問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 30
問題 30

問題030|微分・解の配置と最良の評価

難易度 C 目安 60分

前半戦

実数 a に対し fa(x)=x4−2x2+ax とする.
(1) fa が相異なる3つの極値をもつような a の範囲を求めよ.
(2) (1)の条件のもとで,2つの極小値が等しくなる a をすべて求めよ.

実数 a に対して M(a)=max0≤x≤1|x3−3ax| とおく.M(a) を求め,さらに M(a) の最小値とそれを与える a を求めよ.

後半戦

実数係数の2次多項式 P が,すべての 0≤x≤1 に対して |P(x)|≤1 を満たすとする.|P′(0)| の最大値を求めよ.

Putnam 1968,A5.

最高次係数が1の実数係数3次多項式 P(x)=x3+ax2+bx+c に対し,N(P)=max−1≤x≤1|P(x)| とする.N(P) の最小値を求め,それを実現する多項式をすべて求めよ.

ヒント 設問 1

ヒント 0

導関数 fa′(x)=4(x3−x)+a の実数解を調べる.

ヒント 1

a>0 の場合は fa(x)−fa(−x)=2ax に注目する.負の半直線での最小値と,正の極小点を反転した点の値を比較する.

ヒント 設問 2

ヒント 0

端点と x=a が区間に入る場合を調べる.

ヒント 1

0<a<1 では |1−3a| と 2a3/2 を比較する.2a3/2−3a+1 は a の式として因数分解できる.

ヒント 設問 3

ヒント 0

P′(0) を P(0),P(1/2),P(1) の1次結合で表す.

ヒント 1

P′(0)=4P(1/2)−3P(0)−P(1) である.等号のために必要な3点の値から候補を作る.

ヒント 設問 4

ヒント 0

まず P(x)=x3−3x/4 を調べる.その極値をとる点と両端の4点を使う.

ヒント 1

どの P にも P(1)−P(−1)−2P(1/2)+2P(−1/2)=3/2 が成り立つ.

解答 設問 1

(1) g(x)=x3−x とおくと g′(x)=3x2−1 より,x=−1/3 で極大値 2/(33),x=1/3 で極小値 −2/(33) をとる.従って g(x)=−a/4 が相異なる3実数解をもつ条件は

|a|<833.

この場合,fa′ の符号は左から負,正,負,正と変わるので,2つの極小と1つの極大をもつ.境界の場合の重解では符号が変わらず,極値は3つにならない.

(2) a=0 では f0 は偶関数であり,x=±1 の極小値はいずれも −1 である.a>0 で(1)の条件を満たす場合,g(x)=−a/4<0 の3解は,1つが負,2つが正となる.左の極小点を r<0,右の極小点を s>0 とする.負の半直線では r が唯一の極小点であり,そこで最小値をとる.従って

fa(r)≤fa(−s)=fa(s)−2as<fa(s)

となり,極小値は等しくない.a<0 は fa(−x)=f−a(x) により左右が逆になるだけで,やはり等しくない.従って答えは a=0 のみである.

導関数の零点を判定するg(x)=x^3-xと水平線y=-a/4.極大値2/(3√3),極小値-2/(3√3)の間なら3交点をもつ.

別解(等しい極小値を二重根にする)

(2) の2つの極小点を r<s,共通の極小値を m とする.fa(r)−m=fa′(r)=0 なので r は fa(x)−m の少なくとも二重の根であり,s も同様である.最高次係数が1の4次式だから,

fa(x)−m=(x−r)2(x−s)2.

左辺の x3 の係数は0なので −2(r+s)=0,よって s=−r である.右辺は (x2−r2)2 という偶関数になるため,x の係数を比較すれば a=0 と直ちに分かる.逆に a=0 は(1)の範囲内で,x=±1 に共通の極小値 −1 をもつ.したがって a=0 のみである.

解答 設問 2

g(x)=x3−3ax とおく.a≤0 なら g は区間で増加し,M(a)=1−3a である.a≥1 なら g≤0, g′≤0 なので M(a)=3a−1 となる.

0<a<1 では x=a で g は最小値 −2a3/2 をとるため,M(a)=max{|1−3a|,2a3/2} である.1−3a=2a3/2 の区間内の解は a=1/4 だけである.実際,左辺は減少,右辺は増加し,a=1/4 で一致する.また v=a とおくと

2a3/2−(3a−1)=2v3−3v2+1=(v−1)2(2v+1)≥0.

以上より,

M(a)={1−3a(a≤1/4),2a3/2(1/4≤a≤1),3a−1(a≥1).

これは a=1/4 まで減少し,その後増加する.従って最小値は 1/4,そのとき a=1/4 である.

別解(二点の値で最小の最大値を決める)

M(a) 自体の場合分けをせず,その最小値だけを先に求める方法である.ga(x)=x3−3ax とすると,係数 a が消える組合せ

ga(1)−2ga(1/2)=34

が成り立つ.したがって 3/4≤|ga(1)|+2|ga(1/2)|≤3M(a) より M(a)≥1/4 である.a=1/4 では x=cos⁡θ(0≤θ≤π/2)と置くと,3倍角の公式から g1/4(x)=cos⁡3θ/4 となる.よって区間全体で絶対値は 1/4 以下であり,x=1 で 1/4 となるので下限を実現する.また M(a)=1/4 なら上の評価で等号となり,ga(1)=1/4 が必要だから 1−3a=1/4,すなわち a=1/4 に限る.従って minM(a)=1/4, a=1/4 である.

解答 設問 3

P(x)=ax2+bx+c を代入すると,

P′(0)=b=4P(1/2)−3P(0)−P(1).

よって |P′(0)|≤4+3+1=8 である.他方,P(x)=8x2−8x+1=8(x−1/2)2−1 とおけば,0≤x≤1 で −1≤P(x)≤1 かつ P′(0)=−8 となる.従って求める最大値は 8 である.

解答 設問 4

係数を代入して整理すると,

P(1)−P(−1)−2P(1/2)+2P(−1/2)=32.

各値の絶対値は N(P) 以下なので,3/2≤6N(P),すなわち N(P)≥1/4 である.P0(x)=x3−3x/4 は導関数が 3(x2−1/4) であり,両端と極値の4点で順に

P0(−1)=−1/4,P0(−1/2)=1/4,P0(1/2)=−1/4,P0(1)=1/4

をとる.増減を調べると区間全体で |P0|≤1/4 だから,下限は実現する.

また N(P)=1/4 なら,上の評価の等号条件により4点での値はすべて P0 と一致する.P−P0 は高々2次なのに相異なる4つの零点をもつので恒等的に0である.ゆえに最小値は 1/4,実現する多項式は P(x)=x3−3x/4 のみである.

最適な3次多項式x^3-3x/4は区間の両端と2つの極値で1/4とマイナス1/4に交互に達する.

DISCUSSION

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