問いしるべ
問いから始める物理 電流と回路

電流と回路

第21章の章末問題

著者:柚木芹香

抵抗の中の電場,回路の電流,コンデンサーの電荷を結びつけて解いてください.特に断らない限り,導線とスイッチの抵抗,コンデンサーの漏れ,電磁誘導は無視し,集中定数回路として扱います.

演習 1

オリジナル ★☆☆☆☆

長さと断面積がともに等しい2本の導線を並列につなぎ,電池につなぐ.導線1の抵抗率は ρ,導線2は 2ρ で,電子の数密度は等しい.長さ ℓ=2.0m,断面積 S=2.0×10−8m2,ρ=3.0×10−8Ωm,電池の起電力 E=9.0V とする.導線1の抵抗を R とし,電池の内部抵抗は R/3 である.

  1. 電池の電流,各導線の電流,端子電圧を求めよ.

  2. 両導線の電子のドリフト速度の大きさの比と,両導線および電池内部の発熱率を求めよ.

長さℓと断面積Sが等しい2本の導線を並列につなぐ.導線1の抵抗率はρ,導線2は2ρで,電池の起電力はℰ,内部抵抗はR/3である. 長さℓと断面積Sが等しい2本の導線を並列につなぐ.導線1の抵抗率はρ,導線2は2ρで,電池の起電力はℰ,内部抵抗はR/3である.
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考え方
並列部分は等電圧である.電池内部の電圧降下も含めて電流を決める.

  1. R=ρℓ/S=3.0Ω,導線2の抵抗は 2R.並列部分の抵抗は Rp=2R/3 だから,全抵抗は R/3+2R/3=R.電池の電流は I=E/R=3.0A,端子電圧は V=IRp=6.0V.各電流は I1=V/R=2.0A,I2=V/(2R)=1.0A である.

  2. Ik=neSvd,k より,速度の大きさの比は vd,1:vd,2=2:1.電子の移動は電流と逆向きである.発熱率は P1=I12R=12W,P2=I22(2R)=6.0W,Pr=I2R/3=9.0W.合計 27W は電池の仕事率 EI と等しく,内部の発熱を含めて収支が合う.

演習 2

オリジナル ★☆☆☆☆

理想電源の正極A,負極Bの電位差は E>0 である.AからBへ,抵抗 R,接続点P,抵抗 3R を直列につなぐ枝と,抵抗 2R,接続点N,抵抗 R を直列につなぐ枝を置く.P,N間には容量 C のコンデンサーをつなぐ.十分時間がたった状態を考える.

  1. Bを電位の基準としてP,Nの電位,コンデンサーのP側極板の電荷,蓄積エネルギーを求めよ.

  2. 電源の電流と4本の抵抗の全発熱率を求めよ.コンデンサーの電流が0であることから,その電荷も0と判断してよいか.

正極Aから負極Bへ,R,P,3Rの枝と,2R,N,Rの枝を接続する.PとNの間に容量Cのコンデンサーを置き,電源の極性を示す. 正極Aから負極Bへ,R,P,3Rの枝と,2R,N,Rの枝を接続する.PとNの間に容量Cのコンデンサーを置き,電源の極性を示す.
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考え方
定常状態ではコンデンサーの枝を電流について開放とみなし,2つの分圧を比較する.

  1. 左右の枝の電流は E/(4R),E/(3R) である.したがって VP=3E/4,VN=E/3,VP−VN=5E/12.P側の電荷は qP=C(VP−VN)=5CE/12,N側は −qP.エネルギーは U=C(VP−VN)2/2=25CE2/288 である.

  2. 電源電流は I=E/(4R)+E/(3R)=7E/(12R).全発熱率は P=4R[E/(4R)]2+3R[E/(3R)]2=7E2/(12R)=EI.コンデンサー電流が0とは電荷が変化しないことであり,電荷が0という意味ではない.電荷の式は電圧を反転すると符号を変え,エネルギーは変わらない.

演習 3

オリジナル ★★☆☆☆

未知の容量 C と漏れ抵抗 Rℓ が並列になったコンデンサーがある.初めの電圧を0とし,起電力 E=6.00V の理想電源に既知の直列抵抗 Rs を介してつなぐ.測定器の影響は補正済みである.十分後の電圧 V∞ と,ln⁡[(V∞−v)/V∞] のグラフの傾き −1/τ から次の値を得た.

Rs

2.00MΩ

4.00MΩ

8.00MΩ

V∞

4.00V

3.00V

2.00V

τ

4.00s

6.00s

8.00s

  1. 1/τ を 1/Rs の1次式で表し,最初の2列から C,Rℓ を決めよ.最後の列と定常電圧も検算せよ.

  2. Rs=4.00MΩ の定常電圧だけに ±0.03V の誤差があるとき,この電圧から推定する Rℓ の範囲を求めよ.漏れを無視して C=τ/Rs とすると,3列の結果はどうなるか.

電源ℰと直列抵抗R_sの先に,容量Cと漏れ抵抗R_ℓを並列につなぐ.測定する電圧vは並列部分の上側を正とした電圧である. 電源ℰと直列抵抗R_sの先に,容量Cと漏れ抵抗R_ℓを並列につなぐ.測定する電圧vは並列部分の上側を正とした電圧である.
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考え方
充電電流の一部は漏れへ流れる.減衰率の傾きと切片を分けて容量と漏れ抵抗を求める.

  1. 接続点での電荷保存は

Cdvdt=E−vRs−vRℓ.

右辺を0とすると V∞=ERℓ/(Rs+Rℓ).w=V∞−v とおけば dwdt=−w/τ となり,積分と初期条件から w=V∞e−t/τ.ここで

1τ=1C1Rs+1CRℓ.

最初の2列の傾きは [1/(4.00s)−1/(6.00s)]/[1/(2.00MΩ)−1/(4.00MΩ)]=1/(3.00μF).したがって C=3.00μF.第2列では 1/τ−1/(CRs)=1/(12.0s) だから Rℓ=4.00MΩ.第3列の並列抵抗は 8/3MΩ で,τ=8.00s.定常電圧も順に 4.00,3.00,2.00V となり一致する.

  1. 定常値から Rℓ=RsV∞/(E−V∞).これは V∞ とともに増加するので,両端を代入した範囲は

4.00MΩ×2.973.03≤Rℓ≤4.00MΩ×3.032.97.

すなわち約 3.92MΩ から 4.08MΩ である.漏れを無視した容量は順に 2.00,1.50,1.00μF となり,一定容量の模型と両立しない.漏れを無視する条件は Rs/Rℓ が十分小さいことであり,この測定では満たされない.

演習 4

オリジナル ★★☆☆☆

容量 C の未充電のコンデンサーの下側極板を電源の負極につなぐ.上側極板は抵抗 R を介して切り替えスイッチにつなぐ.時刻0から T=RCln⁡3 までは起電力 E>0 の理想電源の正極に,その後は負極につなぐ.コンデンサーの上側の電圧を v,上側極板へ入る電流を I とする.

  1. 両区間の v,I を求め,切り替え前後で連続な量を示せ.切り替え後,初めて v=E/6 となるまでの時間も求めよ.

  2. その時刻までの電源の仕事と全ジュール熱を求め,残る蓄積エネルギーと比較せよ.

コンデンサーCの下側は電源の負極につながる.上側は抵抗Rと切り替えスイッチを介して,時刻Tまでは正極,その後は負極につながる.上側の電圧vと上側極板へ入る電流Iの基準を示す. コンデンサーCの下側は電源の負極につながる.上側は抵抗Rと切り替えスイッチを介して,時刻Tまでは正極,その後は負極につながる.上側の電圧vと上側極板へ入る電流Iの基準を示す.
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考え方
有限抵抗を通る切り替えでは極板電荷が連続する.電源につながる区間と放電だけの区間を別々に解く.

  1. τ=RC とする.前半では Cdvdt=(E−v)/R.E−v の対数を積分すると v=E(1−e−t/τ),I=Ee−t/τ/R である.v(T)=2E/3.後半は s=t−T として Cdvds=−v/R より

v=2E3e−s/τ,I=−2E3Re−s/τ.

電荷 Cv と電圧 v は連続するが,電流は E/(3R) から −2E/(3R) へ変わる.到達条件は e−s/τ=1/4 なので s=RCln⁡4.

  1. 前半に電源から渡る電荷は 2CE/3 で,仕事は W=2CE2/3.切り替え時のエネルギーは UT=C(2E/3)2/2=2CE2/9 だから,前半の熱は QJ,1=W−UT=4CE2/9.終状態は Uf=C(E/6)2/2=CE2/72 なので,後半の熱は QJ,2=UT−Uf=5CE2/24.合計は QJ=47CE2/72 で,QJ+Uf=W.切り替えの理想化は,電圧が切り替わる時間を ts,回路の大きさを ℓ,光の速さを c とすると,ℓ/(cts) と ts/(RC) をともに十分小さくできる場合に適用できる.

演習 5

オリジナル ★★☆☆☆

容量 C のコンデンサー1をA,M間,容量 2C のコンデンサー2をM,B間につなぐ.Mにつながる2枚の極板と導線は,他の導体から孤立している.初めの電位差は VA−VM=0,VM−VB=V>0 である.時刻0にBを理想電源の負極へ,Aを抵抗 R を介して正極へつなぐ.起電力は 4V とする.

  1. Mの保存電荷を符号つきで数え,十分後の両コンデンサーの電圧と電荷を求めよ.

  2. 電源からAへ流れる電流 I(t),時定数,渡る全電荷を求めよ.

  3. 十分後までの電源の仕事とジュール熱を求めよ.

電源4Vから抵抗R,A,容量C,M,容量2C,Bの順に接続する.破線はMにつながる2枚の極板と導線の範囲である.初めの電位差V_A−V_M = 0とV_M−V_B = Vを記す. 電源4Vから抵抗R,A,容量C,M,容量2C,Bの順に接続する.破線はMにつながる2枚の極板と導線の範囲である.初めの電位差V_A−V_M = 0とV_M−V_B = Vを記す.
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考え方
直列コンデンサーの電荷が等しいとは限らない.Mの電荷を保存したまま,外側端子の電圧の変化を追う.

  1. Bを基準とし,v1=VA−VM,v2=VM,v=VA=v1+v2 とする.M側の電荷の和は初め −Cv1+2Cv2=2CV である.したがって全時刻で −Cv1+2Cv2=2CV,すなわち

v1=23(v−V),v2=13v+23V.

十分後は v=4V だから v1=v2=2V.コンデンサー1のA側は 2CV,M側は −2CV.コンデンサー2のM側は 4CV,B側は −4CV で,Mの和は 2CV のままである.

  1. A側電荷は qA=Cv1=2C(v−V)/3 なので I=2Cdvdt/3.4V=RI+v より,τ=2RC/3 として d(4V−v)dt=−(4V−v)/τ.初期値 v(0)=V から v=4V−3Ve−t/τ,I=3Ve−t/τ/R.全電荷は ∫0∞Idt=3Vτ/R=2CV である.

  2. 電源の仕事は W=(4V)(2CV)=8CV2.初期エネルギーは Ui=(2C)V2/2=CV2,終状態は Uf=C(2V)2/2+(2C)(2V)2/2=6CV2.よって QJ=W−(Uf−Ui)=3CV2.電流からも ∫0∞RI2dt=9V2τ/(2R)=3CV2 となる.R を小さくしても熱は減らず,集中定数近似には ℓ/(cτ) が十分小さいことが必要である.

演習 6

オリジナル ★★★☆☆

A,B間の電位差が初め VA−VB=E>0 の理想電源である.AからBへ,抵抗 R,P,抵抗 2R の枝と,抵抗 2R,N,抵抗 R の枝を置く.PからNへは抵抗 R と容量 C のコンデンサーを直列につなぐ.十分待った後,時刻0に電源の極性を反転し,VA−VB=−E にする.コンデンサーのP寄り極板の電位からN寄り極板の電位を引いた電圧を v,PからNへの枝電流を I とする.

  1. 反転後の v(t),I(t) を求めよ.

  2. Bを基準として VP(t),VN(t) を求め,反転直後に VP−VN と v が等しくなるか調べよ.

  3. P,N間の枝の抵抗 R で生じる全ジュール熱を求めよ.

AからBへR,P,2Rの枝と2R,N,Rの枝を置き,Pから抵抗R,容量C,Nの順に接続する.反転前後の電源の極性,PからNを正とする電流Iとコンデンサー電圧vの基準を示す. AからBへR,P,2Rの枝と2R,N,Rの枝を置き,Pから抵抗R,容量C,Nの順に接続する.反転前後の電源の極性,PからNを正とする電流Iとコンデンサー電圧vの基準を示す.
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考え方
コンデンサーの枝から見た回路をテブナンの電源に置き換える.枝電流による分圧点のずれも求める.

  1. 反転前の開放電圧は 2E/3−E/3=E/3 で,v(0)=E/3.反転後は Vth=−E/3.電源を短絡して見た抵抗は,各分圧点から共通点までが R∥2R=2R/3 だから Rth=4R/3 である.枝の R を加えると Rt=7R/3.I=Cdvdt,Vth=RtI+v を解くと

τ=7RC3,v=−E3+2E3e−t/τ,I=−2E7Re−t/τ.
  1. Pでの電荷保存は (VP+E)/R+VP/(2R)+I=0,Nでは (VN+E)/(2R)+VN/R−I=0.これらから

VP=−2E3−2R3I,VN=−E3+2R3I.

直後は VP=−10E/21,VN=−11E/21 だから VP−VN=E/21.一方 v=E/3 であり,両者の差 −2E/7 は枝の抵抗の電圧 RI である.極板間電圧が連続でも,分圧点の電位が連続するとは限らない.

  1. この枝の抵抗に定常電流は流れない.したがって

QJ=∫0∞RI2dt=4E249Rτ2=2CE221.

これは4本の分圧抵抗の熱を含まない.C→0 で熱も0となる.反転を短時間の操作とみなすには,切り替え時間 ts に対する ℓ/(cts) と ts/τ がともに十分小さい必要がある.

演習 7

オリジナル ★★★☆☆

半径 a,b(b>a)の同心球状電極の間を,誘電率 ε,抵抗率 ρ の一様な物質で満たす.ここで ρ は抵抗率である.物質の漏れはオームの法則に従うとし,外側電極の外の場は無視する.

  1. 球面を通る定常電流から漏れ抵抗 Rℓ を,ガウスの法則から容量 C を導け.電源を外して自己放電させるときの時定数を求めよ.

  2. 未充電の状態から,起電力 E の理想電源と直列抵抗 Rs=Rℓ につなぐ.電圧の時間変化と定常状態での電源の仕事率,物質内と直列抵抗の発熱率を求めよ.

  3. a,b を変えても一定な時定数はどちらか.その理由を説明せよ.Rs は変更しないものとする.

半径aとbの同心球電極の断面と,電極間の誘電率ε,抵抗率ρを示す.外部回路は電源ℰ,直列抵抗R_s,スイッチからなり,内側電極への導線は外側電極と絶縁して通す. 半径aとbの同心球電極の断面と,電極間の誘電率ε,抵抗率ρを示す.外部回路は電源ℰ,直列抵抗R_s,スイッチからなり,内側電極への導線は外側電極と絶縁して通す.
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考え方
漏れ抵抗と容量には同じ幾何学的因子が逆向きに現れる.外部抵抗を加えた時定数とは区別する.

  1. 半径 r の球面の電流密度は j=I/(4πr2).E=ρj から電圧は V=∫abEdr=ρI(1/a−1/b)/(4π) なので

Rℓ=ρ4π(1a−1b).

内側に電荷 q があるとき,ガウスの法則 4πr2εE=q より V=q(1/a−1/b)/(4πε).したがって C=4πε/(1/a−1/b).自己放電は Cdvdt=−v/Rℓ だから v=v(0)e−t/(RℓC),時定数は τ0=RℓC=ρε である.

  1. Cdvdt=(E−v)/Rs−v/Rℓ.Rs=Rℓ なので d(E/2−v)dt=−2(E/2−v)/(RℓC) となり,v=E(1−e−t/τc)/2,τc=ρε/2.定常電流は I=E/(2Rℓ),電源の仕事率は E2/(2Rℓ).物質内の発熱率は (E/2)2/Rℓ=E2/(4Rℓ),直列抵抗も同じである.

  2. 自己放電の τ0 は幾何学によらない.一方,変更後の充電時定数は τc=CRsRℓ/(Rs+Rℓ)=ρεRs/(Rs+Rℓ) であり,Rs を固定すると一定ではない.RℓC は時間の次元をもち,外部回路を付けると放電経路が増えるため時定数が短くなる.球対称と集中定数の近似には,外部接続による場の乱れを無視でき,b/(cτc) が十分小さい必要がある.

演習 8

オリジナル ★★★☆☆

容量 C のコンデンサーとダイオードを並列につなぎ,起電力 E=3VD の理想電源から抵抗 R を介して充電する.下側を電位の基準とし,上側の電圧を v≥0 とする.ダイオードを上側から下側へ流れる電流は,0≤v≤VD では0,v>VD では ID=(v−VD)/rd である.VD>0,rd>0,初め v=0 とする.

  1. ダイオードが電流を流し始める時刻 tD と,それ以前の v(t) を求めよ.

  2. それ以後の v(t),定常電圧,時定数を求めよ.rd=R の場合,初めて v=3VD/2 となる時刻も求めよ.

  3. rd=R の定常状態で,電源の仕事率が抵抗とダイオードの消費電力の和に等しいことを示せ.rd→0 の極限で電圧がどうなるかも述べよ.

電源3V_Dと抵抗Rの先に,コンデンサーCと上側から下側へ導通するダイオードを並列につなぐ.電圧vとダイオード電流I_Dの正方向,折れ曲がり電圧V_Dをもつ与えられた電流特性を示す. 電源3V_Dと抵抗Rの先に,コンデンサーCと上側から下側へ導通するダイオードを並列につなぐ.電圧vとダイオード電流I_Dの正方向,折れ曲がり電圧V_Dをもつ与えられた電流特性を示す.
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考え方
素子の特性が変わる電圧で解をつなぐ.定常電圧だけでなく,ダイオードが流し始めた後の緩和も変わる.

  1. 導通前は Cdvdt=(3VD−v)/R だから,v=3VD(1−e−t/(RC)).v(tD)=VD より e−tD/(RC)=2/3,tD=RCln⁡(3/2).

  2. 導通後は

Cdvdt=3VD−vR−v−VDrd.

定常値と時定数は V∞=VD(R+3rd)/(R+rd),τ=CRrd/(R+rd).V∞−v がこの時定数で指数減衰するので,初期値 v(tD)=VD から v=V∞−(V∞−VD)e−(t−tD)/τ.これは常に v≥VD で,導通を仮定した範囲に収まる.rd=R では V∞=2VD,τ=RC/2.3VD/2=2VD−VDe−(t−tD)/τ より

t=RCln⁡32+RC2ln⁡2.
  1. 定常電流は I=VD/R.電源の仕事率は 3VDI=3VD2/R,抵抗の発熱率は I2R=VD2/R,ダイオードの消費電力は V∞ID=2VD2/R で,和が一致する.rd→0 では V∞→VD,τ→0 となり,導通後の電圧は VD に保たれる極限へ近づく.ただし有限の回路で過渡解を使うには ℓ/(cτ) が十分小さい必要があり,rd=0 の瞬間的応答まで集中定数近似で保証したわけではない.