光子と電子の波
原子の準位とスペクトルの演習
著者:柚木芹香
準位差と
演習 1
水素原子の
の原子を 電離する 最小エネルギーと,電離できる 光の 最長波長を 求めよ. の原子が の光子で 電離する とき,放出電子の 運動エネルギーを 求めよ.
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考え方 準位を0まで
より,最小エネルギーは . だから
エネルギー保存は
(各エネルギーを で表す)より .しきい値で となる.
演習 2
多数の
集団が
基底状態に 戻るまでに,最大何種類の 遷移が 含まれるか.終点3の パッシェン系列の 波長も 求めよ. 始点を
高くした 極限で,この 系列の 最短波長を 求めよ.
水素原子の準位n=1〜5を示す.初めはn=5に励起されている.準位の高さは模式的である.
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考え方 途中の
準位の
組は 種類.終点3の始点は4,5で, より
で準位差は に近づく.限界は .有限の始点ではより 長波長に なる.
演習 3
エネルギー
山 | 散乱電子の |
|---|---|
A | |
B | |
C |
各山が
弾性散乱か 励起かを 判定し,励起後の を求めよ. 基底状態へ
直接戻る 光の 波長を 求めよ.入射エネルギーを に下げた ときの 励起の 山も 求めよ.
電子源からエネルギーK0=13.00 eVの電子を,基底状態の水素標的へ入射させる.標的を通った散乱電子を検出器で測定する.
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考え方 電子の
はA,B,Cで順に .Aは弾性散乱,残りは を使って
から,Bが
より順に , .入射を下げると の励起は エネルギー不足と なり, の山が に残る.準位差は 入射エネルギーに よらない.
演習 4
金属の
この
模型での を求めよ. 静止電子を
加速して の電子を 無限遠へ 取り出すのに 必要な 最小加速電圧を 求めよ.反跳を 無視する.
電離後の静止電子の基準を0とし,準位n=1の空席とn=2の電子を示す.電子が空席へ移る特性X線の測定波長は0.211 nmである.準位の高さは模式的である.
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考え方 X線の
より, .整数値から .束縛エネルギーは
. より .X線はその のエネルギーなので,それだけでは 空席を 作れない.両準位で 同じ 有効電荷を 使う 近似である.
演習 5
静止した
光子エネルギーを
として,保存式を 立てよ. が小さい とき,反跳エネルギーと 光子の ずれを 求めよ. 反跳に
よるずれと 自然幅の 比を 求め,反跳を 線幅に 対して 無視できるか 述べよ.
左はn=3の静止水素原子である.右は光子を放出してn=1となった原子を示す.光子の進行方向と原子の反跳方向を矢印で示す.
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考え方 反跳を
反跳
運動量は .非相対論的な運動エネルギーから
補正項で
より .ずれは自然幅と 同程度である. であり,反跳速度と の比も 同程度で,非相対論的な 近似は よい.
演習 6
電荷
運動方
程式から,換算質量 を導け. , を使い,基底状態の 相対距離と から1への準位差を 求めよ.陽子を 固定すると 準位差を 何倍に 見積もるか.
静止した重心の両側に陽子と重い粒子を配置する.陽子の質量M=1836m,電荷+e,粒子の質量mμ=207m,電荷−eと,相対距離rを示す.
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考え方 電子の
粒子から
陽子への 単位ベクトルを とすると,加速度は 順に , .相対位置の加速度は なので, である.量子条件から
を代入して .また , より . だから, , .固定核では を に置く ため 倍.固定核近似には が十分 小さい 必要が あり,ここでは0.113で 補正が 効く.
ポイント 教える
電離と
隣の 準位への 励起を 区別させます. 集団の
線の 種類と1原子の 光子数を 区別させます. 衝突電子の
山を,入射エネルギーを 変えた 予測で 確かめます. 反跳の
比較基準と 固定核近似の 質量比を 説明させます.