問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 34
問題 34

問題034|区分求積と無限級数

難易度 D 目安 60分

前半戦

次の極限値を求めよ.

limn→∞∑k=1nnn2+k2,limn→∞1n2∑k=1nklog⁡(1+kn).

Sn=∑k=1n1k−log⁡n とする.Sn が収束することを示せ.その極限を γ とするとき,すべての正の整数 n に対して

0<Sn−γ<1n

であることを示せ.

後半戦

次の極限値を求めよ.

limn→∞1n4∏k=12n(n2+k2)1/n.

Putnam 1970 B1

正の整数 n の2進法表示に現れる数字1の個数を B(n) とする.たとえば B(6)=2,B(15)=4 である.級数

S=∑n=1∞B(n)n(n+1)

が収束することを示し,eS が有理数かどうか判定せよ.

Putnam 1981 B5

ヒント 設問 1

ヒント 1

どちらも 1/n をくくり出し,残りを k/n の関数にする.

ヒント 2

対応する積分は ∫01(1+x2)−1dx と ∫01xlog⁡(1+x)dx である.

ヒント 設問 2

ヒント 1

1/x の積分を使って,log⁡(1+1/n) を 1/n と 1/(n+1) ではさむ.

ヒント 2

Sn−Sn+1=∫nn+1(1x−1n+1)dx を使う.

ヒント 設問 3

ヒント 1

積を直接扱わず,対数を取って和にする.

ヒント 2

n4 が打ち消されるように n2+k2=n2(1+(k/n)2) とする.

ヒント 設問 4

ヒント 1

B(2m) と B(2m+1) を B(m) で表す.

ヒント 2

偶数番目と奇数番目に分けると,元の和の半分が再び現れる.

解答 設問 1

連続関数の区分求積法より,最初の極限は

∫01dx1+x2=π4.

2番目は ∫01xlog⁡(1+x)dx である.部分積分と x2/(1+x)=x−1+1/(1+x) を使うと,

∫01xlog⁡(1+x)dx=log⁡22−12∫01(x−1+11+x)dx=14.
解答 設問 2

1/(n+1)<∫nn+1dx/x<1/n より Sn−Sn+1>0 である.また

log⁡n=∑k=1n−1∫kk+1dxx≤∑k=1n−11k

なので Sn≥1/n>0 である.よって単調有界性から極限 γ が存在する.さらに

0<Sk−Sk+1<1k−1k+1.

k=n,…,N について足して N→∞ とすれば 0≤Sn−γ≤1/n である.下側の不等号は Sn−γ≥Sn−Sn+1>0 により厳密になる.上側も,最初の項の差
δ=(1/n−1/(n+1))−(Sn−Sn+1)>0 を残せば Sn−γ≤1/n−δ<1/n となる.

解答 設問 3

与式の極限を取る前の量を An>0 とすると,

log⁡An=1n∑k=12nlog⁡(1+(kn)2)⟶∫02log⁡(1+x2)dx.

tan⁡θ=2, 0<θ<π/2 を満たす角を θ とおく.部分積分により

∫02log⁡(1+x2)dx=2log⁡5−∫022x21+x2dx=2log⁡5−4+2θ.

したがって 25e2θ−4 が答えである.

解答 設問 4

2j≤n<2j+1 なら B(n)≤j+1 である.この区間の和は (j+1)/2j 以下なので,∑j≥0(j+1)/2j の収束から S も収束する.B(0)=0 と補い,B(2m)=B(m),B(2m+1)=B(m)+1 を用いると,

S=∑m=0∞B(m)+1(2m+1)(2m+2)+∑m=1∞B(m)2m(2m+1)=∑m=0∞(12m+1−12m+2)+S2.

ここで括弧内の級数の和は log⁡2 である.実際,有限等比和を積分して

∑k=0N−1(−1)kk+1=∫011−(−x)N1+xdx,

右辺の残りの積分の絶対値は 1/(N+1) 以下になる.したがって S=log⁡2+S/2,すなわち S=2log⁡2 であり,eS=4 は有理数である.

DISCUSSION

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