問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 32
問題 32

問題032|積分と多項式・条件からの決定

難易度 D 目安 60分

前半戦

実数 a,b,c が動くとき,

J(a,b,c)=∫−11(x3+ax2+bx+c)2dx

の最小値と,それを実現する (a,b,c) を求めよ.

実数 λ を定数とする.すべての実数 x について

f(x)=x2+λ∫−11(x+t)f(t)dt

を満たす実数値連続関数 f をすべて求めよ.

後半戦

n≥1 とし,P を実数係数の n 次多項式とする.

∫01xkP(x)dx=0(k=0,1,…,n−1)

が成り立つならば,P(x)=0 は区間 0<x<1 に相異なる n 個の実数解をもつことを示せ.

実数係数の多項式 a(t),b(t),c(t),d(t) に対して,

F(x)=(∫1xa(t)c(t)dt)(∫1xb(t)d(t)dt)−(∫1xa(t)d(t)dt)(∫1xb(t)c(t)dt)

は (x−1)4 で割り切れることを示せ.

Putnam 1946,午前第2問.

ヒント 設問 1

ヒント 0

積分区間が対称なので,奇関数の項は消える.

ヒント 1

x3−3x/5 と残りの2次以下の多項式に分けると,積の積分が0になる.

ヒント 設問 2

ヒント 0

積分を A=∫f(t)dt, B=∫tf(t)dt の2つの定数に分ける.

ヒント 1

f(x)=x2+λAx+λB.この式を積分して A,B の連立方程式を作り,係数が0になる場合も調べる.

ヒント 設問 3

ヒント 0

区間内で P の符号が変わる零点だけを取り出す.

ヒント 1

それらを r1,…,rm とし,Q(x)=∏(x−ri) とおくと,PQ は区間内で符号を変えない.m<n と仮定する.

ヒント 設問 4

ヒント 0

h=x−1 とおき,各積分を h の多項式として,2次の項まで書く.

ヒント 1

積をとったときの h2,h3 の係数がそれぞれ0になることを示せばよい.

解答 設問 1

P0(x)=x3−3x/5, Q(x)=ax2+(b+3/5)x+c とおく.偶奇性および ∫−11(x4−3x2/5)dx=0 より,∫−11P0Qdx=0 である.従って

J=∫−11P02dx+∫−11Q2dx=8175+∫−11Q2dx≥8175.

連続な非負関数 Q2 の積分が0となるのは,Q が区間で恒等的に0の場合に限る.多項式なのでこれは Q≡0 と同値である.よって最小値は 8/175,実現する組は (a,b,c)=(0,−3/5,0) のみである.なお,展開して平方完成しても

J=8175+845a2+2(c+a/3)2+23(b+3/5)2

を得る.

解答 設問 2

A=∫−11f(t)dt, B=∫−11tf(t)dt とおくと,

f(x)=x2+λAx+λB,A=23+2λB,B=2λ3A.

従って (1−4λ2/3)A=2/3 である.λ=±3/2 のときは矛盾し,解は存在しない.それ以外では

A=23−4λ2,B=4λ3(3−4λ2)

と一意に決まるので,

f(x)=x2+2λ3−4λ2x+4λ23(3−4λ2)

が唯一の候補である.この式を積分すると実際に上の A,B が得られ,元の等式を満たすので十分でもある.

解答 設問 3

区間 (0,1) 内の零点のうち,P の符号が変わる点を r1,…,rm とする.これらは奇数の重複度をもつ零点である.m<n と仮定し,

Q(x)=∏i=1m(x−ri)

とおく.m=0 のときは Q=1 とする.Q の次数は n−1 以下だから,仮定の等式の1次結合により ∫01P(x)Q(x)dx=0 となる.

一方,P の符号が変わる点では Q も符号を変え,その他の零点ではどちらも符号を変えない.従って PQ は (0,1) で一定の符号をもち,しかも恒等的には0でない.ある小区間では厳密に同じ符号をもつので,積分値は0にならない.これは矛盾である.従って m≥n.P は n 次なので m=n であり,区間内に相異なる n 個の解をもつ.次数も使い切るため,それらはすべて単純解である.

解答 設問 4

多項式 u に対して,ある多項式 Ru(h) を用いて

∫11+hu(t)dt=u(1)h+u′(1)2h2+h3Ru(h)

と正確に表せる.これを u=ac,bd,ad,bc に使う.各積分は h を因数にもつので,F(1+h) の定数項と1次の項は0である.h2 の係数は,以下すべて t=1 で評価するとして,

(ac)(bd)−(ad)(bc)=0

となる.h3 の係数は

12{(ac)′bd+ac(bd)′−(ad)′bc−ad(bc)′}=12{(acbd)′−(adbc)′}=0

である.従って F(1+h) の3次以下の係数はすべて0となり,h4 で割り切れる.すなわち F(x) は (x−1)4 で割り切れる.

DISCUSSION

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