問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 47
問題 47

問題047|逆関数と分数関数の反復

難易度 C 目安 60分

前半戦

x0=0, xn+1=(3xn+2)/(xn+2) と定める.xn の一般項を求めよ.さらに,初期値を実数 x0=c に変えたとき,途中で分母が0となる c をすべて求めよ.

f(x)=x+x2+4 とする.f が実数全体から正の実数全体への1対1の対応を与えることを示し,逆関数を求めよ.さらに,実数 k,λ に対して方程式 f(x)+f(k−x)=λ の実数解の個数を求めよ.

後半戦

実数 t に対し ft(x)=t−1/x とする.合成が定義されるすべての実数 x について ft(ft(ft(x)))=x が成り立つような t をすべて求めよ.そのとき,実数の不動点が存在するかも答えよ.

f(x)=(2x+1)/(x+2) とする.実数係数の分数関数 g(x)=(ax+b)/(cx+d) (ad−bc≠0) のうち,両辺が定義されるすべての x で f(g(x))=g(f(x)) を満たすものをすべて求めよ.

ヒント 設問 1

ヒント 1

写像の不動点 2,−1 を利用する.

ヒント 2

(xn+1−2)/(xn+1+1) と (xn−2)/(xn+1) の関係を求める.

ヒント 設問 2

ヒント 1

y=f(x) とおいて平方根を移項し,x を y で表す.逆にすべての y>0 が使えるかも確認する.

ヒント 2

u=f(x),v=f(k−x) とおく.逆関数の式から u+v=λ と uv の条件を導き,正の2数の和と積を考える.

ヒント 設問 3

ヒント 1

3回の合成を一つの分数式にまとめる.

ヒント 2

恒等式なので,分母を払った多項式の各係数が一致する.

ヒント 設問 4

ヒント 1

f の不動点を 0,∞ に移す変換で,共通の座標を取り直す.

ヒント 2

u=(x−1)/(x+1) では f は u↦u/3 になる.この変換と可換な分数関数を調べる.

解答 設問 1

xn≠−1 なら qn=(xn−2)/(xn+1) とおくと qn+1=qn/4 である.x0=0 では qn=−2/4n だから xn=2(4n−1)/(4n+2) となる.一般の c≠−1 では qn=4−n(c−2)/(c+1) で,次の項の分母が0となるのは xn=−2,すなわち qn=4 のときである.したがって

c−2c+1=4n+1,c=−4n+1+24n+1−1(n=0,1,2,…).

これらではそれ以前に分母0は起こらない.c=−1 は定数列となり例外を生じない.

解答 設問 2

f(x)>0 である.y=x+x2+4 を変形すると x=y/2−2/y を得る.逆に任意の y>0 に対しこの x をとれば x2+4=y/2+2/y となり,f(x)=y である.よって逆関数は f−1(y)=y/2−2/y (y>0) である.

u=f(x),v=f(k−x) とおくと,u,v>0, u+v=λ であり,逆関数の式から

k=λ2−2(1u+1v)=λ2−2λuv

となる.したがって必要条件は λ>0, λ−2k>0, uv=4λ/(λ−2k) である.この和と積をもつ正の2数が存在する条件は

λ2−16λλ−2k≥0,

すなわち λ(λ−2k)≥16 である.正の λ についてこれは λ≥k+k2+16 と同値であり,この条件から λ−2k>0 も従う.正の根 u,v が得られれば逆関数によって x=f−1(u) を復元でき,もう一方が k−x となるので十分である.2根が異なるときはその交換から異なる2解を得る.したがって解の個数は

{0(λ<k+k2+16),1(λ=k+k2+16),2(λ>k+k2+16)

である.1解の場合は u=v より x=k/2 となる.

別解(凸性と対称性で解を数える)

逆関数は上の解答のとおり f−1(y)=y/2−2/y (y>0) である.後半の解の個数は,H(x)=f(x)+f(k−x) の形から直接分かる.

f″(x)=4(x2+4)3/2>0

なので f′ は狭義増加であり,H′(x)=f′(x)−f′(k−x) は x<k/2 で負,x>k/2 で正となる.したがって H は x=k/2 でただ一つの最小値

H(k/2)=2f(k/2)=k+k2+16

をとる.また x→∞ では f(x)→∞,x→−∞ では f(k−x)→∞ で,他方の項も正なので両端で H(x)→∞ となる.連続性と左右での狭義単調性により,解の個数は λ がこの最小値より小さいとき0個,等しいとき1個,大きいとき2個である.

解答 設問 3

直接計算すると

ft2(x)=(t2−1)x−ttx−1,ft3(x)=(t3−2t)x+1−t2(t2−1)x−t.

除外される x は有限個なので,恒等式なら分母を払った多項式も恒等的に0である.x2 の係数比較から t2=1 が必要となり,t=±1 は実際に残りの係数も一致させる.よって t=±1 である.不動点は x2−tx+1=0 の実根だが,判別式は t2−4=−3 なので存在しない.

解答 設問 4

分数式の恒等式として考え,∞ では分母0をその値とする拡張を使う.h(x)=(x−1)/(x+1) とおくと h∘f∘h−1(u)=u/3 である.G=h∘g∘h−1 も非定数の分数関数で,G(u/3)=G(u)/3 を満たす.写像 u↦u/3 の不動点は 0,∞ だけなので,G はこの2点を保つか交換する.保つ場合は G(u)=λu (λ≠0),交換する場合は G(u)=λ/u だが,後者は可換条件を満たさない.元に戻して

g(x)=(1+λ)x+(1−λ)(1−λ)x+(1+λ).

したがって答えは g(x)=(Ax+B)/(Bx+A), A2≠B2 であり,直接代入しても可換性を確認できる.

DISCUSSION

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