原子核と素粒子
質量欠損と結合エネルギーの演習
著者:柚木芹香
原子核か
演習 1
陽子数6の
炭素核の
質量 と陽子の 質量 を表してください. 質量欠損
,結合エネルギー ,核子1個あたりの値を 求めてください.
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考え方 炭素原子と6個の
.また である. .したがって , . で,分解には正の エネルギーが 要る.電子の 結合 エネルギーと の比が 十分 小さい 範囲での 近似である.
演習 2
核子1個あたりの
核種 | |||
|---|---|---|---|
炭素12 | 12 | 6 | 7.68 |
マグネシウム24 | 24 | 12 | 8.26 |
鉄56 | 56 | 26 | 8.79 |
全結合
エネルギーが 最小の 核を 求めてください. マグネシウム核を
炭素核2個に 分け,静止して 十分離すための 供給エネルギーを 求めてください.分解の 値と逆向きの 収支も 答えてください. は変化前から 変化後の 総静止エネルギーを 引いた値です.
横軸A,縦軸bに,炭素12,マグネシウム24,鉄56の表の値7.68,8.26,8.79 MeVを置いた図.
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考え方 自由核子を
全体の
値は 順に , , なので炭素核である. 自由核子の
質量の 和を とすると,始状態は ,終状態は .供給量は差の となる.したがって 分解の であり,逆向きには同量を 放出できるが,起こりやすさは この 収支だけでは 決まらない. が等しい 核どうしなら この 差が0に なることも 確かめられる.
演習 3
原子番号12の
原子質量 | |
|---|---|
24 | |
25 | |
26 |
から25への結合 エネルギーの 増加 を,中央の値と 誤差の 上限で 求めてください. 「結合
エネルギーは 中性子1個に つき ずつ増す」という 模型は,この 測定で 否定できますか.3点目を 予測してください.
質量数24,25,26の測定値を横軸A,縦軸M_a/u−Aで示す.誤差棒は各測定の誤差の上限を表す.
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考え方 電子数が
.2つの質量の 誤差の 和から .したがって である.一定増加なら
質量も 等差数列に なり, .予測誤差の上限は .測定との差は であり,誤差の和 以下なので否定できない.誤差が0なら差を 検出できるが,今回は 模型を 証明した わけでもない.
演習 4
太陽の
質量減少率と
水素消費率を 求めてください. が一定なら,この 水素で 何年放射できますか.質量減少を 消費量と 同一視した 誤りも 述べてください.
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考え方 質量減少は
質量減少率は
,水素消費率は となる. 時間は
.質量減少率を消費率と すると 時間を 倍,約140倍長く見積もる. の単位は 質量毎時間であり, では同じ光を 出すための 消費率が 増すことも 確かめられる.一定の と光への 全変換を 仮定した 見積もりである.
演習 5
半径
の形を 導き, を求めてください. に限り, を連続量と して が最大と なる と を求めてください.自己相互作用を 除く を で近似した 相対的な 違いも,求めた で見積もってください.
半径R,総電荷Zeの球形核.内部の核子と表面近くの核子を区別した模式図.
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考え方 核子数,表面積,電気的な
体積項は
,表面の損失は .電気的な損失は なので,よって指定の 形に なり, である. より .微分が正から 負に なる で最大と なり, である. を基準に した 補正の 割合は ,約4.2 %となる.近似には が十分 小さい ことが 必要である.小さい 核では 表面項,大きい核では クーロン項が 効くが,整数条件と 陽子・中性子比の 効果は 省いており,実際の 核種までは 決まらない.
ポイント 教える
原子質量か
核質量か,電子数まで 確認させます. と外から 供給する エネルギーの 符号の 違いを 説明させます. 測定と
模型が 両立する ことと,模型が 証明された ことを 区別します. 液滴模型の3項と,連続量・
一様 電荷の 近似の 限界を 問います.