問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 5
問題 05

問題005|三角比

難易度 C 目安 60分

前半戦

△ABCにおいて,BCの中点をMとしたとき,次のことを証明せよ.

|AB|2+|AC|2=2(|AM|2+|BM|2)

周長が 6,∠A=60∘ の三角形 ABC を考える.内接円と外接円の半径をそれぞれ r,R とする.組 (R,r) の取り得る範囲を求め,この三角形の面積の最大値と等号成立時の形を求めよ.

後半戦

平面上にABを斜辺とした直角三角形ABCが存在する.この時,辺ABから見てCとは逆側に,正三角形OABを作る.AB,BC,CAの長さが全て有理数だった時,OCの長さは有理数とならないことを示せ.ただし2,3を無理数として扱ってよい.

正の実数 a,b,c に対し,AB=CD=a, AC=BD=b, AD=BC=c を満たす,体積が正の四面体 ABCD が存在するための必要十分条件を求めよ.また,その四面体の外接球と内接球の半径をそれぞれ R,r とするとき,R≥3r を証明し,等号成立条件を求めよ.

ヒント 設問 1

ヒント 1

中点 M を始点とするベクトルを使う.MC→=−MB→ である.

ヒント 2

AB→=MB→−MA→,AC→=−MB→−MA→ の長さの平方を足すと,内積の項が打ち消し合う.

ヒント 設問 2

ヒント 1

a=BC, b=CA, c=AB とおき,余弦定理を a2=(b+c)2−3bc の形で使う.

ヒント 2

b+c=6−a と bc=4(3−a) を満たす正の実数 b,c が存在する条件を調べる.得られた条件から三角形が実際に作れることも確認する.

ヒント 設問 3

ヒント 1

辺 AC に関して B と反対側に正三角形 APC を作り,三角形 AOC と ABP を比べる.

ヒント 2

合同から OC=BP となる.三角形 BCP に余弦定理を用いると OC2=BC2+AC2+3BC⋅AC を得る.各辺が正の有理数であることを使え.

ヒント 設問 4

ヒント 1

四頂点の重心を原点にし,三組の対辺の中点を結ぶ方向を考える.適切な直交座標では四頂点を (u,v,w),(u,−v,−w),(−u,v,−w),(−u,−v,w) と表せる.

ヒント 2

この座標表示から 8u2=b2+c2−a2 などが得られる.原点から各面までの距離は等しく,その二乗の逆数は u−2+v−2+w−2 になる.

解答 設問 1

M は辺 BC の中点であるから,

MC→=−MB→

が成り立つ.

ここで,

AB→=MB→−MA→, AC→=MC→−MA→=−MB→−MA→

である.したがって,

|AB|2+|AC|2=|MB→−MA→|2+|−MB→−MA→|2=(|MB|2+|MA|2−2MB→⋅MA→)+(|MB|2+|MA|2+2MB→⋅MA→)=2|MA|2+2|MB|2.

よって,

|AB|2+|AC|2=2(|AM|2+|BM|2)

が示された.

解答 設問 2

a=BC, b=CA, c=AB,面積を S とする.余弦定理と周長の条件から a2=(6−a)2−3bc,したがって bc=4(3−a) である.よって

S=34bc=3(3−a),r=S3=3−a3,R=a2sin⁡60∘=a3.

ここで bc>0 より a<3 であり,(b−c)2=(6−a)2−16(3−a)=(a−2)(a+6)≥0 より a≥2 である.逆に 2≤a<3 のとき,和 6−a,積 4(3−a) をもつ正の実数 b,c が存在する.このとき (b−c)2=a2−bc<a2,また b+c=6−a>a なので三角形の成立条件を満たし,余弦定理から角 A は 60∘ となる.

したがって求める範囲は

R+r=3,23≤R<3

である.面積の最大値は a=2 のときの 3 であり,このとき b=c=2 なので正三角形である.

解答 設問 3

辺 AC に関して点 B と反対側に,正三角形 APC を作る.正三角形であることから,

AO=AB, AP=AC

である.また,

∠OAB=∠PAC=π3

であり,O と C,および P と B がそれぞれ辺の反対側にあることから,

∠OAC=∠BAC+π3=∠BAP.

したがって,三角形 AOC と三角形 ABP は二辺とその間の角がそれぞれ等しいので合同である.よって,

OC=BP.

ここで三角形 BCP を考える.ABC は C を直角とする直角三角形であり,APC は正三角形だから,

∠BCP=π2+π3=5π6.

また,

CP=AC.

したがって,三角形 BCP に余弦定理を適用すると,

BP2=BC2+CP2−2BC⋅CPcos⁡5π6=BC2+AC2−2BC⋅AC(−32)=BC2+AC2+3BC⋅AC.

三角形 ABC は直角三角形なので,三平方の定理より

BC2+AC2=AB2.

さらに OC=BP であるから,

OC2=AB2+3BC⋅AC.

ここで,仮に OC が有理数であるとする.

問題の仮定より AB,BC,AC はすべて有理数であり,また BC,AC>0 であるから,

3=OC2−AB2BC⋅AC

も有理数となる.

しかし,3 は無理数であるから,これは矛盾である.

したがって,OCは無理数である.

別解(直角を座標軸にする)

BC=a, CA=b とし,C=(0,0), A=(b,0), B=(0,a) とおく.正三角形の高さを用いると,C と直線 AB の反対側にある頂点は

O=(b+3a2,a+3b2)

である.実際,これは AB の中点から AB に垂直な方向へ,長さ 3AB/2 だけ進んだ点であり,直線 AB:ax+by=ab に対して axO+byO>ab となる.したがって

OC2=(b+3a)2+(a+3b)24=a2+b2+3ab.

a,b は正の有理数なので,OC が有理数なら 3=(OC2−a2−b2)/(ab) も有理数となり矛盾する.

解答 設問 4

四頂点の重心を原点 O にとり,位置ベクトルを

A=p+q+s,B=p−q−s,C=−p+q−s,D=−p−q+s

と表す.これは例えば p=(A+B)/2 とおけば得られる表示である.AB=CD は |q+s|2=|q−s|2 と同値なので q⋅s=0 である.同様に p,q,s は互いに垂直である.体積が正なのでどれも零ベクトルではない.その方向を座標軸に選ぶと,u,v,w>0 を用いて

A=(u,v,w), B=(u,−v,−w), C=(−u,v,−w), D=(−u,−v,w)

と表せる.したがって

a2=4(v2+w2),b2=4(u2+w2),c2=4(u2+v2).

これより 8u2=b2+c2−a2 および巡回的な二式を得る.必要十分条件は

a2<b2+c2,b2<c2+a2,c2<a2+b2

である.実際,これらが成り立てば三式から正の u,v,w を定め,上の四頂点を作ればよい.三つの方向が独立なので体積も正になる.

原点から四頂点までの距離はすべて等しく,R2=u2+v2+w2 である.面 ABC の方程式は x/u+y/v−z/w=1 である.この面上の点について

1≤(x2+y2+z2)(u−2+v−2+w−2)

であり,(x,y,z) が (1/u,1/v,−1/w) に比例するとき等号が成り立つ.よって原点からこの面までの距離は 1/u−2+v−2+w−2 である.他の三面も符号が変わるだけなので距離は同じである.原点は四頂点の平均で四面体内部にあり,この距離を半径とする球は四つの面が定める内側の半空間すべてに含まれる.したがってこれは内接球であり,

r−2=u−2+v−2+w−2.

最後に

R2r2=(u2+v2+w2)(u−2+v−2+w−2)≥(1+1+1)2=9.

ゆえに R≥3r である.最後の不等式の等号条件は u=v=w,すなわち a=b=c であり,四面体が正四面体であることと同値である.

DISCUSSION

この問題の掲示板

この掲示板は公開されています。ニックネームと本文は、ログインしていない人にも表示されます。Googleアカウントの名前は表示されません。

閲覧はどなたでもできます。ログインすると投稿できます。

名前未設定
以前の版への投稿

(1) は見たことある定理だ!証明できるかな...