問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 6
問題 06

問題006|解の存在条件

難易度 D 目安 60分

前半戦

変数 x が x>0 の範囲を動くとき,次の問いに答えよ.

  1. f(x)=x+1x+x+1x+1

    の最小値を求めよ.

  2. g(x)=x+1x−x+1x+1

    の最大値を求めよ.

実数 t に対し,方程式 x2−2tx+t+2=0 が異なる二つの実数解 α<β をもち,両方が区間 0<x<4 に入るための必要十分条件を求めよ.その条件のもとで,α,β それぞれの取り得る値の範囲を求めよ.

後半戦

次の連立方程式が実数解 (x,y) をもたないような実数 (k,d) の条件を求めよ.

{x3+y3=2,y=kx+d.

t>0 に対し ft(x)=tx(1−x) とする.ft[m](x) は ft を m 回続けて作用させたものと定める.例えば ft[2](x)=ft(ft(x)) である.すべての正整数 m について,方程式

ft[m](x)=12

が区間 0<x<1 にちょうど 2m 個の異なる解をもつための,t の必要十分条件を求めよ.

ヒント 設問 1

ヒント 1

x+1/x と x+1/x を相加相乗平均の不等式で評価する.

ヒント 2

二つの評価で同時に等号が成り立つ x を確認せよ.次に f(x)g(x) を計算し,g の最大値を f の最小値と結び付ける.

ヒント 設問 2

ヒント 1

下に凸の放物線について,軸が区間内,頂点が横軸より下,両端の値が正という三条件を使う.

ヒント 2

根を x とすると t=(x2+2)/(2x−1) である.小さい根と大きい根の範囲を分け,この式が同じ t の範囲を一対一に動くことを確かめる.

ヒント 設問 3

ヒント 1

直線の式を代入して x の方程式にする.実係数の3次方程式が必ず実数解をもつことを使う.

ヒント 2

3次の係数が消える k=−1 の場合を調べる.d=0 を別に扱い,残りは2次方程式の判別式 3d(2−d)(d2+2d+4) の符号を調べよ.

ヒント 設問 4

ヒント 1

ft(x)=y が (0,1) に二つの異なる解をもつのは 0<y<t/4 のときである.どの段階でも,すべての解に二つの逆像が必要であることを示す.

ヒント 2

第 m 段階の最小の解を pm とすると,対称性から 1−pm も解である.小さい方の逆像は 0<x<1/2 にあり,その範囲で ft(x)≥(t/2)x となる.全段階で分岐できるなら,小さい枝は 0 に近づき,大きい枝は 1 に近づく.

解答 設問 1

x>0 であるから,相加平均と相乗平均の関係より,

x+1x≥2,x+1x≥2

が成り立つ.いずれも等号が成立するのは x=1 のときである.

したがって,

f(x)=x+1x+x+1x+1≥2+3.

x=1 のとき,

f(1)=2+3

となるので,求める最小値は

2+3

である.

次に,f(x) と g(x) の積を計算すると,

f(x)g(x)=(x+1x)2−(x+1x+1)2=(x+2+1x)−(x+1x+1)=1.

また,f(x)>0 であるから,

g(x)=1f(x).

上で示した f(x)≥2+3 より,

g(x)≤12+3=2−3.

x=1 のとき,

g(1)=2−3

となるので,求める最大値は

2−3

である.

解答 設問 2

ft(x)=x2−2tx+t+2=(x−t)2−(t−2)(t+1) とおく.異なる二根が (0,4) に入るための必要十分条件は,軸が 0<t<4,頂点の値が負すなわち (t−2)(t+1)>0,そして ft(0)=t+2>0, ft(4)=18−7t>0 である.これらを合わせると

2<t<187.

この範囲では ft(2)=6−3t<0 なので α<2<β である.また ft(8/7)=(162−63t)/49>0 より 8/7<α である.したがって候補範囲は 8/7<α<2, 2<β<4 となる.すべての値が実現することを確かめる.T(x)=(x2+2)/(2x−1) とおくと

T(x)−2=(x−2)22x−1,T(x)−187=(7x−8)(x−4)7(2x−1).

x が (8/7,2) または (2,4) に属すれば 2<T(x)<18/7 となり,x は fT(x) の根である.前者なら小さい根,後者なら大きい根である.よって

87<α<2,2<β<4

がそれぞれの全範囲である.

区間0から4の両端で正,頂点で負となる下に凸の放物線.区間内に二つの根がある.
解答 設問 3

y=kx+d を x3+y3=2 に代入すると,

x3+(kx+d)3=2

より,

(k3+1)x3+3k2dx2+3kd2x+d3−2=0

を得る.

k3+1≠0 のとき,この方程式は x に関する3次方程式である.実係数の3次方程式は少なくとも1つの実数解をもつため,その実数解 x に対して y=kx+d とおけば,もとの連立方程式にも実数解が存在する.

したがって,もとの連立方程式が実数解をもたないためには,

k3+1=0

でなければならない.よって,

k=−1

を得る.

k=−1 を代入すると,方程式は

(1)3dx2−3d2x+d3−2=0

となる.

まず d=0 のとき,式 (1) は

−2=0

となるため,実数解をもたない.

次に d≠0 のとき,式 (1) は x に関する2次方程式である.その判別式を Δ とすると,

Δ=(−3d2)2−4⋅3d(d3−2)=9d4−12d(d3−2)=−3d4+24d=3d(8−d3)=3d(2−d)(d2+2d+4)=3d(2−d)((d+1)2+3).

ここで,

(d+1)2+3>0

であるから,式 (1) が実数解をもたないための必要十分条件は

Δ<0⟺d(2−d)<0⟺d<0 または d>2

である.

これに d=0 の場合を合わせると,求める条件は

k=−1,d≤0 または d>2

である.

別解(立方和を和と差で表す)

k≠−1 なら代入後の方程式は最高次係数 1+k3≠0 の実係数3次方程式であり,必ず実数解をもつ.そこで k=−1,すなわち x+y=d の場合だけ考える.恒等式

x3+y3=(x+y){(x+y)2+3(x−y)2}4=d{d2+3(x−y)2}4

を用いる.d≤0 では右辺は非正なので2にならない.d>0 では x−y が任意の実数を動き,右辺の値域は [d3/4,∞) である.よって実数解が存在するのは 0<d≤2 のときに限る.求める条件は k=−1 かつ d≤0 または d>2 である.

解答 設問 4

答えは t≥4 である.まず

ft(x)=t4−t(x−12)2

なので,ft(x)=y が (0,1) に二つの異なる解をもつことと 0<y<t/4 は同値である.その二根の和は 1 である.

t≥4 なら,任意の y∈(0,1) に対して 0<y<t/4 が成り立つ.したがって 1/2 から逆向きに解を求めるたび,区間 (0,1) の各値から区間内の二つの値が得られる.異なる値の逆像どうしは重ならないから,帰納的にちょうど 2m 個の異なる解が得られる.次数 2m の多項式方程式なので,これ以上の解もない.

逆にすべての m で指定の個数の解があると仮定する.m=1 の条件から t>2 である.第 m 段階の全実数解の集合を Sm とする.方程式の次数は 2m で,すでに (0,1) 内にその個数の異なる解があるから,これらがすべての実数解である.第 m+1 段階の解は,Sm の各値の ft による逆像である.一つの値に高々二つしか逆像はないので,解数が倍増するには,各値が (0,1) 内に二つの異なる逆像をもつ必要がある.特に Sm のすべての値は t/4 より小さい.

pm=minSm とおく.ft(x)=ft(1−x) なので 1−pm も Sm に属し,0<pm<1/2 である.pm の小さい方の逆像を q とすると 0<q<1/2 かつ

pm=tq(1−q)≥t2q.

q∈Sm+1 より pm+1≤q≤(2/t)pm であり,t>2 なので pm→0 となる.一方,1−pm も次の段階で二つの逆像をもつため

1−pm<t4

がすべての m で成り立つ.極限をとれば 1≤t/4,すなわち t≥4 を得る.

上に凸の放物線 y=t x(1-x).水平線の高さが t/4 未満なら区間内に二つの逆像がある.

DISCUSSION

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前半戦だけ、、 相加相乗でゴリ押しした。 最小値は行けたが最大値で躓いた。 かなり時間をかかて√x+1/√x=aと置き換えたら何とか。