振動
第7章の発展問題
著者:柚木芹香
★4・★5の
演習 1
長さ
エネルギー保存から
周期の 積分 表示を 導け. , と変数変換し, の2次までの補正 を導け. とする.2倍角の 公式 , が1より十分 小さい ときの , を使ってよい. 振れ角3°,10°での
周期増加率を 求めよ.角度は 計算時にradへ直す.
長さLの振り子について転回角θ₀と途中の角θを示す.高さの基準を最下点に置く.周期補正の結果は示さない.
解答を見る
考え方 転回点で
より
と
, .したがって
である.
3°は
で, ,約0.017 %.10°は で,約0.001904,すなわち0.19 %である.力の 小角近似の 誤差 と周期の 誤差は 係数が 異なる.
演習 2
半径
トンネルの
中点から 測る 座標 の運動方 程式を 導け. 反対側の
地表へ達する 時間と 最大速さを 求めよ.直径を 通る 場合と 比べよ.
半径Rの球を弦に沿って貫くトンネル.中心Oとトンネル中点Hの距離がdで,中点から入口に向かって座標sを測る.
解答を見る
考え方 内部の
地球の
質量を とすると,半径 内の質量は .内部の重力加速度は .トンネル方向へ射影して を得る.垂直方向の 力は 案内の 抗力が 打ち消す. 半弦長は
. , と書けるから,反対側への 時間は 半周期 で によらない.最大速さは 中点で .直径の場合の より小さい. , なら所要時間は 約 ,約42分である.実際の地球の 密度 分布には この 一様密度モデルを そのまま 当てはめられない.
演習 3
自由な
対数減衰率
を求め, を で表せ. 転回点から
次の 同方 向転回点までの エネルギー損失割合を 求め,弱い 抵抗で になる ことを 示せ. で厳密値と 近似値を 比較せよ.
解答を見る
考え方 転回点では
だから .逆に .弱い抵抗なら である. より .損失割合は である. が十分 大きい 場合, , なので を得る.近似には1周期での 損失が 小さい ことが 必要と なる. ,厳密値は ,約27.0 %.近似値は ,約31.4 %である.周期の変化が 小さくても,指数関数を1次で 打ち切る 誤差は 無視できるとは 限らない.
演習 4
右
初め台車を
初めは小球が斜面上の高さAにあり,台車を固定している.ばねは常に鉛直.
斜面に
接している間の と抗力 を求め,離脱時刻を 求めよ. 離脱時の
水平・ 鉛直速度を 求め,離脱後の 位置を 表せ.ばねは 離脱後も 小球に つながっている. 再び斜面に
触れるかを 判定し,鉛直位置の 時間グラフの 接続の 特徴を 述べよ. , , , , で,離脱時刻・速度・離脱後の鉛直振幅を 求めよ.
解答を見る
考え方 重力とばね力の
斜面上
向きの 距離を とすれば .接線方向の式は である.従って とおくと ,初期条件から
法線方向には
で
接触中は
だから,離脱時の速度は , .位置は原点であり,離脱後の 時間を とすると,
水平方向には
小球の
鉛直位置と,同じ にある 斜面の 高さとの 差は
数値は
演習 5
水平な
搬送台の
枠Mの中の測定子mとばねを示す.下段は台に指定した加速度であり,測定結果ではない.
地上での
運動方 程式から の式を 導き, の記録 を求めよ.記録から 台の 加速度を 復元する 式も 示せ. 台の
速度を 全区間で 表し, までの移動距離を 求めよ. 最初の
区間で,台が 加速度計全体(枠・ 測定子・ばね)に した 仕事を 求めよ.枠を 固定せず摩擦だけで 載せる 場合,最初の 区間で 滑らない 静止摩擦係数の 条件を 求めよ. , , , , で, ,移動距離,仕事,摩擦係数の下限を 求めよ.
解答を見る
考え方 測定子の
測定子に
働く 水平力は だけなので .従って
慣性力と
速度は
順に , , である.各区間の距離は だから,全距離は .速度は常に 非負なので 変位と 道のりは 等しい. 台が
枠に 及ぼす力を とすると,枠の 式は ,従って .最初の区間では である.台の仕事は 作用点である 枠の 速度 を用いて
終点では
固定を
,全距離 ,仕事 , . なので記録の 振幅は 順に である.仕事の各項は 質量×速さの2乗の 次元を もち, なら振動・ 移動・ 仕事が 全て ゼロに なる.
演習 6
下り
まず
板のつり合い位置を描く.Aは右下へ進み,その後Bが左上へ進む.
各板にAが
与える エネルギーから,Bが 上り続けられる ための の必要条件を 予測せよ. Aの
入射速さ ,衝突間隔 ,水平速度,板の振動振幅を 求めよ. Bの
衝突間隔を とする.同じ位相で 当たる ための の条件,Bの 衝突前後の 鉛直速度,衝突直前に 板が 持つべき 速度 を求めよ.振動板が その 速度を とれる 条件も 述べよ. , , , , とする.板の 周期を とする を選び, で上る 運動が 可能かを 位相まで 含めて 確かめよ.
解答を見る
考え方 球が
Aは
毎回 同じ 速度で 入射するので,一段 下る 間に 減る 重力の エネルギー を,各板に渡している.Bは 一段に つき を得なければならない.各板に 蓄えられた 振動エネルギーを 全て 受け取っても なので,必要条件は である.これは十分条件とは 限らない. Aの
衝突直後の 鉛直速度は ,板は .次の衝突までに 高さが 下がるから ,従って
Aが
上の 板から 下の 板へ 進むのに ,Bが下の 板から 上の 板へ 進むのに かかる.したがってBが出会う板の「Aの 通過からの 経過時間」は 一段ごとに 増える.同じ位相の 条件は
同じ
弾性衝突の
, , , . にするには .板の振幅は . は の位相条件を 満たす. から で,必要な速度を 実現できる.例えば を満たす位相 に当たるよう,Bの 投射時刻と 位置を 選べばよい.全ての 板に 同じ位相で 当たる.
Bは
演習 7
質量
浮力の
変化と 運動方 程式を, の項まで 求めよ. 先頭の
小振動周期を 求めよ.さらに 振幅尺度 に対し が十分 小さい とき, の形を 代入し, を決めよ.基本 振動の 余弦・正弦の 追加項は と時刻原点へ 吸収する. 周期平均した
位置が つり合い 位置から ずれる 理由を 説明せよ.
水面近くで上ほど太くなる浮ひょう.つり合い水面の断面積S₀,物体に固定した上向き座標z,下向き変位yを示す.
解答を見る
考え方 押し下げると
水面が
物体座標で に移るので,排除体積の 増分は .つり合い時の浮力は だから
である.負の
, .式を とし,右辺には 先頭解だけを 入れる.右辺は .左辺の補正項は なので , となる.この 次数では 基本周波数の 補正は 必要ない. 平均は
. なら下へ 押した側で 復元力が 強くなる ため,運動は 上側に 偏る.平均の 運動方 程式からも , として 同じ 結果に なる.断面積の 式が 有効な 範囲を 往復し,常に であることが必要である.
演習 8
吸収される
平均仕事率 を求め,最大と なる 角振動数を 示せ. が最大値の 半分に なる2つの 正の 角振動数 を求め,幅 と の関係を 導け. 変位振幅の
最大点と 比べ,幅を「振幅が 半分に なる幅」と 呼べない 理由を 述べよ.
物体mをばねkと抵抗装置bにつなぎ,外力F₀ cos ωtの角振動数ωを変える.応答曲線や共鳴幅の解答は図示しない.
解答を見る
考え方 定常状態で
変位振幅
より
である.最後の
半値条件は
.低い方では ,高い方では なので
と
変位の
最大点は で,これは のときだけ正の 値を もつ.仕事率の 半値は 速度振幅の 倍に対応する.弱い 抵抗で 共鳴付近の をほぼ 一定と みなす 場合に 限り,変位振幅の 倍の幅にも 近似できる.変位振幅が 半分と なる 幅は 別の 量である.