万有引力と天体
球対称な質量分布と潮汐の演習
著者:柚木芹香
球殻の
演習 1
質量
P,Qで
働く 重力を 求めよ. 無限遠基準の
位置エネルギーを 各点で 求め,殻の 内部で 重力が0なのに 位置エネルギーが0でない 理由を 述べよ.
Pは中心距離R/2,Qは中心距離2Rにある.
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考え方 球殻の
Pでは
重力は0.Qは 殻の 外なので,全質量を 中心に 置いた ものと 同じに なり,大きさ の中心向きの 力が 働く.近い側の 殻だけを 見て 判断せず,殻全体の 寄与を 足す必要が ある. Qでは
.殻内部では一定で,表面の 値に つながるので .内部の2点間では仕事は0だが,内部から 無限遠へ 運ぶには 殻の 外側で 正の 仕事が 必要である.そのため無限遠基準では 内部の 値は 負に なる.位置エネルギーの0点を 別に 選んでも 力は 変わらないが,この 問題では 無限遠を0と 指定している.
演習 2
半径
深さ
での重力加速度を 求めよ. 球の
外で これと 同じ 重力加速度に なる 高度を 求めよ.
地中の点は深さR/4にあり,外部の点の高度hは未知である.
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考え方 内部では
深さ
は中心距離 に対応する.内側の 質量は であり, .したがって となる.もし なら約 である.外部の
中心距離を とすれば, だから .求める高度は である.内部の深さと 外部の 高度は 等しくない.一様な 球では 地表で 重力が 最大と なるので,最大値より 小さい 重力に 対応する 位置は,通常は 内外に1つずつ 存在する.
演習 3
一様な
運動の
周期と 最大速度を 求めよ. 初めて
中心に 着くまでの 時間を 求め,地表から 放した 場合と 比べよ.
直径トンネル内の中心からR/2の位置で静かに放す.
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考え方 内部の
運動方
程式は .したがって , である.周期は ,最大速度は中心で となる.最大速度は 振幅に 比例するので,地表から 放した 場合の 半分である. 最初の
は なので .地表から放しても 同じである. , なら約 ,約21分となる.距離が 半分でも,重力も 弱く,速さが 全過程で 半分に なるので 所要時間は 変わらない.この 結論には 一様密度と いう 条件が 不可欠である.
演習 4
半径
全質量と,
, の重力加速度を 求めよ. 核の
境界と 表面の 重力加速度の 比を 求め,境界で 重力が 連続か 確かめよ.
半径R/2の核の密度は2ρ,外層はρ.
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考え方 球全体を
全質量は
.核内では より .外層では なので
である.ここでは
内外の
式に を入れると,どちらも .表面では なので比は である.密度が跳んでも,厚さ0の 境界に 有限の 質量が 集中していなければ,内包質量も 重力も 連続に なる.ただし 重力の 傾きは 連続とは 限らず,外層で 常に 単純な 比例に なるわけでもない.
演習 5
質量
の点とOとの 重力加速度の 差を1次まで 求めよ. での加速度の 差を1次まで 求め,天体へ 向かう 方向と それに 垂直な 方向の 違いを 説明せよ.
Oから距離Dの天体と,Oの近傍の2点を示す.座標間隔は誇張している.
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考え方 潮汐は
方向の差は . を用いて .正負どちらの でも原点から 離れる 向きであり,天体と 結ぶ 方向には 引き伸ば す作用を する. 点
の加速度は . 成分とOの値の 差は の2次から始まる ため,1次では0. 成分は となる.こちらは 原点の 方へ戻す 向きで,横方向には 圧縮する.同じ微小距離なら 大きさは(1)の 半分である.潮汐を あらゆる 向きに 一様に 引き伸ばす力と して 描く ことは できない.
ポイント 教える
球殻内部で
力が0でも,無限遠基準の ポテンシャルは 負である. 一様密度でのみ
内部の 重力が 距離に 比例する ことを 確認させる. トンネルの
所要時間は,中心までなら4分の1周期,反対側までなら 半周期である. 潮汐では
中心の 加速度を 差し引き,方向ごとの 違いを 説明させる.