問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 31
問題 31

問題031|積分・接線と面積

難易度 C 目安 60分

前半戦

放物線 C:y=x2 上に P(p,p2),Q(q,q2) (p<q) をとる.P,Q における接線の交点を T,弦 PQ と C で囲まれる部分の面積を S とする.
(1) C 上の点 R(r,r2) (p≤r≤q) を動かすとき,三角形 PQR の面積の最大値と,そのときの r を求めよ.
(2) この最大値を S および三角形 PQT の面積とそれぞれ比較し,比を求めよ.

a>0 とし,曲線 C:y=x4−2ax2 を考える.
(1) C に異なる2点で接する直線をすべて求めよ.
(2) (1)の直線と C で囲まれる部分の面積を S とする.原点における接線と C で囲まれる2つの部分の面積の和を U とするとき,S,U および U/S を求めよ.

後半戦

実数 a,b が動くとき,

I(a,b)=∫−11|x2+ax+b|dx

の最小値を求め,それを実現する (a,b) をすべて求めよ.

(1) 任意の高々3次の実数係数多項式 f に対し,

12∫−11f(x)dx=f(u)+f(v)2

が成り立つ定数 u<v を求めよ.
(2) 任意の高々5次の実数係数多項式 f に対し,

∫−11f(x)dx=Af(−r)+Bf(0)+Af(r)

が成り立つ定数 A,B,r (0<r<1) をすべて求めよ.

(1) Putnam 1970,B2を改題(時刻を区間 [−1,1] に正規化).

ヒント 設問 1

ヒント 0

弦と放物線の縦方向の差は (x−p)(q−x) である.

ヒント 1

三角形 PQR の面積は (q−p)(r−p)(q−r)/2 と表せる.

ヒント 設問 2

ヒント 0

2つの接点の x 座標を u,v とすると,曲線と直線の差は (x−u)2(x−v)2 になる.

ヒント 1

3次と2次の係数を比較すれば u+v=0, u2=a が得られる.

ヒント 設問 3

ヒント 0

最適な2次式の符号が変わる2点を考える.対称な候補から始める.

ヒント 1

|x|≤1/2 で −1,その外側で1をとる関数 s(x) を用いれば,|f(x)|≥s(x)f(x) である.

ヒント 設問 4

ヒント 0

恒等的な等式を確かめるには f=1,x,x2,… を代入すればよい.

ヒント 1

(2)では奇数次が対称性で消える.1,x2,x4 だけで未知数が決まる.

解答 設問 1

弦 PQ は y=(p+q)x−pq であり,x=r における放物線との縦方向の差は (r−p)(q−r) である.弦の長さは (q−p)1+(p+q)2,この縦方向の差を垂直距離へ直すには 1+(p+q)2 で割ればよい.従って

[PQR]=q−p2(r−p)(q−r)=q−p2{(q−p)24−(r−p+q2)2}.

最大値は (q−p)3/8,そのとき r=(p+q)/2 である.

一方,

S=∫pq(x−p)(q−x)dx=(q−p)36.

また2接線は y=2px−p2, y=2qx−q2 なので,T=((p+q)/2,pq) である.T と弦との縦方向の差は (q−p)2/2 だから [PQT]=(q−p)3/4 となる.従って求める比は

max[PQR]S=34,max[PQR][PQT]=12.

図は p=−1,q=1 で面積が最大となる場合である.

放物線上のP(-1,1),Q(1,1)と,最大面積を与えるR(0,0).接線の交点T(0,-1)と比較する図.
解答 設問 2

(1) 求める直線を y=mx+b,接点の x 座標を u≠v とする.接点では差とその導関数が0になるので,最高次係数も考えると

x4−2ax2−mx−b=(x−u)2(x−v)2.

3次の係数から u+v=0 となり,右辺は (x2−u2)2 である.2次の係数より u2=a,残りの係数より m=0, b=−a2 を得る.逆に y=−a2 は x=±a で接するから,答えは y=−a2 のみである.

(2) 曲線はこの直線の上にあるので,

S=∫−aa(x2−a)2dx=2[x55−2ax33+a2x]0a=1615a5/2.

原点における接線は y=0 であり,他の交点は x=±2a である.この間では曲線は x 軸以下なので,

U=2∫02a(2ax2−x4)dx=16215a5/2,U/S=2.

図は a=1 の場合で,着色部の面積が S にあたる.

4次関数y=x^4-2x^2と共通接線y=-1,原点での接線y=0.共通接線との間の領域Sを着色.
解答 設問 3

s(x) を |x|<1/2 で −1,1/2<|x|≤1 で1と定める.境界の値は積分に影響しない.偶奇性と区間の長さから ∫−11s(x)dx=∫−11xs(x)dx=0 であり,

∫−11x2s(x)dx=2(∫1/21x2dx−∫01/2x2dx)=12.

従って |x2+ax+b|≥s(x)(x2+ax+b) を積分すると I(a,b)≥1/2 である.a=0, b=−1/4 のときは符号が s と一致し,等号を実現する.

等号の場合,各開区間で連続な非負の差 |f|−sf の積分が0なので,その差は各区間で恒等的に0となる.したがって f=x2+ax+b は内側で非正,外側で非負であり,連続性から f(−1/2)=f(1/2)=0 でなければならない.最高次係数が1なので f=x2−1/4 である.よって最小値は 1/2,実現する組は (a,b)=(0,−1/4) のみである.

最適な2次式x^2-1/4はマイナス1/2と1/2で符号が変わる.中央の負の部分と両側の正の部分を着色した図.
解答 設問 4

(1) f=x,x2 を代入すると u+v=0, u2+v2=2/3 となるので,

u=−1/3,v=1/3.

この値は f=1,x,x2,x3 のすべてで等式を満たすため,それらの1次結合である任意の高々3次の多項式でも成り立つ.

(2) 奇数次の単項式は両辺とも0である.f=1,x2,x4 より,

2A+B=2,2Ar2=23,2Ar4=25.

第2式は0でないので割り算ができ,r2=3/5 を得る.従って

r=3/5,A=5/9,B=8/9.

この値で0次から5次までのすべての単項式について等式が成立するので十分でもあり,他の組は存在しない.

DISCUSSION

この問題の掲示板

この掲示板は公開されています。ニックネームと本文は、ログインしていない人にも表示されます。Googleアカウントの名前は表示されません。

閲覧はどなたでもできます。ログインすると投稿できます。

まだ投稿はありません。