問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 40
問題 40

問題040|積分方程式

難易度 D 目安 60分

前半戦

x≥0 で連続な関数 f が,すべての x≥0 に対して

f(x)=x+∫0x(x−t)f(t)dt

を満たすとする.f(x) を求めよ.

実数 λ に対し,[0,1] 上の連続関数 f で

f(x)=1+λ∫01(x+t)f(t)dt(0≤x≤1)

を満たすものをすべて求めよ.

後半戦

実数 λ に対して,

∫01min(x,t)f(t)dt=λf(x)(0≤x≤1)

を満たす,恒等的に0ではない連続関数 f が存在する条件を求め,そのような関数をすべて求めよ.min(x,t) は x,t の小さい方を表す.

Putnam 1948 PM4

K(x,y) は正方形 0≤x,y≤1 上で正かつ連続,f,g は [0,1] 上で正かつ連続とする.すべての x∈[0,1] で

∫01K(x,y)f(y)dy=g(x),∫01K(x,y)g(y)dy=f(x)

が成り立つとき,f=g を示せ.

Putnam 1993 B4

ヒント 設問 1

ヒント 1

積分を x∫0xf(t)dt−∫0xtf(t)dt と分けてから微分する.

ヒント 2

f″=f, f(0)=0, f′(0)=1 を得る.u=f′+f と置くと u′=u になる.

ヒント 設問 2

ヒント 1

A=∫01f(t)dt, B=∫01tf(t)dt と置く.

ヒント 2

f(x)=1+λAx+λB をそれぞれ積分して,A,B の連立方程式にする.

ヒント 設問 3

ヒント 1

積分を t=x で分ける.2回微分すると,積分を含まない式になる.

ヒント 2

λf″=−f, f(0)=0, f′(1)=0 を得る.まず部分積分を用いて λ>0 を示す.

ヒント 設問 4

ヒント 1

f/g の最小値 r を取り,h=f−rg を考える.

ヒント 2

h≥0 でどこかで0になる.もし h が恒等的に0でなければ,正の K を掛けて積分した関数はすべての点で正になる.これを2回行う.

解答 設問 1

連続性と積分の基本定理により右辺は微分可能で,

f′(x)=1+∫0xf(t)dt,f″(x)=f(x)

となる.また f(0)=0, f′(0)=1 である.u=f′+f とすれば u′=u, u(0)=1 なので (e−xu)′=0,したがって u=ex となる.よって (exf)′=e2x を積分して,

f(x)=ex−e−x2.

逆にこの f は f″=f, f(0)=0, f′(0)=1 を満たす.E(x)=f(x)−x−∫0x(x−t)f(t)dt と置くと E″=0, E(0)=E′(0)=0 だから E=0 であり,元の式も満たす.

解答 設問 2

上記の A,B を用いると,

(1−λ/2)A−λB=1,−λ3A+(1−λ/2)B=12.

D=(1−λ/2)2−λ2/3=1−λ−λ2/12 と置く.D≠0 なら

A=1D,B=1/2+λ/12D

となるので,

f(x)=1−λ/2+λx1−λ−λ2/12.

この関数を積分すれば,確かに上記の A,B を与えるから十分性も成り立つ.D=0,すなわち λ=−6±43 の場合は,第1式に 1−λ/2,第2式に λ を掛けて足すと DA=1 となり矛盾する.したがってこの2つの λ では解はない.

解答 設問 3

左辺を F(x) とすると

F(x)=∫0xtf(t)dt+x∫x1f(t)dt,F′(x)=∫x1f(t)dt,F″(x)=−f(x).

λ=0 なら F=0 から f=0 となるので不適である.λ≠0 なら f は2回連続微分可能で,

λf″=−f,f(0)=0,f′(1)=0.

両辺に f を掛けて積分すると,境界条件と部分積分により

λ∫01(f′)2dx=∫01f2dx>0.

左の積分も正だから λ>0 である.μ=1/λ とし,f″+μ2f=0 を考える.この方程式の解は Acos⁡μx+Bsin⁡μx である.これは f′cos⁡μx+μfsin⁡μx と f′sin⁡μx−μfcos⁡μx の導関数がともに0になることからも導ける.f(0)=0 より A=0,f′(1)=0 と B≠0 より cos⁡μ=0 である.したがって答えは

λ=4(2k+1)2π2,f(x)=Bsin⁡(2k+1)πx2(k=0,1,2,…, B≠0).

逆にこれらについて E=F−λf とすれば E″=0, E(0)=0, E′(1)=0 なので E=0 となり,元の積分方程式を満たす.

解答 設問 4

連続な正値関数 f/g は最小値 r>0 をもつ.h=f−rg と置けば h≥0 で,ある x0 で h(x0)=0 となる.h が恒等的に0でないと仮定する.連続性から h はある長さの正の区間上で正であるため,すべての x で

∫01K(x,y)h(y)dy=g(x)−rf(x)>0.

もう一度,正の K を掛けて積分すると

∫01K(x,y){g(y)−rf(y)}dy=f(x)−rg(x)=h(x)>0

がすべての x で成り立つ.これは h(x0)=0 に矛盾する.したがって f=rg である.最初の積分方程式へ代入すると g=rf=r2g となるので,r>0, g>0 より r=1,よって f=g である.

DISCUSSION

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