問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 4
問題 04

問題004|不等式

難易度 C 目安 60分

前半戦

実数 a,b に対して,次の不等式を証明せよ.

|a|1+|a|+|b|1+|b|≥|a+b|1+|a+b|.

x,y を x≥0, y≥0, x+y>0 を満たす実数とする.次の不等式を証明せよ.

x+2y2x+43y≤2.

実数 x,y,z が 2x2+3y2+4z2=1 を満たすとき,5x−6y+7z の最大値を求めよ.

後半戦

a+b+c=1を満たす正数a,b,cについて

a+bc+b+ca+c+ab≤2

を示せ.

実数 a,b に対し,すべての非負実数 x,y,z について

x2+y2+z2+2a(xy+yz)+2bxz≥0

が成り立つための,a,b の必要十分条件を求めよ.また −1<a<0 のとき,許される最小の b における等号成立条件を求めよ.

ヒント 設問 1

ヒント 1

まず三角不等式 |a+b|≤|a|+|b| を使える形を作る.非負の t に対して t/(1+t) は増加する.

ヒント 2

左辺の二つの分母をそれぞれ 1+|a|+|b| に大きくして下から評価し,三角不等式につなげよ.

ヒント 設問 2

ヒント 1

分母の平方に合わせ,2x と 2y/3 を成分とするベクトルを考える.

ヒント 2

もう一方のベクトルを (1/2,3/2) とすると,内積は分子の 1/2 倍になる.コーシー・シュワルツの不等式を用いよ.

ヒント 設問 3

ヒント 1

条件を (2x)2+(3y)2+(2z)2=1 と書き,求める式を内積で表す.

ヒント 2

相手のベクトルは (5/2,−6/3,7/2) である.コーシー・シュワルツの不等式で上から評価し,二つのベクトルが同じ向きになる場合を確かめよ.

ヒント 設問 4

ヒント 1

a+b+c=1 を使って,a+bc を b,c の式として因数分解する.

ヒント 2

a+bc=(1−b)(1−c) である.各平方根を相加相乗平均の不等式で評価し,3本を足し合わせよ.

ヒント 設問 5

ヒント 1

a≥0 なら y を含む項はすべて非負である.a<0 の場合は,x,z を固定して y≥0 の範囲で最小にせよ.

ヒント 2

a<0 なら y=−a(x+z) が許される.残る2変数式に z=0 と x=z を代入すると必要条件が得られる.その条件が平方の和による表示にもつながる.

解答 設問 1

次の不等式を示せば十分.

|a|1+|a|+|b|1+|b|≥|a|+|b|1+|a|+|b|≥|a+b|1+|a+b|

両辺の分母を払って,共通項を消すと次の不等式に帰着する.

|a|+|b|≥|a+b|

これは三角不等式である.

解答 設問 2

コーシーシュワルツの不等式により,

{(12)2+(32)2}{(2x)2+(23y)2}≥{(12)(2x)+(32)(23y)}2

この式の両辺の平方根を取り,さらに式変形すれば,求める不等式となる.

解答 設問 3

コーシーシュワルツの不等式により,

{(2x)2+(3y)2+(2z)2}{(52)2+(−63)2+(72)2}≥(5x−6y+7z)2

となるが,両辺の平方根をとると,左辺は723となり,これが求める最大値とわかる.実際,(2x,3y,2z) を (5/2,−6/3,7/2) と同じ向きの単位ベクトルにとれば,条件を満たし等号が成り立つ.

解答 設問 4

条件と相加相乗平均の不等式から,

a+bc+b+ca+c+ab=1−b−c+bc+1−c−a+ca+1−a−b+ab=(1−b)(1−c)+(1−c)(1−a)+(1−a)(1−b)≤(1−b)+(1−c)2+(1−c)+(1−a)2+(1−a)+(1−b)2=(1−b)+(1−c)+(1−a)=2

等号成立条件は

(1−a)=(1−b)=(1−c)∴a=b=c
解答 設問 5

左辺を Q とする.まず a≥0 のとき,y2+2ay(x+z)≥0 なので,Q≥0 がすべての非負変数について成り立つことは x2+z2+2bxz≥0 と同値である.x=z=1 とすれば b≥−1 が必要であり,逆に b≥−1 なら (x−z)2+2(b+1)xz≥0 より十分でもある.

次に a<0 のとき,x,z を固定すれば,y=−a(x+z)≥0 で Q は最小になる.この最小値は

(1−a2)(x2+z2)+2(b−a2)xz=(1−a2)(x−z)2+2(b+1−2a2)xz

である.z=0, x=1 として 1−a2≥0,さらに x=z=1 として b+1−2a2≥0 が必要となる.逆にこの二条件があれば右辺は非負となるので十分である.よって求める全範囲は

{a≥0, b≥−1}または{−1≤a<0, b≥2a2−1}

である.a<−1 の場合に許される b はない.

−1<a<0 では最小の b は 2a2−1 であり,このとき

Q={y+a(x+z)}2+(1−a2)(x−z)2

となる.1−a2>0 だから,等号は x=z, y=−2ax のとき,すなわち (x,y,z)=(s,−2as,s),ただし s≥0 のときに限る.

DISCUSSION

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