運動を記述する
第3章の章末問題
著者:柚木芹香
この
演習 1
長さ
列車AとBの長さを示し,Bが反対向きの場合と同じ向きの場合を分けて描く.
A,Bの
速さを 求めよ. 反対向きに
すれ違う とき,両列車の 先頭が 並んでから,末尾が 互いに 通り過ぎ終わるまでの 時間を 求めよ. 同じ
向きに 走る とき,Bの 先頭がAの 末尾に 並んでから,Bの 末尾がAの 先頭を 通り過ぎるまでの 時間を 求めよ.
解答を見る
考え方 相手の
A,Bの
反対向きの
とき,Aから 見たBの 速さは で,長さ を で通り過ぎるから .同じ向きの ときは .連立して , .先頭が
並んでから 末尾同士が 離れ終わるまでに,Bの 先頭はAに 対して 進む.よって .同様に
相対的に 進み,相対速度は だから .
演習 2
まっすぐな
道路上のA,P,Cと野原のBを示す.AP=x,AC=D,BC=lである.
所要時間
を表せ. を最小に する と,そのときの 最小時間を 求めよ.必要なら, ( の の場合)と 連鎖律を 使ってよい. AからBまで
野原を 直進する 場合,およびCまで 道路を 走ってから 野原を 垂直に 進む 場合と 比較せよ.
解答を見る
考え方
道路上の
野原での
道のりは だから
微分して,
野原での
野原を
直進すると .Cまで道路を 走る 場合は .最小の が最も 短い.な お,この 最小条件 は,光の屈折の 法則と 同じ 形を している.
演習 3
直線上を
進行方向と反対向きに,問題で与えられた減速度が働く状況を示す.
質点が
止まるまでの 時間を 求めよ. 止まるまでに
進む距離を 求めよ. 減速度が
の場合には,質点は 有限の 時間で 止まるか.また,進む距離の 上限は あるか.
必要なら次の
解答を見る
考え方 式は
連鎖律より
なので, . となる 時刻は .連鎖律より
と書けるから, ,すなわち .左辺は なので .止まる位置は .確認として を で積分しても が得られる. 問題文の
公式より, , を満たすのは である(この形の 方程式の 解が1つに 決まる ことは,空気抵抗の 章で 扱う).これは どんな 有限の でも0にならないので,有限の 時間では 止まらない.距離は と有限で,これが 進む距離の 上限に なる( と の関係は ).
演習 4
水平な
水平な地面の上を,台車が右向きに一定の速さVで走っている.台車の上の点から,台車に対する速さv0で,水平となす角θの向きにボールを投げ出す.台車に対する初速度の矢印と角θ,台車の速度Vの矢印を示す.ボールの軌道と着地点は描かない.
台車から
見た ボールの 運動を 述べ,ボールが 台車の どこに 落ちるか 答えよ. 地面から
見た 初速度の 成分を 書き,投げた 点から 落下点までの,地面に 対する 水平距離 を で表せ. を最大に する について であることを 示せ.必要なら, , ,2倍角の公式 を使ってよい. , のとき, を最大に する と,そのときの を求め, で投げた 場合と 比べよ.
解答を見る
考え方 台車は
台車は
等速なので,台車から 見ても ボールの 加速度は 鉛直下向きに である.したがって台車から 見ると,初速 ,角 のふつうの 放物 運動に なる.滞空 時間 の後,ボールは 台車の 上の,投げた 点から 前方へ の点に 落ちる.この 結果は によらない. 地面から
見た 初速度は .滞空 時間は 同じ なので
は に比例する.連鎖律で
より . で, . では で,少し短い.前へ 走りながら 投げる ときは, より高めに 投げるのが よい.
演習 5
半径
水平な地面を右へ滑らずに転がる半径Rの車輪.中心から右向きに速度v(青)を描き,車輪は時計まわりに角速度v/Rで回る.縁の点は,中心から見て水平右向きから反時計まわりに角θの位置にある.
縁の
点の 地面に 対する 速度の 成分と,速さを で表せ.速さが 最大,最小に なる 点は どこか. 車輪の
後ろ側( )で縁の 点から 泥が 離れ,その 後は 空中を 放物 運動する.泥が 離れる 角 を変える とき,泥の 最高点の 高さ の最大値を で表せ( とする). , では何 m か.
解答を見る
考え方 地面から
中心に
対する 速度は .中心の速度 を加えて .速さは で,最上点( )で最大の ,地面に接する 点( )で最小の である.離れる
位置の 高さは ,上向きの 速度成分は .よって として
演習 6
1 辺
1辺Lの正三角形ABC(Aが左下,Bが右下,Cが上).AはBへ,BはCへ,CはAへ,それぞれ一定の速さvで進む(青い矢印).3匹は対称に,中心Oのまわりを反時計まわりに回りながらOへ近づく軌跡(渦巻き)を描く.Oから頂点までの初めの距離をr0とする.
3 匹が
出会 うまでの 時間と,各虫の 道のりを 求めよ. 中
心Oからの 距離が から まで縮む間に,Oの まわりに 回る 角 を求めよ.出会 うまでの 回転数は 有限か.必要なら, で を使ってよい( は を底と する 対数で, である. の公式で 除いた の場合に あたる).
解答を見る
考え方 対称性から,3 匹は
虫の
進む 向きと,虫からOへの 向きは をなす.Oに 向かう 速さは ,初めの距離は .よって時間は
道のりは
Oの
まわりを 回る 速さは . , を割り算して . から まで積分し, を使うと
演習 7
岸壁の
水面から高さhの岸壁の滑車に綱を通し,綱の一端を一定の速さuで引く(青い矢印).綱のもう一端は水面の小舟につながる.滑車の真下の水面の点Oから舟までの距離をxとする.
舟のOからの
距離が のときの 舟の 速さ と加速度の 大きさ を, で表せ. での と を求めよ.また, が に達する を求めよ.
解答を見る
考え方 滑車から
の両辺を 微分し, を使うと .舟の速さは
さらに
なので , . は . で速さも 加速度も 限りなく 大きくなる.