電流と回路
第21章の章末問題
著者:柚木芹香
抵抗の
演習 1
長さと
電池の
電流,各導線の 電流,端子電圧を 求めよ. 両導線の
電子の ドリフト速度の 大きさの 比と,両導線および電池内部の 発熱率を 求めよ.
長さℓと断面積Sが等しい2本の導線を並列につなぐ.導線1の抵抗率はρ,導線2は2ρで,電池の起電力はℰ,内部抵抗はR/3である.
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考え方
並列部分は
,導線2の抵抗は .並列部分の抵抗は だから,全抵抗は .電池の電流は ,端子電圧は .各電流は , である. より,速度の大きさの 比は .電子の移動は 電流と 逆向きである.発熱率は , , .合計 は電池の 仕事率 と等しく,内部の 発熱を 含めて 収支が 合う.
演習 2
理想電源の
Bを
電位の 基準としてP,Nの 電位,コンデンサーのP側極板の 電荷,蓄積エネルギーを 求めよ. 電源の
電流と4本の 抵抗の 全発熱率を 求めよ.コンデンサーの 電流が0である ことから,その 電荷も0と 判断して よいか.
正極Aから負極Bへ,R,P,3Rの枝と,2R,N,Rの枝を接続する.PとNの間に容量Cのコンデンサーを置き,電源の極性を示す.
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考え方
定常状態では
左右の
枝の 電流は , である.したがって , , .P側の電荷は ,N側は .エネルギーは である.電源電流は
.全発熱率は .コンデンサー電流が0とは電荷が 変化しない ことであり,電荷が0と いう 意味ではない.電荷の 式は 電圧を 反転すると 符号を 変え,エネルギーは 変わらない.
演習 3
未知の
を の1次式で表し,最初の2列から を決めよ.最後の 列と 定常電圧も 検算せよ. の定常電圧だけに の誤差が ある とき,この 電圧から 推定する の範囲を 求めよ.漏れを 無視して とすると,3列の 結果は どうなるか.
電源ℰと直列抵抗R_sの先に,容量Cと漏れ抵抗R_ℓを並列につなぐ.測定する電圧vは並列部分の上側を正とした電圧である.
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考え方
充電電流の
接続点での
電荷保存は
右辺を0と
最初の2列の
定常値から
.これは とともに増加するので,両端を 代入した 範囲は
すな
演習 4
容量
両区間の
を求め,切り 替え前後で 連続な 量を 示せ.切り替え後,初めて となるまでの 時間も 求めよ. その
時刻までの 電源の 仕事と 全ジュール熱を 求め,残る 蓄積エネルギーと 比較せよ.
コンデンサーCの下側は電源の負極につながる.上側は抵抗Rと切り替えスイッチを介して,時刻Tまでは正極,その後は負極につながる.上側の電圧vと上側極板へ入る電流Iの基準を示す.
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考え方
有限抵抗を
とする.前半では . の対数を 積分すると , である. .後半は として より
電荷
前半に
電源から 渡る 電荷は で,仕事は .切り替え時のエネルギーは だから,前半の熱は .終状態は なので,後半の熱は .合計は で, .切り替えの 理想化は,電圧が 切り 替わる 時間を ,回路の大きさを ,光の速さを とすると, と をともに 十分小さく できる 場合に 適用できる.
演習 5
容量
Mの
保存電荷を 符号つきで 数え,十分後の 両コンデンサーの 電圧と 電荷を 求めよ. 電源からAへ
流れる 電流 ,時定数,渡る全電荷を 求めよ. 十分後までの
電源の 仕事と ジュール熱を 求めよ.
電源4Vから抵抗R,A,容量C,M,容量2C,Bの順に接続する.破線はMにつながる2枚の極板と導線の範囲である.初めの電位差V_A−V_M = 0とV_M−V_B = Vを記す.
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考え方
直列コンデンサーの
Bを
基準とし, , , とする.M側の 電荷の 和は 初め である.したがって全時刻で ,すなわち
十分後は
A側電荷は
なので . より, として .初期値 から , .全電荷は である.電源の
仕事は .初期エネルギーは ,終状態は .よって .電流からも となる. を小さくしても 熱は 減らず,集中定数近似には が十分 小さい ことが 必要である.
演習 6
A,B間の
反転後の
を求めよ. Bを
基準として を求め,反転直後に と が等しくなるか 調べよ. P,N間の
枝の 抵抗 で生じる 全ジュール熱を 求めよ.
AからBへR,P,2Rの枝と2R,N,Rの枝を置き,Pから抵抗R,容量C,Nの順に接続する.反転前後の電源の極性,PからNを正とする電流Iとコンデンサー電圧vの基準を示す.
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考え方
コンデンサーの
反転前の
開放電圧は で, .反転後は .電源を短絡して 見た 抵抗は,各分圧点から 共通点までが だから である.枝の を加えると . , を解くと
Pでの
電荷保存は ,Nでは .これらから
直後は
この
枝の 抵抗に 定常電流は 流れない.したがって
これは4本の
演習 7
半径
球面を
通る 定常電流から 漏れ抵抗 を,ガウスの法則から 容量 を導け.電源を 外して 自己放電させる ときの 時定数を 求めよ. 未充電の
状態から,起電力 の理想電源と 直列抵抗 につなぐ.電圧の 時間変化と 定常状態での 電源の 仕事率,物質内と 直列抵抗の 発熱率を 求めよ. を変えても 一定な 時定数は どちらか.その 理由を 説明せよ. は変更しない ものとする.
半径aとbの同心球電極の断面と,電極間の誘電率ε,抵抗率ρを示す.外部回路は電源ℰ,直列抵抗R_s,スイッチからなり,内側電極への導線は外側電極と絶縁して通す.
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考え方
漏れ抵抗と
半径
の球面の 電流密度は . から電圧は なので
内側に
. なので となり, , .定常電流は ,電源の仕事率は .物質内の発熱率は ,直列抵抗も同じである. 自己放電の
は幾何学に よらない.一方,変更後の 充電時定数は であり, を固定すると 一定ではない. は時間の 次元を もち,外部回路を 付けると 放電経路が 増える ため時定数が 短くなる.球対称と 集中定数の 近似には,外部接続に よる 場の 乱れを 無視でき, が十分 小さい 必要が ある.
演習 8
容量
ダイオードが
電流を 流し始める 時刻 と,それ以前の を求めよ. それ以後の
,定常電圧,時定数を求めよ. の場合,初めて となる 時刻も 求めよ. の定常状態で,電源の 仕事率が 抵抗と ダイオードの 消費電力の 和に 等しい ことを 示せ. の極限で 電圧が どうなるかも 述べよ.
電源3V_Dと抵抗Rの先に,コンデンサーCと上側から下側へ導通するダイオードを並列につなぐ.電圧vとダイオード電流I_Dの正方向,折れ曲がり電圧V_Dをもつ与えられた電流特性を示す.
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考え方
素子の
導通前は
だから, . より , .導通後は
定常値と
定常電流は
.電源の仕事率は ,抵抗の発熱率は ,ダイオードの消費電力は で,和が一致する. では , となり,導通後の 電圧は に保たれる 極限へ 近づく.ただし 有限の 回路で 過渡解を 使うには が十分 小さい 必要が あり, の瞬間的応答まで 集中定数近似で 保証したわけではない.