回転と剛体
角運動量とトルクの演習
著者:柚木芹香
まず
演習 1
質量
原点Oの
まわりの を求めよ. 直線上の
点A のまわりの 角運動量を 求め,質点が 回転軌道を 描かなくても 角運動量を 持てる 理由を 述べよ.
原点Oと直線y=b,直線上のAと質点,右向き速度uを示す.
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考え方 角
質点が
にある とき, , なので .向きは紙面の 奥である. は式に 残らず,質点がOから 遠ざかっても 角運動量は 変わらない.運動量の 作用線からOまでの 垂直距離が 常に だからである.Aからの
位置は で,運動量と平行なので .同じ運動でも 原点を 変えると 値が 変わる.円 運動する ことは 角運動量を 持つための 必要条件ではなく,原点を 通らない 直線 運動も 反例に なる.どちらの 原点に ついても 外力の トルクは0であり,それぞれの 角運動量が 保存する ことに 矛盾は ない.
演習 2
ある
原点の
まわりの 角運動量と トルクを 求めよ. その
瞬間の 角運動量の 大きさは 増えるか 減るか.また,力を 位置ベクトルと 平行な 力に 置き換えた 場合は どうなるか.
xy軸と点(2,1)にある質点.速度は右上,合力は右下へ描く.
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考え方 外積の
運動量は
.したがって で, は正の 方向である.一方, だから, は負の 方向である.この
瞬間には かつ なので,大きさは減っている.これは 瞬間に ついての 結論であり,後の トルクまで 一定と 仮定した ものではない.力を に置き換えれば となり,その 瞬間の 角運動量の 変化率は0に なる.中心へ 向かう の場合も 同じである.
演習 3
平面内を
Bでの
速さと,軌道の 面積速度を 求めよ. AとBで
それぞれ短い 同じ 時間 に掃く 角度の 比を 求めよ.
Oから距離rのAと距離2rのB.Aには半径方向と30°をなす速度v,Bには速度の方向のみを示す.軌道の形は指定しない.
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考え方 一般の
Aで
.Bでは なので .面積速度は である.中心力の 具体的な 距離依存性を 知らなくても,この 結果は 決まる.エネルギー保存だけでは,力の 位置エネルギーが 不明なので 速さの 関係を 求められない. 微小時間では
, と書ける.よって .厳密には の極限での 比であり,有限時間に 距離が 大きく 変わるなら 積分が 必要である.同じ 面積を 遠方では 小さい 角度で 掃く,と いう 幾何学的な 意味も 持つ.
演習 4
同じ
全
運動量と,原点Oの まわりの 全角 運動量を 求めよ. 固定点B
のまわりでも 全角 運動量が 同じに なる ことを 示せ.その 後も 保存するか.
x軸上の±aに質点を配置し,右の質点に上向きu,左に下向きuを描く.Oと任意の固定点Bを示す.
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考え方 各質点の
.それぞれの角運動量の 成分は と なので, .全運動量が0でも,角 運動量は 打ち消し合わない. とすると .内力の合力は0で,全運動量は 以後も0である.さらに 内力の トルクの 和は なので,どちらの固定点でも 全角 運動量は 保存する.単に 作用反作用で 大きさが 等しいだけでなく,内力が2点を 結ぶ 方向に ある ことを 使っている.
ポイント 教える
原点と
正の 回転方向を,式を 書く 前に 宣言させる ことが 重要である. 直線
運動の 角運動量を 問い,円運動専用の 量と いう 誤解を 確かめる. 中
心力の トルクが0である ことと,仕事が0である ことを 区別させる. 系全体の
保存則では,内力の 方向まで 説明できるかを 確認する.