問いしるべ
問いから始める物理 力と運動の法則

力と運動の法則

作用と反作用の例題

著者:柚木芹香

複数の物体を扱う例題です.物体が同じ加速度で動くときは,全体の加速度を系全体で,物体どうしの間の力は物体を分けて求めます.糸やロープでつながった物体は,張力を学んだ後の「垂直抗力と張力」の例題で扱います.

例題 1

オリジナル ★★☆☆☆

なめらかな水平面上に,質量 M=3.0kg の箱Aと質量 m=1.0kg の箱Bが接して並んでいる.

  1. Aを,Bの方向へ水平に F=12N の力で押し続けるとき,加速度とAがBを押す力を求めよ.BがAを押す力の大きさはいくらか.

  2. 同じ大きさの力を,今度はBに,Aの方向へ向けて加えるとき,箱どうしの間に働く力の大きさを求めよ.

箱AとBが接する配置で,Aを右へ押す場合とBを左へ押す場合を示す. 箱AとBが接する配置で,Aを右へ押す場合とBを左へ押す場合を示す.
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考え方 全体の加速度は,まとめて1つの系として求める.箱どうしの間の力は,箱を1つずつ分けて運動方程式を立てて求める.

  1. 全体の水平方向の外力は F だけなので,(M+m)a=F より

a=123.0+1.0=3.0ms−2

である.AがBを押す力の大きさを N とする.Bは,A以外から水平方向の力を受けないので,ma=N より

N=1.0×3.0=3.0N

である.第3法則により,BがAを押す力の大きさも 3.0N である.確かめると,Aの運動方程式は Ma=F−N で,3.0×3.0=12−3.0 となり成立する.

  1. 加速度は,(1) と同じ 3.0ms−2 である.今度は,押す力が直接はBに働き,AはBからだけ水平方向の力を受ける.その大きさを N′ とすると,Aの運動方程式 Ma=N′ より

N′=3.0×3.0=9.0N

である.

箱の間の力は,(1) では 3.0N,(2) では 9.0N と異なる.箱の間の力は,その力だけで加速される側の箱の質量で決まる.(1) では m の 1.0kg,(2) では M の 3.0kg の箱を加速させる力であり,質量が大きい (2) のほうが大きい.

ポイント ここまでのまとめ

  • 同じ加速度で動くときは全体の加速度を系全体で,物体どうしの間の力は物体を1つずつ分けて求める.

  • 第3法則により,物体Aが物体Bを押す力とBがAを押す力は等しい.

  • 箱の間の力は,その力だけで加速される側の箱の質量で決まる.押す位置が変わると,箱の間の力も変わる.