運動量と質点系
重心と質点系の演習
著者:柚木芹香
まず
演習 1
一直線上の
重心の
位置を 求めよ. すべての
質点を 右へ だけ移すと重心は どうなるか.また 中央の 質点だけを 取り除いた 場合の 重心を 求めよ.
x軸上の0,a,3aに質量m,2m,mの質点を描く.重心は描かない.
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考え方 質量を
全質量は
であるから, .中央の質点が 重いので,両端だけの 重心 より中央の に寄る. 分子に
加わる 量は なので, となる.重心も 物体と 同じだけ移る.中央を 取り除けば 残る 全質量は となり, である.取り除く前の 分母 を使い続けてはいけない.重心は 選んだ物体の 集まりに 対して 定義される 量である.
演習 2
一様な
針金全体の
重心を 求めよ. 短い
部分の 自由端に,短い 部分と 同じ 質量の 小球を 付けると,重心は どこに 移るか.
直角に曲げた針金をx,y軸上に描き,横の長さ2a,縦の長さaと,小球を付ける上端を示す.
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考え方 各直線部分の
短い
部分の 質量を とおけば,長い部分は .重心はそれぞれ , にあるので
と
小球の
位置は ,全質量は である.したがって , .追加した小球の 方へ 重心が 移る.2つの 部分の 中点を 単純に 平均する 方法で は 長さの 違いを 反映できず,(1)から 誤った 位置に なる.
演習 3
質量
板と
人の 地面に 対する 変位を 求めよ. 歩行中の
ある 瞬間,人の 板に 対する 速度が 右向きに であるとき,板と 人の 地面に 対する 速度を 求めよ.
初めに板の左端にいる人と,歩行の目的地である中央を示す.長さLのみ寸法を入れる.
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考え方 水平外力が0で,全体は
板の
変位を ,人の変位を とする.重心一定から ,相対変位から .後者を前者に 入れると なので
である.板は
板の
速度を ,人の速度を とすると, , .よって , .歩き出しや停止の ときには 内力で 互いの 速度が 変わるが,この2式は その 瞬間にも 成り 立つ.最後に 人が 板上で 止まれば 両者の 速度は 共通に なり,全運動量0から 地面に 対しても 止まる.
演習 4
一辺
残るL字形の
板の 重心を 求めよ. 切り
取った 小板を 回転させず,その 重心が に来るように 左側へ 接合した とき,全体の 重心を 求めよ.
元の正方形と右上の切り取り部を破線で示し,左側の接合位置も別の破線で示す.座標原点とaの寸法を入れる.
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考え方 切り
一辺
の小板の 質量を とする.元の 板は 質量 ,重心 .穴に相当する 部分は 重心 なので,残る質量 の重心は
である.穴を
質量は
に戻る. , .小板を水平方向に 移したので,全体の重心の 変位は であり,元の からの変化とも 一致する.
演習 5
質量
時刻
の重心位置と 全運動量を 求めよ. その
時刻にAの 位置が と測定された とき,Bの 位置を 求めよ. 内力が
不明でも(1)が 解ける 理由と,重心を 静止と 置けない 理由を 述べよ.
水平面上のAとBを描き,Aにだけ右向きの外力Fを赤い矢印で示す.
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考え方 2物体の
で加速度は 一定である.初期速度は 全運動量を 全質量で 割った なので, .全運動量は で,外力の力積 だけ増える. 重心の
定義から .したがって
と
内力は
等大逆向きなので 和が0と なるが,Aに 加わる は外力であり打ち消す相手が 系内に ない.また としても, なら重心は 等速で 動く.外力0だけから 重心静止とは 言えない.
ポイント 教える
重心の
定義の 分子と 分母を 別々に 書かせ,物体を 除いた ときの 全質量に 注意させる. 板上の
距離と 地面に 対する 距離を,別の 記号で 説明させる ことが 有効である. 重心が
物体の 外に 出ても よい ことを,曲がった 針金で 確かめる. 外力0なら
等速,さらに 初期運動量0なら 静止,と いう 条件の 順序を 確認させる.