万有引力と天体
第10章の章末問題
著者:柚木芹香
円
演習 1
半径
軌道の
長半径と 惑星の 質量を 求めてください. 半径と
高度が 正確で,周期だけが 真値より1.0 %大きく 測定された とします.推定質量の ずれを 厳密な 比と 一次 近似で 示してください.
惑星を焦点とする楕円と近点・遠点.高度は表面から,距離は中心から測ることを示す.
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考え方 高度を
, なので, .周期の式から
推定値と
真値の 比は .したがって約1.97 %小さく 出る.一次近似では ,すなわち約2.0 %の 過小評価である.周期が 長いほど,同じ 軌道を 保つ 引力は 弱いと いう 向きとも 一致する.
演習 2
自転も
周期を
平均密度で 表し,半径が 消える 理由を 説明してください. A,Bの
周期と その 比を 計算してください.
大きさの異なる球形天体A,Bと表面直上の円軌道.半径と平均密度を記す.
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考え方 円
.同じ密度で半径を 増やすと 質量も に比例して 増すため,周期に 含まれる は変わらない. の単位は である. , , .密度が4倍なら周期は 半分に なる.これは ニュートン力学の 模型であり,極端に 高密度な 天体に 無条件で 外挿する 式ではない.
演習 3
未知の
と惑星の 質量 を で表せ. 惑星の
平均密度を 求め, に依存するか 調べよ.
惑星の半径R,円軌道の半径2R,観測周期Tを示す.
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考え方 軌道半径は
と より .よって , . に代入して . は消える.表面から 何半径分上かと いう 軌道の 相対的な 大きさが 分かれば,周期は 平均密度を 決める.密度分布が 内部で 一様である 必要は なく,球対称なら 外部重力に 全質量だけが 現れる.
演習 4
2機の
再び同じ
方向に 並ぶまでの 最短時間を 求めよ. その間に
各衛星が 回る 角度と,衛星間の 最小・ 最大距離を 求めよ.
半径rと4rの円軌道上で,両衛星は初め同じ方向に見える.
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考え方 最接近は
.相対角速度は だから,最短時間は .角度はAが
,Bが で,差は .相対角を とすれば,衛星間距離は .最小は ,最大は である.同じ方向に 並んでも 半径が 違うため衝突しない.この 計算は 中心天体の 質量や 衛星の 質量を 数値で 知らなくても 行える.
演習 5
半径
外部軌道の
長半径と 角運動量を 求めよ. 最大の
中心距離を 求めよ.その点で 速さは0か.
局所水平から角αだけ外向きに初速度を与える.その後の軌道は示さない.
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考え方 初速の
だから . . より .したがって .遠点の速さは である.計算上の近点 は天体内に あるが,実際の 運動は 上昇して 遠点を 通り,表面に 戻るまでで 終わる.楕円全体を 貫通する 軌道と 解釈してはいけない.
演習 6
半径
失われた
力学的エネルギーと,運動・位置エネルギーの 変化を 求めよ. 角
運動量の 変化率と 速さの 比を 求め,抵抗が あるのに 速さが 増す理由を 説明せよ.
初めの半径rと後の半径r/2を示す.途中の経路や速度は示さない.
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考え方 短時間の
, より,失われた量は . なので , より .和は になる. より ,相対変化は .速さは .落下によって 減った 位置エネルギーの 一部が 運動エネルギーへ 移り,残りが 散逸する.エネルギーが 減る ことは,運動エネルギーだけが 減る ことを 意味しない.
演習 7
一様な
反対側Bまでの
時間を 求めよ. 最大速度と
壁からの 垂直抗力を 求めよ.
弦ABの中点Cと球の中心Oの距離はdである.
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考え方 トンネルの
位置を
と書くと 重力は .沿う方向には だから,角振動数は .AからBまでは半周期で . によらない. 振幅は
なので .垂直方向の加速度は0だから .これは途中でも 一定である. で距離も 速度も0へ 近づくが,有限の 短い 弦に ついて 所要時間は 同じである. そのものでは 入口と 出口が 一致し,移動と いう 設定が 退化する.
演習 8
質量
惑星側の
表面での 潮汐加速度を 求めよ. それが
小球自身の 表面重力と 等しくなる を求めよ.これを 実在天体の 厳密な 破壊距離と 呼べるか.
惑星Mと密度ρの小球の中心距離はD.小球の半径はsである.
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考え方 外部重力の
.中心から 惑星側へ 引き離す 向きである. 小球の
質量は なので,自己重力は .等置して ,よって .この比較では 小球の 大きさ が消える.ただし球の 変形,内部の 強度,自転,軌道に 伴う回転の 影響を 扱っていないため,これは 引き離しの 起こりやすさの 目安であり,厳密な 破壊距離ではない.また 得た 距離で が十分 小さいか 確認する 必要が ある.
演習 9
ばね秤に
球に
よる 力と,その 測定から 求める の相対不確かさを 表してください. 相対不確かさを
以下にする 最小の と球質量を 求めてください.設計値と して 冒頭の を使います. を半分に した ときの 必要質量を 計算し,すき間を 無視する 近似と 比較してください.
秤の試験質量とその下の球.中心までの距離a+dと表面のすき間dを区別する.
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考え方 秤の
球の
質量 より .求める相対不確かさは であり, は消える. 必要条件は
左辺は
が半分に なるので,根は , .必要質量は元の 約0.154倍と なる. なら , なので0.125倍だが,有限のすき間が 改善効果を 弱める. の極限で この 立方則に 戻る.
演習 10
母船が
綱が
半径方向で,観測機が 外側または 内側に あり,母船と 同じ 角速度で 円運動する ときの 張力を 求め, の一次まで 近似してください. 両者が
同一半径の 円上で 少し 離れ,綱が 弦に 沿う 場合,同じ 角速度で 綱を 張ったまま 定常 運動できますか.両者の 相互引力は 無視します.
内側・外側の半径方向の綱と,同一半径の弦に沿う綱を別々に示す.
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考え方 回転系の
外側では
引力と 張力が ともに 内向きなので
内側では
同一半径では
各々の 引力だけで 必要な 向心加速度が 足りる.弦方向の 正の 張力を 加えると,接線方向にも 加速度が 生じて 定常な 等角速度 運動を 保てない.張力0なら 同じ 円軌道上の 一定の 位相差を 保てるので,綱は 引っ張る 必要が ない.
演習 11
外部の
A中
心からの 距離 での単位質量当たりの ポテンシャルと,その 極大点を 求めてください. Bの
手前 側表面への 衝突速度の 下限を, と について 計算してください.下限が 有限時間で 実現できるかも 説明してください.
固定した二天体と中心線上の座標x,間隔D,Bの半径b.
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考え方 Bまで
天体の
間では . より .また なので極大で, .両例とも極大点は 天体の 外に ある. 単位質量当たりの
全エネルギーを に上から 近づけると
演習 12
半径
抵抗力を
求めてください. 1周当たりの
平均軌道半径と 円軌道速度の 変化を 一次近似で 求め,数値を 評価してください.抵抗が 弱く,長期的には 円軌道の 系列と して 扱えるとします. を2倍にすると どうなりますか.抵抗が あるのに 速度が 増す理由も 説明してください.
円軌道上の衛星が断面積Sで微粒子を取り込み,共動速度で放出する局所模型.
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考え方 一瞬の
取込率は
.静止粒子を速度 にする 運動量が 必要で,放出の 追加推力は0だから . より で,向きは運動と 逆である. , から .1周期 を掛けると
この
近似内では 抵抗も 両変化量も2倍に なる.低い 円軌道では 位置エネルギーの 減少が 運動エネルギーの 増加を 上回り,全エネルギーは 減る.抵抗に よる 瞬間の 接線加速度は 負でも,円軌道系列の 速度変化は 正である. で変化は すべて0に 戻る.
演習 13
質量
変化直後の
単位質量当たりの エネルギーを 求め,束縛と 脱出の 境界を 決めてください. 束縛される
ときの 長半径,離心率,近点・遠点距離を 求めてください. , のときに 数値を 評価してください.
質量変化の直前と直後に,同じ位置・速度をもつ衛星と中心星.変化後の軌道は描かない.
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考え方 衛星に
のままであり, . なら楕円, なら放物線, なら双曲線である. より .減少後の円軌道速度より 現在の 速度が 大きいので,現在位置は 近点である. から , . , , , . なら円に戻り, の下側極限では 遠点が 無限遠へ 向かう. は長さ, は無次元である.
演習 14
半径
必要な
速さの 減少量を 求めてください. 噴射前の
全質量に 対する 消費燃料の 割合を 求めてください.噴射中の 位置変化と 重力の 力積を 無視します.
放物線から半径rpの円へ移る近点と,進行方向への排気.
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考え方 まず
放物線の
エネルギーは0なので .円軌道速度は .したがって の減速が 必要である. より,燃料割合は ,約14.0 %である.指数は無次元で, なら必要燃料割合は0に 近づく.噴射は 接線方向であり,円軌道に 入る 瞬間に 動径速度を 消す追加操作は 要らない.