問いしるべ
問いから始める物理 電流と磁場

電流と磁場

第22章の章末問題

著者:柚木芹香

磁場を作る電流と,その磁場が粒子や別の電流に及ぼす作用を結び付けてください.粒子の運動では重力,衝突,放射損失を無視し,光速に比べて速さが十分小さい範囲を扱います.

演習 1

オリジナル ★☆☆☆☆

半径 a と 2a の同心の四分円を,2本の半径方向の導線でつないだ閉回路を xy 平面に置きます.電流 I>0 は内側の円弧を +z 側から見て反時計回りに流れます.円弧の中心Oに電荷 q>0 の粒子があり,瞬間の速度は vex です.ex,ey,ez は各軸の正方向の単位ベクトルとし,粒子自身の場と回路の電場を無視します.

  1. Oの磁場を求めよ.ビオ・サバールの法則から,半径 r の円弧の微小角 dϕ の寄与は dB=μ0Idϕ/(4πr) です.

  2. 粒子に働く力と瞬間の仕事率を求めよ.

半径aと2aの同心四分円を半径方向の導線でつなぐ.内側の電流Iは正のz側から見て反時計回りである.中心Oの正電荷qの瞬間の速度は正のx方向のvである. 半径aと2aの同心四分円を半径方向の導線でつなぐ.内側の電流Iは正のz側から見て反時計回りである.中心Oの正電荷qの瞬間の速度は正のx方向のvである.
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考え方 円弧ごとの磁場を向きも含めて足し,合成した場にローレンツ力を使う.

  1. 半径方向の接続線では電流要素とOへのベクトルが平行なので寄与は0である.内側と外側の円弧の磁場は逆向きで,内側は +z 向きである.したがって

B=μ0I4π∫0π/2(1a−12a)dϕez=μ0I16aez

となる.

  1. ex×ez=−ey より,F=−μ0Iqvey/(16a).仕事率は F⋅v=0 である.I→0 で力は消え,速さはこの磁気力によって変わらない.

演習 2

オリジナル ★☆☆☆☆

電子が,+z 向きの一様磁場 B の中で,速さ v,半径 r の円運動をしています.電子の質量は m,電荷は −e(e>0)です.電子が1周期ごとに同じ点を通ることを,1巻の円電流とみなします.

  1. 周期 T,等価な電流の大きさ I,磁気モーメント m を求めよ.モーメントの向きは外部磁場と同じか.

  2. 軌道の中心まわりの角運動量 L を求め,m との関係を表せ.その比例係数は v や B に依存するか.

電子は正のz方向の一様磁場Bの中で半径rの円運動をする.図の右端にある電子の速度vは上向きである. 電子は正のz方向の一様磁場Bの中で半径rの円運動をする.図の右端にある電子の速度vは上向きである.
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考え方 1周期に通過する電荷を電流に直す.電子の運動方向と電流の方向は逆である.

  1. 向心力の式 mv2/r=evB より r=mv/(eB).周期と電流は T=2πr/v=2πm/(eB),I=e/T=e2B/(2πm) である.電子は +z 側から見て反時計回りに回るから,電流は時計回りで,

m=−Iπr2ez=−evr2ez

となる.モーメントは外部磁場と逆向きである.

  1. 反時計回りの円運動なので L=mrvez.(1)のモーメントと比較して m=−eL/(2m) である.比例係数は電子の電荷と質量だけで決まり,v と B に依存しない.比例係数の次元 Ckg−1 に角運動量の次元 kgm2s−1 を掛けると,モーメントの次元 Am2 になる.

演習 3

オリジナル ★★☆☆☆

長さ ℓ,全抵抗 R の同じ細い導線を,正方形と円にそれぞれ加工し,電圧 V の電源につなぎます.接続線の磁場と力は無視します.有限の直線部分が,その垂直二等分線上の距離 d の点に作る磁場は Bseg=μ0Isin⁡α/(2πd) です.α はその点から見た半分の開き角です.

  1. 両回路の中心の磁場を求め,その比を比較せよ.

  2. 各回路を,法線が一様な外部磁場 B0 と直角になる向きに固定します.トルクの大きさを求め,比較せよ.

同じ周長ℓと全抵抗Rの正方形回路と円回路を,それぞれ電源Vにつなぐ.正方形には中心と一辺の距離d,その一辺の半開き角αを示す.下段は外部磁場B₀が各回路の法線に垂直となる配置を表す. 同じ周長ℓと全抵抗Rの正方形回路と円回路を,それぞれ電源Vにつなぐ.正方形には中心と一辺の距離d,その一辺の半開き角αを示す.下段は外部磁場B₀が各回路の法線に垂直となる配置を表す.
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考え方 抵抗と電圧が同じなら電流は同じである.中心磁場には導線までの距離,トルクには囲む面積が効く.

  1. 電流は I=V/R.正方形の辺は ℓ/4,中心から辺まで d=ℓ/8,α=π/4 なので,4辺の場を足して

Bsq=4μ0I2π(ℓ/8)12=82μ0Iπℓ

となる.円の半径は ℓ/(2π) で,Bcir=πμ0I/ℓ.比は Bsq/Bcir=82/π2≈1.15 で,正方形が大きい.

  1. トルクは ISB0.面積から τsq=Iℓ2B0/16,τcir=Iℓ2B0/(4π) である.比は τsq/τcir=π/4≈0.785 で,円が大きい.中心の磁場が大きい形が,大きいトルクも与えるとは限らない.

演習 4

オリジナル ★★☆☆☆

xy 平面の円 x2+y2<a2 の内部だけに +z 向きの一様磁場 B があります.円の外の磁場と,全域の電場は0です.質量 m,電荷 q>0 の粒子を,(−a,0) から +x 向きに速さ v で入射させます.r=mv/(qB),ω=qB/m とします.

  1. 円領域を初めて出るまでの回転角 ϕ,位置,速度,時間を求めよ.

  2. 出口で vx が負となる条件を求め,r=a と r/a→∞ の場合を調べよ.

半径aの円領域の内部だけに正のz方向の磁場Bがある.粒子は位置(−a,0)から正のx方向へ速さvで入射する. 半径aの円領域の内部だけに正のz方向の磁場Bがある.粒子は位置(−a,0)から正のx方向へ速さvで入射する.
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考え方 円軌道と磁場領域の円との,入射点以外の交点を求める.

  1. 回転角 ϕ=ωt に対して x=−a+rsin⁡ϕ,y=−r(1−cos⁡ϕ) である.境界条件 x2+y2=a2 は −2arsin⁡ϕ+2r2(1−cos⁡ϕ)=0 となる.初めての出口は 0<ϕ<π にあり,半角の式から tan⁡(ϕ/2)=a/r.したがって

ϕ=2arctan⁡ar,xe=a(r2−a2)r2+a2,ye=−2ra2r2+a2,te=ϕω

である.速度は vxe=vcos⁡ϕ=v(r2−a2)/(r2+a2),vye=−vsin⁡ϕ=−2var/(r2+a2).その後はこの速度で直進する.

  1. vxe<0 は r<a と同値で,強い場では入口側へ戻る向きに出る.r=a では ϕ=π/2,出口は (0,−a),速度は (0,−v).r/a→∞ では ϕ≈2a/r,te≈2a/v,出口は (a,0) に近づく.この直進近似には a/r が1より十分小さいことが必要である.

演習 5

オリジナル ★★☆☆☆

液体金属で満たされた水平な長方形の管を考えます.管軸は x 方向,幅は y 方向に w,高さは z 方向に h です.長さ ℓ の区間に一様な +z 向きの磁場を加え,その区間の両側面の電極間に +y 向きの一様な電流 If を流します.磁場は,単位長さあたり n 回巻きの十分長い空芯ソレノイドへ流す電流 Is によって作ります.管は静止した液体の圧力差を支え,粘性と電流の端の効果を無視します.

  1. 電流密度,磁気力の合力,右端の圧力から左端の圧力を引いた値 Δp を求めよ.

  2. 密度 ρf の液体を,出口の鉛直管で管軸から測った高さ H まで押し上げて静止させます.左端の圧力は,出口の液面上の圧力と等しいものとします.必要な IfIs を求めよ.w を2倍にした場合も比較せよ.重力加速度は g とします.

上段左は管の平面図で,幅w,電極区間の長さℓ,正のy方向の電流I_fを示す.上段右は磁場を作るソレノイドである.下段は高さhの管と出口の鉛直管を側面から見た図であり,液面の高さHの基準を示す. 上段左は管の平面図で,幅w,電極区間の長さℓ,正のy方向の電流I_fを示す.上段右は磁場を作るソレノイドである.下段は高さhの管と出口の鉛直管を側面から見た図であり,液面の高さHの基準を示す.
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考え方 ローレンツ力を体積で足し,管の断面積で割って圧力差に直す.

  1. B=μ0nIs,j=If/(ℓh).力の密度は j×B=jBex なので,体積 ℓwh に働く合力は Fx=jBℓwh=IfwB である.圧力による左向きの力は Δpwh で,つり合いより

Δp=IfBh=μ0nIfIsh

となる.

  1. Δp=ρfgH より IfIs=ρfgHh/(μ0n).幅 w を2倍にすると合力と断面積がともに2倍となるので,必要な電流の積は変わらない.これは静止液体の結果であり,ソレノイドの半径と長さの比,電極間の幅と ℓ の比が十分小さいことを前提とする.

演習 6

オリジナル ★★★☆☆

断面積一定の環状鉄心に N=200 回の巻線を施し,幅 d=2.0×10−3m の空隙を1か所設けます.鉄心部分の磁路の長さは ℓ=0.20m です.漏れ磁束と空隙での磁束の広がりを無視し,鉄心と空隙の B は等しいとします.この範囲の鉄心の応答は B=μ0μrH+Br と表せ,μr,Br は一定です.磁路に沿うアンペールの法則は Hℓ+Bd/μ0=NI です.

空隙の +z 向きの場を,既知の正イオンの軌道の符号付き曲率 k で測りました.イオンは +x 向きに入射し,−y 向きに曲がる曲率を正とします.q/(mv)=1.0×103T−1m−1,μ0=1.26×10−6NA−2 とし,次の中心値を得ました.各 k の不確かさは ±0.20m−1,他の量の不確かさは無視します.

I(A)

k(m−1)

−0.40

−30.32

0

10.00

0.40

50.32

  1. k=AI+C を導き,中心値から μr,Br を求めよ.中央の点を検証せよ.

  2. 両端の不確かさから A の範囲を求め,許される μr の範囲を求めよ.鉄心の透磁率を精密に測るには,空隙を広くするのがよいか.

環状鉄心にN回の巻線を施し,幅dの空隙を一か所設ける.鉄心部分の磁路長をℓとする.拡大図では正イオンの入射速度と座標軸,磁場の正方向を示す.曲率kは空隙内で測定する. 環状鉄心にN回の巻線を施し,幅dの空隙を一か所設ける.鉄心部分の磁路長をℓとする.拡大図では正イオンの入射速度と座標軸,磁場の正方向を示す.曲率kは空隙内で測定する.
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考え方 曲率から磁場を測り,磁路の式の傾きと切片を使う.空隙が広いと,透磁率への感度が低下する.

  1. 符号付きで k=qB/(mv).鉄心の H=(B−Br)/(μ0μr) を磁路の式に代入すると

B=μ0NI+ℓBr/μrd+ℓ/μr,A=qmvμ0Nd+ℓ/μr,C=qmvℓBr/μrd+ℓ/μr

となる.表から A=(50.32+30.32)/0.80=100.8A−1m−1,C=10.00m−1.よって d+ℓ/μr=2.50×10−3m,μr=4.0×102 である.無電流時の空隙の場は 0.01000T なので,Br=0.01000(d+ℓ/μr)μr/ℓ=0.050T.中央の曲率は切片と一致する.

  1. 曲率の差の不確かさは最大 0.40m−1 である.したがって 100.3≤A/(A−1m−1)≤101.3.

μr=ℓ[q/(mv)]μ0N/A−d

に両端を入れると,約 390.3≤μr≤410.1 となる.相対感度は dln⁡μrdln⁡A=1+dμr/ℓ で,今回5である.空隙を広くするとこの増幅が大きくなり,精密な推定には不利である.空隙の幅と断面の代表的な幅の比が十分小さく,測定軌道内の場の変化も小さいことが必要である.

演習 7

オリジナル ★★★☆☆

z 軸上の長い直線導線に +z 向きの電流 Iw>0 を流します.xz 平面内に,x 方向の幅 a,z 方向の長さ ℓ の剛い長方形回路を置き,導線に近い辺を x=X>0 とします.その辺には +z 向きに電流 Ic>0 が流れます.回路は回転せず x 方向にだけ動け,ばねによる力は −k(X−X0) です.電源は両電流を一定に保ち,接続線の力を無視します.K=μ0IwIcℓ/(2π) とおきます.

  1. 回路に働く磁気力の合力を求めよ.

  2. X=a がつり合いとなる X0 を求め,そのつり合いが安定となる条件を求めよ.回路の質量を Mc として,安定な場合の小振動の角振動数も求めよ.

正のz方向の直線電流I_wのそばに幅a,長さℓの回路を置く.近い辺の位置はXで,その辺には正のz方向の電流I_cが流れる.回路は案内に沿ってx方向に動く.X₀はばねの力が0となるときの近い辺の位置である. 正のz方向の直線電流I_wのそばに幅a,長さℓの回路を置く.近い辺の位置はXで,その辺には正のz方向の電流I_cが流れる.回路は案内に沿ってx方向に動く.X₀はばねの力が0となるときの近い辺の位置である.
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考え方 回路の近い辺と遠い辺では場が異なる.つり合いの位置で,合力の変位に対する傾きを調べる.

  1. 導線の右では B=μ0Iwey/(2πx).近い辺への力は −Kex/X,遠い辺は +Kex/(X+a).x 向きの2辺の z 方向の力は,同じ区間の場を積分するため打ち消す.したがって FB=−K(1/X−1/(X+a)) である.

  2. 全合力は F=−k(X−X0)−K(1/X−1/(X+a)).F(a)=0 より X0=a+K/(2ka).微分すると

dFdX=−k+K(1X2−1(X+a)2),dFdX∫|X=a=−k+3K4a2

なので,安定には k>3K/(4a2) が必要である.ξ=X−a とすると Mcd2ξdt2≈−(k−3K/(4a2))ξ より ω=(k−3K/(4a2))/Mc.等号では線形の復元力が消えるが,2次まで展開すると F≈−7Kξ2/(8a3) となる.ξ<0 の変位を増大させる向きに力が働くので,つり合いは不安定である.|ξ|/a が十分小さいことが近似条件で,電流を0にするとばねだけの振動数に戻る.

演習 8

オリジナル ★★★☆☆

N 回巻きの薄い平面らせんを,内半径 a,外半径 b>a の間に作ります.半径方向の巻数密度は一定で,半径 r から r+dr に Ndr/(b−a) 回を含む円電流の集まりと近似します.同じ N 回を半径 rc=(a+b)/2 にまとめたコイルも作ります.両方の導線は単位長さあたりの抵抗が γR,端子間の電圧は V です.半径方向の進みと接続線の長さ,磁場,力は無視します.

  1. 両コイルの導線長と電流を比較し,らせん中心の磁場を求めよ.

  2. 同じ一様外部磁場 B0 の中で,両法線を磁場に垂直に固定します.らせんと半径 rc のコイルの,中心磁場の比とトルクの比を求めよ.δ=(b−a)/(2rc) が小さい場合の,両比の先頭の補正も求めよ.ln⁡[(1+δ)/(1−δ)]=2δ+2δ3/3+⋯ を使ってよいとします.

左は内半径a,外半径bの平面らせん,右は半径r_cの薄い円形コイルで,ともにN巻である.両方に端子間電圧Vを加える.下段は外部磁場B₀と各法線が垂直になる配置を表す. 左は内半径a,外半径bの平面らせん,右は半径r_cの薄い円形コイルで,ともにN巻である.両方に端子間電圧Vを加える.下段は外部磁場B₀と各法線が垂直になる配置を表す.
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考え方 各半径の円電流の寄与を積分する.同じ巻数と平均半径なら,この近似では導線長も同じになる.

  1. らせんの長さは ℓw=∫ab2πrNdr/(b−a)=πN(a+b)=2πNrc で,まとめたコイルと等しい.したがって両電流は I=V/(2πγRNrc).中心の磁場は

Bs=μ0NI2(b−a)∫abdrr=μ0NI2(b−a)ln⁡ba

である.

  1. らせんのモーメントは ms=∫abIπr2Ndr/(b−a)=πNI(a2+ab+b2)/3.まとめたコイルは Bc=μ0NI/(2rc),mc=πNIrc2.よって

BsBc=rcb−aln⁡ba=12δln⁡1+δ1−δ=1+δ23+⋯,τsτc=msmc=1+δ23

となる.両方とも半径を広げたらせんの方が大きい.展開には δ2 が十分小さいことが必要で,円電流の集まりという近似には巻き間隔と最小半径の比 (b−a)/(Na) も十分小さいことが要る.

演習 9

オリジナル ★★★☆☆

半径 R の十分長い円柱領域に,+z 向きの一様な定常電流密度 j>0 を与えます.正負の電荷の密度は相殺し,電場は0という模型を考えます.質量 m,電荷 q>0 の試験粒子はこの領域を衝突なしで動き,源の電流を乱しません.初期位置は x=a,y=0(0<a<R),初速度は v0ez です.v0>0,κ=qμ0j/(2m) とします.

  1. 円柱内の磁場をアンペールの法則から求め,y=0 の運動について dvxdt,dvzdt を書け.

  2. 運動中の vz を x で表せ.κa2/v0 が十分小さいとき,横運動の周期と,1周期中の vz の最大の減少量を近似的に求めよ.

半径Rの円柱内に正のz方向の一様な電流密度jを与える.試験粒子の初期位置はxがa,yが0で,初速度は正のz方向のv₀である.左は断面,右は側面を示す. 半径Rの円柱内に正のz方向の一様な電流密度jを与える.試験粒子の初期位置はxがa,yが0で,初速度は正のz方向のv₀である.左は断面,右は側面を示す.
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考え方 軸に沿う速度も磁気力で変わる.まず厳密な関係を積分し,その後で軸方向の速さをほぼ一定とする.

  1. 半径 s<R の円に沿って一周すると 2πsB=μ0jπs2 より B=μ0js/2.y=0 では符号付きで By=μ0jx/2.vy=0 は保たれ,外積から

dvxdt=−κxvz,dvzdt=κxvx=κ2dx2dt

である.

  1. 初期条件で積分定数を決めると vz=v0+κ(x2−a2)/2.したがって横運動の厳密な式は d2xdt2=−κx[v0+κ(x2−a2)/2].ε=κa2/v0 が小さければ vz≈v0 と置けて,x≈acos⁡ωt,ω=κv0,T≈2π/κv0 となる.軸上 x=0 での減少量は Δvz=κa2/2 である.

磁気力は仕事をしないので vx2+vz2=v02 が保たれる.軸上の厳密な式は vx2=κv0a2−κ2a4/4 で,近似の最大横速度の2乗 a2ω2 と先頭の次数で一致する.捨てた項の比は ε 程度であり,a<R と ε が十分小さいことが,領域内のほぼ単振動の条件である.