問いしるべ
100日数学チャレンジ 問題 48
問題 48

問題048|1の冪根と多項式

難易度 D 目安 60分

前半戦

n≥2, ζ=cos⁡(2π/n)+isin⁡(2π/n) とする.∑k=1n−111−ζk と ∑k=1n−11|1−ζk|2 を求めよ.

n≥2 とする.∏k=1n−1sin⁡(kπ/n) を求めよ.さらに,正 n 角形の1頂点から他の全頂点までの距離の積を,外接円の半径 R を用いて表せ.

後半戦

方程式 11z10+10iz9+10iz−11=0 のすべての複素数解が |z|=1 を満たすことを示せ.

Putnam 1989 A3

正の整数 n に対して,P(X)2+Q(X)2=X2n+1, deg⁡P>deg⁡Q を満たす実係数多項式の順序対 (P,Q) の個数を求めよ.

Putnam 2007 B4

ヒント 設問 1

ヒント 1

最初の和は k と n−k を組にする.

ヒント 2

F(x)=1+x+⋯+xn−1 の F′/F とその導関数を x=1 で計算する.

ヒント 設問 2

ヒント 1

xn−1 を因数分解し,x=1 の因子だけを除いて代入する.

ヒント 2

|1−e2πik/n|=2sin⁡(kπ/n) を使う.

ヒント 設問 3

ヒント 1

z9(11z+10i)=11−10iz とまとめる.

ヒント 2

両辺の絶対値の平方を比較し,|z|>1 と |z|<1 をそれぞれ矛盾に導く.

ヒント 設問 4

ヒント 1

複素数係数では平方和が2因子に分かれる.

ヒント 2

P+iQ には,X2n+1 の各共役根の組からちょうど一方を選ぶ.

解答 設問 1

F(x)=∏k=1n−1(x−ζk) とおく.F(1)=n, F′(1)=n(n−1)/2, F″(1)=n(n−1)(n−2)/3 だから

S=∑11−ζk=n−12,T=∑1(1−ζk)2=S2−F″(1)F(1)=(n−1)(5−n)12.

ζk―=ζ−k より 1/|1−ζk|2=−ζk/(1−ζk)2=1/(1−ζk)−1/(1−ζk)2 である.したがって第2の和は S−T=(n2−1)/12,第1の和は (n−1)/2 である.

別解(逆数どうしを組にする)

最初の和は微分を使わずに求められる.q≠0,1 なら

11−q+11−q−1=1

である.S=∑k=1n−1(1−ζk)−1 とおくと,添字の変換 k↦n−k により

2S=∑k=1n−1(11−ζk+11−ζ−k)=n−1.

したがって S=(n−1)/2 である.n が偶数のときの k=n/2 も同じ式で処理でき,個別の場合分けはいらない.

解答 設問 2

(xn−1)/(x−1)=∏k=1n−1(x−ζk) に x=1 を代入すると ∏(1−ζk)=n となる.絶対値をとれば 2n−1∏sin⁡(kπ/n)=n である.よって ∏sin⁡(kπ/n)=n/2n−1 となる.半径 R の場合は各距離が R|1−ζk| だから,距離の積は nRn−1 である.

解答 設問 3

11z+10i=0 なら z=−10i/11 だが 11−10iz=21/11≠0 なので解ではない.したがって解では

|z|18=|11−10iz|2|11z+10i|2

となる.z=x+iy, r2=x2+y2 とすると分子は 121+220y+100r2,分母は 121r2+220y+100 であり,分母から分子を引くと 21(r2−1) となる.r>1 なら右辺は1未満なのに左辺は1より大きく,r<1 なら逆の矛盾が生じる.ゆえにすべての解で |z|=1 である.

解答 設問 4

次数条件から P の次数は n,最高次係数は ±1 である.X2n+1 は相異なる非実根をもち,n 組の共役対に分かれる.(P+iQ)(P−iQ)=X2n+1 で,両因子は係数ごとの共役だから,P+iQ は各共役対からちょうど一方を根としてもつ.同じ対の両方を選ぶと共役因子にも両方が現れ,重根ができてしまう.逆に各対から一方ずつ選び,最高次係数 ε=±1 の多項式 H を作れば,P=(H+H―)/2, Q=(H−H―)/(2i) は条件を満たす.最高次係数が実数なので deg⁡Q<n=deg⁡P である.この対応は一対一だから,個数は 2n+1 となる.

DISCUSSION

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