下にある.実際,P の座標を λA+μB+νD(λ,μ,ν≥0, λ+μ+ν=1)と表すと,座標を展開して

λPA2+μPB2+νPD2=R2−PO2≤R2

を得るので,3距離の少なくとも1つは R 以下である.従って R≤1 なら三角形 ABD は3円板で覆われ,合同な三角形 BCD も同様に覆われる.

逆に,鋭角三角形なので O は三角形の内部にある.A=(0,0), B=(a,0), D=(c,s),ただし c=cos⁡α>0, s=sin⁡α>0,とおく.O=(u,v) は 2au=a2, 2(cu+sv)=1 を満たす.C=(a+c,s) だから

OC2−OA2=(a+c)2+s2−2{(a+c)u+sv}=2ac>0.

よって R>1 なら O は4つの円板のどれにも含まれず,覆うことはできない.従って必要十分条件は R≤1 である.

正弦定理と余弦定理より R=a2+1−2ac/(2s).また ∠ABD が鋭角なので a>c である.従って

R≤1⟺(a−c)2≤3s2⟺a≤cos⁡α+3sin⁡α

となる.

DISCUSSION

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