振動
第7章の章末問題
著者:柚木芹香
単
演習 1
傾斜角
つり合いの
伸び ,周期,最大の伸びを 求めよ. 運動中の
最大速さを 求め,斜面角を 変えると 周期と 最大速さが それぞれどう 変わるか 述べよ.
固定斜面の上端にばねkを固定し,物体mをつなぐ.傾斜角はαで,座標sは斜面下向きに測る.
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考え方 斜面に
. とすれば は に従う. , .初期条件は なので ,最大の伸びは .最大速さは
.斜面角を増やすと 初期の つり合いからの 隔たりが 大きくなるので 最大速さは 増すが,周期は 変わらない.エネルギー式 からも, で速さ最大と 確認できる.
演習 2
距離
つり合い
位置と 周期を 求めよ. 物体を
中央 で静かに 放すときの 振幅を 求めよ.壁に 衝突しない 範囲の を考える.
距離Dの二つの壁と物体mを左のばねk,右のばね3kでつなぐ.各ばねの自然長はl,物体の位置xは左壁から測る.
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考え方 両ばねの
.よって . なら で, となる. ,初速度0だから . では初めから つり合いで 振動しない. では初め右へ, では初め左へ 動く.両側の ばねが あるからと いって,中央が 必ずつり合い 位置に なるわけではない.
演習 3
長さ
切り
替え後の 角振動数と を求めよ. 箱から
見た 最下点での 速さを 求め,箱が 静止したままの 場合と 比べよ.
箱の天井につるした長さLの振り子が初期角aにある.箱の上向き加速度gを橙色で示す.
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考え方 加速する
有効な
下向き加速度は .接線方向に なので . , より .周期は静止時の 倍である.最下点の
速さは .静止時の の 倍になる.切り替え後の 箱の 座標では 一定の 有効重力に 対応する エネルギーを 使えるが,実際の 重力だけで 作った エネルギーを 切り 替え前後に 保存させてはいけない.
演習 4
水平ばねの
切り
替え後の を求めよ. 初めて
原点を 通る 時刻を と逆正接で 表せ.ただし, , を満たす角を と書く(逆正接).
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考え方 減衰因子も
とおく. から , より .
で,最初の零点は 第2象限に ある. . の極限で となり,抵抗なしの 四分の 一周期に 戻る.
演習 5
質量
必要な
外力振幅 を求めよ. 定常
振動の1周期で 抵抗が 失わせる エネルギーと, を使った を求めよ.
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考え方 定常
固有角
振動数での 振幅は なので .速度は外力と 同位相である. より,損失は . , を使うと .この定常 振動では エネルギー は一定に 保たれるので,割合が1を 超えても 矛盾しない.1周期に 蓄積エネルギー以上の 量が 流入し,同量が 散逸する ことを 意味する.
演習 6
質量
を求めよ. での位置と 速度を 求め,全エネルギーを 初期値と 比較せよ.
外側のばねkと結合ばねκの連成系で,左の物体だけをずらす.観測された基準角振動数はΩと3Ωである.
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考え方 基準
, より , . , .指定時刻で両方0,微分して , .エネルギーは .初めは外側の ばねと 結合ばねに が蓄えられ,同じである.
演習 7
鉛直なばね(定数
小球2mを受け皿mに載せた初期状態.破線はばねが自然長のときの受け皿の高さ.
接触中の
と小球が 受ける 抗力 を求め,分離する 振幅の 条件を 述べよ. 分離時の
速さを ,分離後の時間を とする.両者の 位置を 求めよ.受け皿の 単独の 周期を とすると,再衝突が 後となる ために 必要な はいくらか.途中の 接触が ない ことは 位置の 差の グラフで 確認してよい ものとする. , , で を求めよ.位置の 記録から,接触中の 区間を 見分ける 基準も 述べよ.
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考え方 接触中は
とおくと, .小球の式 に全体の 式 を代入して を得る.したがって を上向きに 通過する とき 分離し,条件は である.等号ではその点で 速度も ゼロで,有限時間の 分離は 起こらない.分離時には . , とおけば,受け皿と小球の 位置は
途中を
, , .接触区間は位置も 傾きも 一致する 有限の 区間であり,単に2曲線が 交わる 衝突の 瞬間とは 区別する.この 区間では も必要である. は長さ, は速さの 次元を もち,分離条件とも 整合する.
演習 8
滑らかな
上段は力Fで押す箱.下段は圧縮ばねで押す箱で,自然長の端が通過点に一致する.
一定の
力を 加え続ける 方法と,自然長の 位置が 通過点と なるばねを 圧縮して放す方 法に ついて,必要な 力または ばね定数,到着速度,仕事を 求めよ. 力の
上限のもとで 実行可能と なる 条件と,仕事を 最小に する 力の 時間変化を 求めよ.最小に なる 理由も 説明せよ. , , , で3方法の仕事を 比較せよ.
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考え方 速度の
一定加速では
, , .ばねでは の最初の が だから, .したがって , , .それぞれ最大力 , が 以下である必要が ある. とすると,最大到達距離は .実行可能条件は である.終速度 を固定した 任意の 運動で だから,この上限どおりの グラフが 最大の 距離を 与える.従って 所定の 距離を 最小の で達成する 方法は,時間 まで ,以後ゼロと する 方法である.
一定加速の
仕事は ,ばねは ,最適法は , .各最大力は , , で実行可能である. を限りなく 大きく すると , となり,速度グラフの 面積からの 下限に 一致する.
演習 9
水平に
上から見た図.小片は糸の端を結ぶ線に垂直に動く.押付け力Nは紙面に垂直.
復元力を
と書き, と角振動数 を求めよ. 同行から
滑りに 移る 位置を とする. と振幅 ,次に同行が 始まる 位置を 求めよ. とおき,一周期の 時間を 求めよ.必要なら, , を満たす角を と書いてよい. を増すと 周期は どうなるか. , で, とその2倍の 場合を 比較せよ.
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考え方 同行中は
左右の
糸に よる 力の 和は だから, , .同行に
必要な 摩擦は .限界 より .滑り開始を とすれば ,従って .次に となる 位置は であり,そこで必要な 静止摩擦 は限界内なので 同行に 移る. とすれば,滑りの 位相の 進みは .同行では から まで かかるので,
演習 10
滑らかな
左から壁,A,ばね,B,入射するCの順に並ぶ.
衝突直後のB,Cの
速度,ばねの 最大圧縮量,Aが 壁から 離れるまでの 時間を 求めよ. 離れた
後の 重心速度,相対 運動の 角振動数,最大伸びを 求めよ.壁に 接している 間と 離れた 後で,系A+Bの 保存量は どう 違うか. BがCに
追いつかない ことを,速度の 上限で 確かめよ. , , で最大圧縮量と 最大伸びを 評価せよ.
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考え方 最初の
運動量保存と
相対速度の 反転から , .Aは圧縮ばねから 左向きに 押され,壁に 留まる. とおくと最大圧縮量は ,自然長に戻って 壁から 離れる 時刻は .このとき , .重心速度は
,換算質量は ,相対角振動数は .離脱後の時間を とすると 伸びは で,最大伸びは .壁に接している間は 外からの 力積が ある ため 運動量は 保存しないが,壁の 作用点は 動かず エネルギーは 保存する.離れた 後は 両方が 保存する. .壁から離れるまでにもCとの 間隔は 正となり,以後 縮まらない.また で壁への 再衝突も ない.最大圧縮量は ,最大伸びは .後者が小さいのは 重心 運動に 残る エネルギーが ある ためで,ばねの エネルギーへの 全変換は 起こらない.
演習 11
質量
台Mの最下点の位置Xと球の位置xを地上から測る.初期相対変位はb.
台を
固定した ときの 周期 を求めよ. 自由に
動く ときの 周期 と, の振動中心・振幅を 求めよ. , , で と測定された.台の 質量と 両周期を 求めよ.
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考え方 小
復元力は
,従って . から, , .運動エネルギーの2次までの部分は , である.鉛直速度の2乗は4次の微小量なので 省ける.ポテンシャルは だから
より . , . では台の 振幅が ゼロ, となる.自由な 台では 相対 運動の 慣性が 小さくなる ため周期が 短い.
演習 12
傾斜角
斜面上方の固定点と小片をばねで結ぶ.ベルトは斜面下向きに動く.
小片が
地上に 対して 静止できる 伸び を求めよ. で小片に 下向きの 速度 を与える.ベルトと 同行した 後,伸び で滑り始めた. から を逆算する 式を 求め,その後の 最大伸びと, に初めて 戻る 速さを 求めよ. , , , , , , , で数値を 求めよ.
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考え方 摩擦の
地上で
静止した 小片は ベルトより 遅いため,下向きに 動摩擦を 受ける.従って .同行には
の下向き摩擦が 必要で, .よって . , とおくと,滑り始めから .最大伸びは ,中心に戻る 速さは である.この区間では 速度が より小さいので 動摩擦の 向きは 変わらない. , , .最大伸びは ,中心通過の 速さは . なら振幅は ,通過速さは となる.摩擦に よる 一定力は 中心を 変えるが,角振動数は 変えない.
演習 13
軽い
左側mの下に床へつながるゴムを付ける.右側は2m.
つり合いの
位置 と,ゴムが張っている 区間の 角振動数 を求めよ. から静かに 放す.ゴムが 最初に たるむ時刻・速度,最も 低い 位置を 求めよ. 全周期と,そのうちゴムの
張力が ゼロと なる 時間の 割合を 求めよ. , , で評価せよ.
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考え方 2つの
2つの
運動方 程式から 糸の 張力を 消すと .従って , .張っている間は
. , を満たす角を とおけば,たるみ始めは ,速度は .その後の時間を とすると, だから
張っている
区間の 往復は なので,全周期は ,たるむ時間の 割合は .数値は , ,たるみ始めの 速度は ,最下点は , ,割合は (約60 %).糸の張力は である.全区間で なので張力は 以上で正となり,糸の 拘束と 矛盾しない.時間の 式の 係数は 無次元である.
演習 14
滑らかな
AがBの左側のばねの端に初めて触れた状態.圧縮量δは自然長から短くなった量.
圧縮量
,最大圧縮量,接触時間を求めよ. 接触中の
各台車の 速度と,離れた 後の 速度を 求め,直接の 弾性衝突と 比較せよ. 最大圧縮時に
ばねへ 蓄えられる エネルギーは 入射エネルギーの 何倍か. , , で接触時間と 最大圧縮量を 求めよ.
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考え方 接触中の
換算質量
を使うと . とおけば で, に適用する.最大圧縮量は ,接触時間は .重心速度は
, だから,
離れた
最大の
ばねエネルギーは ,入射エネルギー の である.残りは重心の 運動エネルギーである.数値は , ,最大圧縮量 . で接触時間と 圧縮量は ゼロに 近づくが,終速度は 変わらない.
演習 15
質量
下端を初期位置からbだけ下げる操作.初期には下のゴムは自然長である.
下端を
ゆっくり動かした 場合の おもりの 変位と 仕事 を求めよ. おもりが
動く 暇の ない ほど 短時間に 下端を 動かす極限で,仕事 を求めよ.その 後下端を 固定した ときの を求め, の行方を 説明せよ. , , で仕事の 差と 振動周期を 求めよ.
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考え方 下端の
力の
つり合いは ,従って .手が引く 力は だから, .最終変位は .急操作中は
とみなせるので .固定後は より, , .範囲は で,下のゴムの 伸びは 少なくとも ,上も常に 伸びている.従って 区間途中で 式を 切り 替える 必要は ない.振動エネルギーは である. , ,差は ,周期は . で仕事も 振幅も ゼロと なる.急操作を しても,質量ゼロの ゴムに 有限の 伸びを 与える この 極限では,おもりの 速度に 瞬間的な 跳びは ない.
演習 16
粗い
初期位置4.2dから左へ動き,最初の速度ゼロは−3.0dで観測された.
静止・動摩擦係数
を求めよ. その後の
速度ゼロの 位置を 順に 求め,何回目で 止まり続けるかを 述べよ.初期時刻は 回数に 含めない. 停止までの
時間と 全行程を 求めよ. , , , で評価せよ.
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考え方 滑っている間の
静止の
限界から .初めの半往復の エネルギー収支は だから, ,従って .左向きに
滑る 区間の 振動中心は ,右向きなら .中心に関して 出発点を 反転すると 次の 速度ゼロの 位置に なる.従って , , .最後は なので,3回目で止まり続ける.それ以前は 静止摩擦の 限界を 超える. 各区間は
かかるため,全時間は .全行程は である.数値は , ,時間 ,全行程 . でも同じ 行程と なる.静止後には のばねエネルギーが 残り,全てが 摩擦熱に なるわけではない.