問いしるべ
問いから始める物理 万有引力と天体

万有引力と天体

第10章の章末問題

著者:柚木芹香

円運動,保存則,球対称な天体の重力を使い,観測値からの質量の推定,微弱な力,放出や捕獲による軌道の変化を調べます.中心距離と保存する量を選び,特に断らない限り天体の自転・空気抵抗・他天体の引力を無視し,探査機の質量は天体に比べて無視できるものとします.数値計算では G=6.67×10−11m3kg−1s−2 を使います.

演習 1

オリジナル ★★☆☆☆

半径 R=2.00×106m の惑星を回る探査機について,近点高度 hp=1.00×106m,遠点高度 ha=7.00×106m,周期 T=2.40×104s が測定されました.

  1. 軌道の長半径と惑星の質量を求めてください.

  2. 半径と高度が正確で,周期だけが真値より1.0 %大きく測定されたとします.推定質量のずれを厳密な比と一次近似で示してください.

惑星を焦点とする楕円と近点・遠点.高度は表面から,距離は中心から測ることを示す. 惑星を焦点とする楕円と近点・遠点.高度は表面から,距離は中心から測ることを示す.
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考え方 高度をそのままケプラーの第3法則に代入せず,中心からの距離に直す.

  1. rp=R+hp=3.00×106m,ra=R+ha=9.00×106m なので,a=(rp+ra)/2=6.00×106m.周期の式から

M=4π2a3GT2=2.22×1023kg.

a3/(GT2) の単位は質量になる.

  1. 推定値と真値の比は Mest/Mtrue=(1.010)−2=0.980296….したがって約1.97 %小さく出る.一次近似では ΔM/M≈−2ΔT/T=−0.020,すなわち約2.0 %の過小評価である.周期が長いほど,同じ軌道を保つ引力は弱いという向きとも一致する.

演習 2

オリジナル ★★☆☆☆

自転も大気もない球形天体AとBの平均密度が,それぞれ ρA=3.00×103kgm−3,ρB=1.20×104kgm−3 です.表面すれすれを回る質点衛星を考えます.

  1. 周期を平均密度で表し,半径が消える理由を説明してください.

  2. A,Bの周期とその比を計算してください.

大きさの異なる球形天体A,Bと表面直上の円軌道.半径と平均密度を記す. 大きさの異なる球形天体A,Bと表面直上の円軌道.半径と平均密度を記す.
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考え方 円運動の周期に M=4πρR3/3 を入れる.内部が一様でなくても,球対称なら平均密度でよい.

  1. T=2πR3/(GM)=3π/(Gρ).同じ密度で半径を増やすと質量も R3 に比例して増すため,周期に含まれる R3/M は変わらない.Gρ の単位は s−2 である.

  2. TA=6.86×103s,TB=3.43×103s,TB/TA=0.500.密度が4倍なら周期は半分になる.これはニュートン力学の模型であり,極端に高密度な天体に無条件で外挿する式ではない.

演習 3

オリジナル ★★☆☆☆

未知の惑星の半径を R,表面の重力加速度を g とする.高度 R の円軌道を回る衛星の周期が T と観測された.

  1. R と惑星の質量 M を g,T,G で表せ.

  2. 惑星の平均密度を求め,g に依存するか調べよ.

惑星の半径R,円軌道の半径2R,観測周期Tを示す. 惑星の半径R,円軌道の半径2R,観測周期Tを示す.
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考え方 軌道半径は 2R である.表面重力と円運動の2式から GM を消し,次に質量を体積で割る.

  1. GM=gR2 と T2=4π2(2R)3/(GM) より T2=32π2R/g.よって R=gT2/(32π2),M=gR2/G=g3T4/(1024π4G).

  2. ρ¯=3M/(4πR3)=3g/(4πGR) に代入して ρ¯=24π/(GT2).g は消える.表面から何半径分上かという軌道の相対的な大きさが分かれば,周期は平均密度を決める.密度分布が内部で一様である必要はなく,球対称なら外部重力に全質量だけが現れる.

演習 4

オリジナル ★★★☆☆

2機の衛星A,Bが同一平面で同方向に円運動する.軌道半径は r,4r,Aの周期は T である.初め両衛星は中心天体から同じ方向に見える.

  1. 再び同じ方向に並ぶまでの最短時間を求めよ.

  2. その間に各衛星が回る角度と,衛星間の最小・最大距離を求めよ.

半径rと4rの円軌道上で,両衛星は初め同じ方向に見える. 半径rと4rの円軌道上で,両衛星は初め同じ方向に見える.
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考え方 最接近は相対角が1周するごとに起こる.外側の公転周期を出した後,角速度の差を用いる.

  1. TB=43/2T=8T.相対角速度は 2π/T−2π/(8T)=7π/(4T) だから,最短時間は 2π/{7π/(4T)}=8T/7.

  2. 角度はAが 16π/7,Bが 2π/7 で,差は 2π.相対角を ϕ とすれば,衛星間距離は s2=r2+16r2−8r2cos⁡ϕ.最小は 3r,最大は 5r である.同じ方向に並んでも半径が違うため衝突しない.この計算は中心天体の質量や衛星の質量を数値で知らなくても行える.

演習 5

オリジナル ★★★☆☆

半径 R,質量 M の天体の表面から,物体を局所水平となす角 α(0<α<π/2) で速さ GM/R により打ち出す.

  1. 外部軌道の長半径と角運動量を求めよ.

  2. 最大の中心距離を求めよ.その点で速さは0か.

局所水平から角αだけ外向きに初速度を与える.その後の軌道は示さない. 局所水平から角αだけ外向きに初速度を与える.その後の軌道は示さない.
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考え方 初速の大きさからエネルギーを,接線成分から角運動量を別々に求める.角運動量が0でなければ最高点でも接線速度が残る.

  1. E=−GMm/(2R) だから a=R.L=mRGM/Rcos⁡α=mGMRcos⁡α.

  2. L2=GMm2a(1−e2) より e=sin⁡α.したがって ra=R(1+sin⁡α).遠点の速さは va=L/(mra)=GM/Rcos⁡α/(1+sin⁡α)>0 である.計算上の近点 R(1−sin⁡α) は天体内にあるが,実際の運動は上昇して遠点を通り,表面に戻るまでで終わる.楕円全体を貫通する軌道と解釈してはいけない.

演習 6

オリジナル ★★★☆☆

半径 r の円軌道を動く質量 m の衛星が,ごく弱い抵抗を受け,常に円に近い軌道のまま半径 r/2 まで下がる.両軌道とも地表より外側にある.

  1. 失われた力学的エネルギーと,運動・位置エネルギーの変化を求めよ.

  2. 角運動量の変化率と速さの比を求め,抵抗があるのに速さが増す理由を説明せよ.

初めの半径rと後の半径r/2を示す.途中の経路や速度は示さない. 初めの半径rと後の半径r/2を示す.途中の経路や速度は示さない.
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考え方 短時間の抵抗による減速と,長時間かけて到達する低い円軌道の速さは別に比較する.両端の円軌道の状態量を使う.

  1. Ei=−GMm/(2r),Ef=−GMm/r より,失われた量は GMm/(2r).K=GMm/(2r) なので ΔK=GMm/(2r),U=−GMm/r より ΔU=−GMm/r.和は ΔE=−GMm/(2r) になる.

  2. L=mGMr より Lf/Li=1/2,相対変化は (Lf−Li)/Li=1/2−1.速さは vf/vi=2.落下によって減った位置エネルギーの一部が運動エネルギーへ移り,残りが散逸する.エネルギーが減ることは,運動エネルギーだけが減ることを意味しない.

演習 7

オリジナル ★★★☆☆

一様な球の半径を R,表面重力を g とする.中心から距離 d<R の所を通る滑らかな直線トンネルの片端Aから,物体を静かに放す.

  1. 反対側Bまでの時間を求めよ.

  2. 最大速度と壁からの垂直抗力を求めよ.

弦ABの中点Cと球の中心Oの距離はdである. 弦ABの中点Cと球の中心Oの距離はdである.
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考え方 トンネルの中点Cを原点にして,重力をトンネルに沿う方向と垂直方向へ分解する.壁の抗力は仕事をしない.

  1. 位置を (x,d) と書くと重力は −mg(x,d)/R.沿う方向には x¨=−(g/R)x だから,角振動数は g/R.AからBまでは半周期で t=πR/g.d によらない.

  2. 振幅は R2−d2 なので vmax=g(R2−d2)/R.垂直方向の加速度は0だから N=mgd/R.これは途中でも一定である.d→R で距離も速度も0へ近づくが,有限の短い弦について所要時間は同じである.d=R そのものでは入口と出口が一致し,移動という設定が退化する.

演習 8

オリジナル ★★★☆☆

質量 M の惑星から中心距離 D に,半径 s,密度 ρ の小さな一様球がある.s/D は十分小さい.小球の中心とともに落下する回転しない座標系を用いる.

  1. 惑星側の表面での潮汐加速度を求めよ.

  2. それが小球自身の表面重力と等しくなる D を求めよ.これを実在天体の厳密な破壊距離と呼べるか.

惑星Mと密度ρの小球の中心距離はD.小球の半径はsである. 惑星Mと密度ρの小球の中心距離はD.小球の半径はsである.
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考え方 外部重力の差を自己重力と比較する.球全体の引力による共通の並進加速度は差し引く.

  1. GM/(D−s)2−GM/D2≈2GMs/D3.中心から惑星側へ引き離す向きである.

  2. 小球の質量は 4πρs3/3 なので,自己重力は 4πGρs/3.等置して D3=3M/(2πρ),よって D=(3M/(2πρ))1/3.この比較では小球の大きさ s が消える.ただし球の変形,内部の強度,自転,軌道に伴う回転の影響を扱っていないため,これは引き離しの起こりやすさの目安であり,厳密な破壊距離ではない.また得た距離で s/D が十分小さいか確認する必要がある.

演習 9

オリジナル ★★★☆☆

ばね秤につるした小さい試験質量 m の真下に,密度 ρ=8.00×103kgm−3,半径 a の一様な球を置きます.試験質量から球表面までのすき間は d=0.0200m です.球を遠ざけたときとの力の差の測定不確かさを ηmg,η=1.00×10−8,g=9.80ms−2 とします.幾何と密度の誤差は無視します.

  1. 球による力と,その測定から求める G の相対不確かさを表してください.

  2. 相対不確かさを δ=0.100 以下にする最小の a と球質量を求めてください.設計値として冒頭の G を使います.

  3. η を半分にしたときの必要質量を計算し,すき間を無視する近似と比較してください.

秤の試験質量とその下の球.中心までの距離a+dと表面のすき間dを区別する. 秤の試験質量とその下の球.中心までの距離a+dと表面のすき間dを区別する.
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考え方 秤の誤差は元の重さに対して与えられている.測りたい小さな引力に対する誤差とは異なる.

  1. 球の質量 M=4πρa3/3 より F=GmM/(a+d)2.求める相対不確かさは ηmg/F であり,m は消える.

  2. 必要条件は

a3(a+d)2≥C,C=3ηg4πGρδ=0.438m.

左辺は a>0 で単調増加するので,等号の正の根が最小半径である.数値的に a=0.476m,M=3.62×103kg.C が長さであることも確かめられる.

  1. C が半分になるので,根は a=0.255m,M=5.55×102kg.必要質量は元の約0.154倍となる.d=0 なら a=C,M∝η3 なので0.125倍だが,有限のすき間が改善効果を弱める.d→0 の極限でこの立方則に戻る.

演習 10

オリジナル ★★★☆☆

母船が中心天体のまわりを半径 r=8.00×106m の円軌道で回っています.GM=4.00×1014m3s−2 とし,質量 m=40.0kg の観測機を長さ l=80.0m の軽い綱でつなぎます.母船の質量は観測機に比べて十分大きく,その軌道の変化を無視します.

  1. 綱が半径方向で,観測機が外側または内側にあり,母船と同じ角速度で円運動するときの張力を求め,l/r の一次まで近似してください.

  2. 両者が同一半径の円上で少し離れ,綱が弦に沿う場合,同じ角速度で綱を張ったまま定常運動できますか.両者の相互引力は無視します.

内側・外側の半径方向の綱と,同一半径の弦に沿う綱を別々に示す. 内側・外側の半径方向の綱と,同一半径の弦に沿う綱を別々に示す.
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考え方 回転系の見かけの力は使わず,慣性系で必要な向心加速度と実際の引力を比べる.ω2=GM/r3 である.

  1. 外側では引力と張力がともに内向きなので

Tout=m[ω2(r+l)−GM(r+l)2].

内側では張力は外向きなので

Tin=m[GM(r−l)2−ω2(r−l)].

(1±l/r)−2≈1∓2l/r と展開すると,どちらも T≈3mGMl/r3=7.50×10−3N.引力の差だけの係数2に,必要な向心加速度の差の係数1が加わる.厳密には内側の張力がわずかに大きい.l→0 なら張力も0になる.

  1. 同一半径では各々の引力だけで必要な向心加速度が足りる.弦方向の正の張力を加えると,接線方向にも加速度が生じて定常な等角速度運動を保てない.張力0なら同じ円軌道上の一定の位相差を保てるので,綱は引っ張る必要がない.

演習 11

オリジナル ★★★☆☆

外部の支えで固定された球形天体A,Bの中心間距離を D=1.00×107m とします.Aの半径は 5.00×105m,Bの半径は b=2.00×105m,GMB=1.00×109m3s−2,MA=qMB です.AのB側表面から,質点探査機を中心線に沿ってBへ打ち出し,以後は推進しません.

  1. A中心からの距離 x での単位質量当たりのポテンシャルと,その極大点を求めてください.

  2. Bの手前側表面への衝突速度の下限を,q=4.00 と q=9.00 について計算してください.下限が有限時間で実現できるかも説明してください.

固定した二天体と中心線上の座標x,間隔D,Bの半径b. 固定した二天体と中心線上の座標x,間隔D,Bの半径b.
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考え方 Bまで届くには,途中のポテンシャルの山を越す必要がある.Bだけの脱出速度で決めてはいけない.

  1. 天体の間では Φ(x)=−GMB[q/x+1/(D−x)].Φ′(x)=0 より x∗=Dq/(1+q).また Φ″(x)<0 なので極大で,Φ∗=−GMB(1+q)2/D.両例とも極大点は天体の外にある.

  2. 単位質量当たりの全エネルギーを Φ∗ に上から近づけると

vinf=2GMB[qD−b+1b−(1+q)2D].

q=4.00 では 95.0ms−1,q=9.00 では 92.9ms−1.括弧は長さの逆数なので平方根は速度になる.山頂と同じエネルギーでは,山頂へ近づく速さが0に近づき,通過に無限の時間がかかる.したがって実際に到達する速度はこの下限より大きい.b/D→0 ならBの表面脱出速度 2GMB/b に近づく.

演習 12

オリジナル ★★★☆☆

半径 r=7.00×106m のほぼ円軌道を回る質量 m=20.0kg,正面断面積 S=0.400m2 の衛星を考えます.GM=4.00×1014m3s−2 です.軌道付近には密度 ρd=2.00×10−12kgm−3 の微粒子群があり,遭遇時の粒子速度は天体に対して0とする理想模型を使います.衛星は粒子を吸収した直後,衛星に対する平均相対速度0で放出し,質量を一定に保ちます.粒子群の長期的な維持機構は扱いません.

  1. 抵抗力を求めてください.

  2. 1周当たりの平均軌道半径と円軌道速度の変化を一次近似で求め,数値を評価してください.抵抗が弱く,長期的には円軌道の系列として扱えるとします.

  3. S を2倍にするとどうなりますか.抵抗があるのに速度が増す理由も説明してください.

円軌道上の衛星が断面積Sで微粒子を取り込み,共動速度で放出する局所模型. 円軌道上の衛星が断面積Sで微粒子を取り込み,共動速度で放出する局所模型.
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考え方 一瞬の減速と,長時間で低い軌道へ移った後の円軌道速度を区別する.

  1. 取込率は m˙d=ρdSv.静止粒子を速度 v にする運動量が必要で,放出の追加推力は0だから F=m˙dv=ρdSv2.v=GM/r=7.56×103ms−1 より F=4.57×10−5N で,向きは運動と逆である.

  2. E=−GMm/(2r),E˙=−Fv から r˙=−2ρdSGMr/m.1周期 2πr/v を掛けると

Δr≈−4πρdSr2m=−24.6m,Δv≈−v2rΔr=1.33×10−2ms−1.

|Δr|/r=3.52×10−6 なので,1周での小変化の近似に矛盾しない.

  1. この近似内では抵抗も両変化量も2倍になる.低い円軌道では位置エネルギーの減少が運動エネルギーの増加を上回り,全エネルギーは減る.抵抗による瞬間の接線加速度は負でも,円軌道系列の速度変化は正である.ρd→0 で変化はすべて0に戻る.

演習 13

オリジナル ★★★☆☆

質量 M の中心星のまわりを,衛星が半径 r0 の円軌道で回っています.中心星の質量が一瞬で (1−f)M に変わりました.0≤f<1 とし,中心星は反跳せず,放出物の引力や衛星との衝突も無視する模型です.

  1. 変化直後の単位質量当たりのエネルギーを求め,束縛と脱出の境界を決めてください.

  2. 束縛されるときの長半径,離心率,近点・遠点距離を求めてください.

  3. f=0.200,r0=1.00×107m のときに数値を評価してください.

質量変化の直前と直後に,同じ位置・速度をもつ衛星と中心星.変化後の軌道は描かない. 質量変化の直前と直後に,同じ位置・速度をもつ衛星と中心星.変化後の軌道は描かない.
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考え方 衛星に力積を与えないので位置と速度は連続だが,ポテンシャルは変わる.

  1. v02=GM/r0 のままであり,ε=v02/2−G(1−f)M/r0=(f−1/2)GM/r0.f<1/2 なら楕円,f=1/2 なら放物線,f>1/2 なら双曲線である.

  2. ε=−G(1−f)M/(2a) より a=(1−f)r0/(1−2f).減少後の円軌道速度より現在の速度が大きいので,現在位置は近点である.rp=r0=a(1−e) から e=f/(1−f),ra=a(1+e)=r0/(1−2f).

  3. a=1.33×107m,e=0.250,rp=1.00×107m,ra=1.67×107m.f=0 なら円に戻り,f→1/2 の下側極限では遠点が無限遠へ向かう.a,rp,ra は長さ,e は無次元である.

演習 14

オリジナル ★★★☆☆

半径 R=6.00×105m,GM=2.40×1011m3s−2 の天体へ,探査機が放物線軌道で接近します.近点は中心から rp=8.00×105m です.そこで短時間の逆噴射を行い,同じ半径の円軌道へ移ります.排気速度は機体に対して u=1.50×103ms−1 で一定です.

  1. 必要な速さの減少量を求めてください.

  2. 噴射前の全質量に対する消費燃料の割合を求めてください.噴射中の位置変化と重力の力積を無視します.

放物線から半径rpの円へ移る近点と,進行方向への排気. 放物線から半径rpの円へ移る近点と,進行方向への排気.
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考え方 まず軌道が要求する速度差を決め,次に質量変化を伴うロケットの式に入れる.

  1. 放物線のエネルギーは0なので vp=2GM/rp=775ms−1.円軌道速度は vc=GM/rp=548ms−1.したがって Δv=(2−1)GM/rp=227ms−1 の減速が必要である.

  2. Δv=uln⁡(mi/mf) より,燃料割合は 1−mf/mi=1−exp⁡(−Δv/u)=0.140,約14.0 %である.指数は無次元で,u→∞ なら必要燃料割合は0に近づく.噴射は接線方向であり,円軌道に入る瞬間に動径速度を消す追加操作は要らない.