運動量と質点系
第5章の発展問題
著者:柚木芹香
★4・★5の
演習 1
質量
く
さびの 右向き速度を ,物体の斜面に 沿う 相対速度を として 関係式を 求めよ. 相対加速度を
運動方 程式から 導き,高さ だけ下がったときの を求めよ. その間のく
さびの 変位を 求めよ.
滑らかな床上の右下がりのくさびMと小物体m.角αと落下高さhを示す.速度や加速度の答えは描かない.
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考え方 水平
物体の
速度は .水平運動量は 初め0なので .したがって . , とする.物体の 加速度を 斜面方向へ 射影すると である.垂直抗力にはその 成分が ないため
と
である.
(1)を
時間で 積分すると .よって .所要時間を求めなくても,水平重心の 不変から 変位が 決まる.
演習 2
線密度
鎖の
うち長さ が皿に たまった とき,落下中の 部分の 速さを 求めよ. 皿が
鎖から 受ける 下向きの 力を 求めよ. 皿が
鎖から 受ける 力積を,放してから 全体が たまる 直前まで 積分せよ.また,最後の 直前と 静止後の 力を 比べよ.
下端が皿に触れる鉛直の鎖の初期状態と,長さxが皿にたまった途中を並べる.落下部分の速度vと残りの長さL−xを示す.
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考え方 皿は,すでに
, より .落下部分の各点が 同じだけ下がるので,落下距離が 皿に 入った 長さに 一致する. の間に 入る 質量は .この部分が 失う 下向き 運動量は である.皿の受ける 力は
と
落下時間は
. を積分して .全鎖の重力の 力積も であるから,上向きの 皿からの 力積と 打ち消し,初めと 終わりの 全運動量0に 合う.最後の 直前は ,全体が静止した後は .理想モデルでは運動量の 流入が 途絶える 瞬間に 力が 飛び変わるが,有限の 追加力積は 生じない.
演習 3
水平面上のAから
水平区間ACの中点に高さHのネットを置く.球はC直前の水平面で跳ね,斜面に入る.斜面に沿うxと垂直なyを示す.
投球速度の
水平成分 と鉛直成分 を求め,水平面で 跳ねた 直後の 斜面方向成分 と法線 成分 を表せ.以下は , とする. Cで
跳ねた 直後を とする.斜面との 回目の衝突時刻 と,跳ね返りが収束する 時刻 を求めよ.等比数列の 和 を使える. 収束位置
を求め,Cに 戻るまでに 跳ね返りが 収束する 条件を 示せ.その後は 面に 接したまま 滑る モデルと する. , , , , について,収束時刻・収束位置・ 最も 上る 位置・Cへの 帰還時刻を 比較せよ.
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考え方 衝突の
AとCは
同じ 高さなので,中点が 放物線の 頂点と なる. , より , .C直前の速度は ,水平面で跳ねた 直後は である.これを斜面座標へ 射影して
特に
初回飛行では
.正の根から である.衝突直前の法線 速度は ,直後は なので,次の飛行時間は となる.同様に 第 飛行時間は .したがって
無限回の
全区間で
なので,
この
, , , .したがって , .収束時刻は ,収束位置は となる.接線速度が0に なるのは ,最遠位置は である.帰還時刻は .つまり,跳ね返りが収束してからも 斜面を 上り,折り返してCへ 滑り 戻る.時間と 距離の 式は それぞれ , の次元を もつ.
演習 4
水平な
次の
発射・回収装置と壁は同じ台に固定されている.球は右の壁へ飛び,反射して装置へ戻る.
とおき,投球,壁との 衝突,受取に よる 台の 速度の 変化を 求めよ.往路時間を ,復路時間を として 表せ. 各飛行中に
台が いったん停止する「大きい 摩擦」の 条件と,全 運動終了後の 台の 変位を 求めよ. 往路・復路の
どちらでも 途中 停止しない「小さい 摩擦」の 条件と,受取後の 停止までを 含む台の 変位を 求めよ.壁での 力積に よる 瞬間的な 方向反転は,途中 停止に 含めない. , , , , とする.両領域の 境目を 求め, と の最終変位を 評価せよ.
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考え方 運動量保存を
球の
水平速度は 投球で ,壁で ,受取で近似的に と変わる.台への 力積は 逆符号だから,速度変化は 順に , , .また , である.投球直後は
なので,停止時間 が 以下でなければならない.壁で停止状態から になり,その 停止時間 が 以下であることも必要である.したがって
初速度
最後の
往路の
終わりまで 左へ 動く 条件は .壁で速度が 増すと になり,右へ 動く.受取直前まで 右向きである 条件は .両者をまとめると
受取で
和を
したがって
なので,大きい摩擦は ,すなわち .小さい摩擦は ,すなわち である.間の領域は 一方の 飛行中だけ停止する ため,どちらの 式も そのまま 使えない.等号の 境目では 衝突と 停止が 同時に なるので,隣の 領域の 式の 極限と して 扱う.
演習 5
滑らかな
Bが
初めてCに 当たった 直後のCの 速度を の関数で 求めよ. その
速度を 最大に する と最大値を 求めよ.商の 微分 を使ってよい. 最適な
の場合,その後の 再衝突が ない ことを 確かめよ.またBを 置かずAがCに 直接衝突した 場合と 比べよ.
一直線上のA,B,Cに質量4m,b,mを付け,Aの初速度vだけを示す.
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考え方 衝突を1回ずつ
AとBの
衝突後は , .BがCに当たるまで 速度は 一定で,BはAより 速いので 途中に 再衝突は ない.BとCの 衝突から
と
と置けば .微分すると
なので
この
場合 ,最初の .Cとの衝突後のBは .左から と速度が 大きくなるので,再衝突は ない.直接なら であり,中間球を使う 方が 大きい.任意の で再衝突が ないと 仮定したわけではなく,最適な 場合に ついて 確認した 結論である.
演習 6
一定の
最終速度を
最大に する 燃焼時間を 求めよ. その
ときの 質量 ,噴射流量 ,最終速度を求めよ. 同じ
加速度上限を 守る 一定流量方式で 最も 速く 燃やす場合と 比較せよ.
鉛直ロケットと調整可能な噴射流量q(t).加速度の許容範囲0≤a≤Aを注記し,最適な流量曲線は描かない.
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考え方 同じ
から .全時間で積分すると なので
を
常に
とすれば 等号と なる. を変数分離して, , .したがって
と
一定流量では
最後の 加速度が 最大なので .最短時間は である.ただし発射時にも を満たすには が必要で,満たさなければ 許容される 一定流量方式は 存在しない.存在する 場合, として より で,最終速度も だけ小さい.不等式は を1から まで積分して 確かめられる.
演習 7
滑らかな
地面系でのAの
衝突後の 速度成分を で表せ. Aの
地面系での 偏向角 の最大値を 求めよ. を で微分する ときは,商の 微分 と , を使ってよい. 最大偏向の
ときのAの 速さとBの 速度成分を 求め,運動量を 確認せよ.
入射する質量2mのAと静止するmのBを上から見た配置.入射速度vとx,y軸だけを示し,最大偏向角は描かない.
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考え方 重心系では
重心速度は
.衝突前のAの重心系速度は である.したがって
と
上側への
偏向を 考え とする. を微分すると,符号は の符号に 一致する.最大は ,つまり .このとき なので .下側についても 対称なので 偏向角の 絶対値の 上限は 同じである.速度平面では,原点から 中心 ,半径 の円へ 引く 接線の 角に 相当する. Aは
で速さ .運動量保存から . と確かめられる.求めた2球の 速度差の 大きさも で,弾性衝突の条件に 合う.