波と音
第25章の発展問題
著者:柚木芹香
伝播の
演習 1
静止した
直接音の
放射時刻 と受信時刻 の関係を 書き,瞬時 振動数 を求めよ.中継音を 最初に 出した 音源の 時刻を とし, の範囲で 中継音の 瞬時 振動数 を求めよ. における 両音の 振動数差を とする. から を決めよ. , , で評価せよ. 直接音が
と ( )で放射された2つの 時刻に 対応する 受信時刻を とする.この間は 中継器への 接近が 続くとして,両音の 相対位相が 何周期分 進むか 求めよ. が小さい ときの の一次近似を 示し,その 相対誤差を 求めよ.瞬時 振動数の 差を,いつでも 一定の うなりと みな してよいか.
右向きに動く音源の放射位置ut_eとut_sを分けて示す.観測者Oは高さH,中継器Mはx=Dにあり,直接経路と遅延τを伴う中継経路で音を受け取る.
解答を見る
考え方 2つの
とすれば . だから
中継音の
の直接音は に出ており, .中継音の は接近区間に ある.よって .これを解いて .数値は である.直接経路の
長さは 両端で 同じ なので, , .一方,中継経路の時刻式から .中継音の位相から 直接音の 位相を 引いた量の 増分を で割ると
これは
とすると .一次近似値は厳密値より 小さく,厳密値を 分母と する 相対誤差は .数値では ,誤差の大きさは 約2.0 %である.一般には が変わる ため 振動数差も 変わり,一定の うなりではない.局所的なうなりの 観測には,音の 周期より 長く,差の 振動数が 変化する 時間より 短い窓が 必要で,その 窓内に 十分な 強弱の 周期が 入る ことも 要る.位相の 瞬時微分を 音高と みなす条件は が十分 小さい ことであり,速度に ついての 一次 近似には さらに の小ささが 必要である.
演習 2
音を
反射を
壁の 向こうの 鏡像音源で 表し,2つの 経路長 と受信 振動数を 求めよ. , , を使い, を測定値で 表せ.この 模型と 両立する ための 条件も 述べよ. 音源の
発音時間を ,その間の加速度の 大きさの 上限を とする.多くの 音の 周期を 含む短い 発音と して(1)を 使い,2つの 音を 時間的に 分離する 条件を 示せ. でこの 逆算の どこが 不安定に なるかも 調べよ.
壁x=0,音源(a,h),観測者(a+d,0)を示す.音源の速度uは上向きである.音は直接経路と壁で1回反射する経路を進む.壁の向こうの鏡像音源(−a,h)と,対応する補助線を薄い破線で示す.
解答を見る
考え方 経路長の
鏡像は
にあり,実際の 音源と 同じ 上 向き速度を もつ.したがって
どちらも
壁の
より .時間差の式と 合わせると
測定値は
発音中に
と を一定と みなす十分条件は, , がともに 十分小さい ことである.一方,音高を 測る ためには が十分 大きい 必要が ある.受信する 音の 長さは 一次近似で , .例えば を十分小さく すれば,両音を 分離できる. では となり, は小さな 測定値同士の 比に なる.さらに は近い数の 差で, の誤差増幅が ある.高さ0では 鉛直速度が 視線に 直交し,この 瞬間の 振動数から を決める ことは できない.
演習 3
深い水の
で,
のまわりで を2次まで展開し, , を求めよ. , とおく.2次近似で,速い振動の 包絡振幅 を求めよ.初め包絡振幅が0の は,その後も0か. 初めの
包絡振幅の 極大位置 と極小位置 の役割が 初めて 完全に 入れ替わる 時刻を 求めよ.その 時刻まで2次展開を 使える 条件を,省いた 位相から 確かめよ.
時刻0の波形y=−A(1+cos qx)sin k_0xを示す.速い振動の波長2π/k_0と,遅い包絡線の間隔2π/qを記す.波は右向きに進む.
解答を見る
考え方 分散関係の1次の
微分すると
, .したがって .位相速度 に対して である.実際の
変位を,次の 複素量の 実部で 表す.
よって
完全な
入れ替わりは 初めて となる ときである.その とき なので
3階微分は
演習 4
鉛直な
です.上端では
と局所的な 速さ を求めよ. と置いて の方程式を 導き, を の実部と する 波の 分散関係を 求めよ.実数の をもつ波の 角振動数の 下限を 求めよ. の狭い 波数帯を もつ波束の 伝播時間と,変位振幅の 上下端での 比を 求めよ.平均仕事率 が高さに よらない ことも 確かめよ. 局所速さだけから
見積もる と波束の 時間を 比べ,両者が 近い 条件と 先頭の 相対補正を 求めよ.
長さlの縄の線密度はμ(x)=μ_0e^(x/a)で,下端のおもりはm_0=μ_0aである.下端の駆動が上向きに波を送り,上端の装置が波を吸収する.
解答を見る
考え方 張力の
高さ
の張力は その下に ある 質量の 重さなので
したがって
方
程式を で割ると .置換後は
代入して
実数の
群速度は
なので,波束の時間は . と書くと,振幅比は .位相を として
変位振幅は
比は
. が十分 小さいと
局所速さの
演習 5
長さ
弦の
の左右対称な 調和モードを 考える. , とし, , の範囲で,弦と 気体の 変位を 中央の 複素振幅 で表せ. 中央へ
働く 弦の 力と 気体の 力を 求め,角 振動数 を決める 方程式を 導け. 弦が
左右反対向きに 振動する 反対称モードで,気体が 静止する ものの 振動数を 求めよ.ピストンに 力が 残らない ことを 確かめよ. , がともに 十分小さい モードに ついて, の先頭の 近似を 求めよ.気体を 単なるばね,弦を 単なる2本の ばねと する 近似の 次に,どんな 慣性が 現れるか,エネルギーからも 確かめよ. を使えます.
x=−lとx=lで固定した弦の中央を,軽い剛い棒で質量Mのピストンにつなぐ.断面積𝒜,平衡長Lの管の奥は固定壁で,座標zと変位Yの正方向はともに管の奥向きである.
解答を見る
考え方 接続点では
をそれぞれ , の実部で 表す.両端固定,奥の 固定壁,接続点の 変位条件から
これらは
中央の
左右の 傾きは , .張力の横成分を 足すと,弦の 力の 複素振幅は .気体については なので,入口の音圧は .圧力はピストンを 外へ押すから,力は .ピストンの運動方 程式から
これが
反対称な
弦の 形は , と書ける.中央は 変位0で, , .中央の左右の 傾きは 等しいので .気体を とすれば 圧力の ずれも0で,ピストンは 静止できる.したがって この 一群の 振動数は 気柱と によらない. , を(2)に代入すると
よって
低い
弦と