問いしるべ
問いから始める物理 波と音

波と音

第25章の発展問題

著者:柚木芹香

伝播の遅れ,分散,動く境界や異なる振動系の接続を扱います.必要な模型は問題文で与えるので,適用条件を確かめながら,波形とエネルギーの両方から考えてください.

演習 1

東京大 2010 前期(改題) ★★★★☆

静止した空気中で,振動数 f0 の音源が (x,z)=(ute,0) を右へ進みます.te は放射時刻,0<u<v,v は音速です.音源は必要な時刻より前から鳴り続けています.観測者は O=(0,H),固定中継器は M=(D,0) にあり,H,D>0 です.中継器は受け取った音を一定時間 τ≥0 後にスピーカーから出し,受信した位相をそのまま再現します.観測者は直接音と中継音を分離して記録できます.反射,中継器への音の回り込み,風は無視します.

  1. 直接音の放射時刻 te と受信時刻 t の関係を書き,瞬時振動数 fd(t) を求めよ.中継音を最初に出した音源の時刻を ts とし,uts<D の範囲で中継音の瞬時振動数 fr を求めよ.

  2. t∗=H/v における両音の振動数差を b>0 とする.b から u を決めよ.f0=600Hz,v=340ms−1,b=12.0Hz で評価せよ.

  3. 直接音が x=−a と x=a(a>0)で放射された2つの時刻に対応する受信時刻を t−,t+ とする.この間は中継器への接近が続くとして,両音の相対位相が何周期分進むか求めよ.

  4. u/v が小さいときの b の一次近似を示し,その相対誤差を求めよ.瞬時振動数の差を,いつでも一定のうなりとみなしてよいか.

右向きに動く音源の放射位置ut_eとut_sを分けて示す.観測者Oは高さH,中継器Mはx=Dにあり,直接経路と遅延τを伴う中継経路で音を受け取る. 右向きに動く音源の放射位置ut_eとut_sを分けて示す.観測者Oは高さH,中継器Mはx=Dにあり,直接経路と遅延τを伴う中継経路で音を受け取る.
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考え方 2つの経路で同じ受信時刻に届く音は,別々の放射時刻をもつ.位相の時間微分と,相対位相の累積を分けて求める.

  1. R(te)=H2+u2te2 とすれば t=te+R(te)/v.dR/dte=u2te/R だから

fd=f0dtedt=f01+u2te/(vR).

u<v なので分母は正で,時刻の対応は一対一である.中継器と観測者の距離を RM=D2+H2 とすると

t=ts+D−utsv+τ+RMv=(1−u/v)ts+D+RMv+τ.

中継音の位相は 2πf0ts なので fr=f0/(1−u/v).固定遅延は位相に影響するが,この接近区間の振動数には影響しない.

  1. t=t∗ の直接音は te=0 に出ており,fd=f0.中継音の ts=(H−D−RM−vτ)/(v−u)<0 は接近区間にある.よって b=fr−f0=f0u/(v−u).これを解いて u=vb/(f0+b).数値は 340×12.0/612.0ms−1=6.67ms−1 である.

  2. 直接経路の長さは両端で同じ H2+a2 なので,t+−t−=2a/u,te,+−te,−=2a/u.一方,中継経路の時刻式から ts,+−ts,−=2a/[u(1−u/v)].中継音の位相から直接音の位相を引いた量の増分を 2π で割ると

N=f0[2au(1−u/v)−2au]=2af0v−u.

これは相対位相の進みを周期数で表した実数であり,振幅の極大を数えた整数とは端点の位相に応じて異なる.

  1. ϵ=u/v とすると b=f0ϵ/(1−ϵ)≈f0ϵ.一次近似値は厳密値より小さく,厳密値を分母とする相対誤差は −ϵ.数値では ϵ=0.0196,誤差の大きさは約2.0 %である.一般には fd(t) が変わるため振動数差も変わり,一定のうなりではない.局所的なうなりの観測には,音の周期より長く,差の振動数が変化する時間より短い窓が必要で,その窓内に十分な強弱の周期が入ることも要る.位相の瞬時微分を音高とみなす条件は u/(f0R) が十分小さいことであり,速度についての一次近似にはさらに u/v の小ささが必要である.

演習 2

東京大 1994 後期(改題) ★★★★☆

音を反射する鉛直な平面壁を x=0,地面を z=0 とします.音源は壁から未知の距離 a>0 の鉛直線を上向きに動き,高さ h>0 で短い音を出しました.その瞬間の上向き速度は u,音源自身の振動数は f0 です.観測者は (a+d,0),d>0 は既知です.風はなく,音速は v,0<u<v とします.地面からの反射は無視し,壁での鏡面反射だけを考えます.直接音と壁からの反射音は分離でき,振動数は fd,fr,反射音の到着の遅れは Δ>0 と測定されました.音を出す間の高さと速度の変化は,まず無視します.

  1. 反射を壁の向こうの鏡像音源で表し,2つの経路長 Rd,Rr と受信振動数を求めよ.

  2. ηd=f0/fd−1,ηr=f0/fr−1,q=ηd/ηr を使い,h,u,a を測定値で表せ.この模型と両立するための条件も述べよ.

  3. 音源の発音時間を τb,その間の加速度の大きさの上限を α とする.多くの音の周期を含む短い発音として(1)を使い,2つの音を時間的に分離する条件を示せ.h→0 でこの逆算のどこが不安定になるかも調べよ.

壁x=0,音源(a,h),観測者(a+d,0)を示す.音源の速度uは上向きである.音は直接経路と壁で1回反射する経路を進む.壁の向こうの鏡像音源(−a,h)と,対応する補助線を薄い破線で示す. 壁x=0,音源(a,h),観測者(a+d,0)を示す.音源の速度uは上向きである.音は直接経路と壁で1回反射する経路を進む.壁の向こうの鏡像音源(−a,h)と,対応する補助線を薄い破線で示す.
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考え方 経路長の時間変化がドップラー効果を決める.振動数の比で経路長の比を求め,到着時間差で絶対的な長さを決める.

  1. 鏡像は (−a,h) にあり,実際の音源と同じ上向き速度をもつ.したがって

Rd=d2+h2,Rr=(2a+d)2+h2.

どちらも音源が上へ動くと伸び,放射時刻 te に関して dRj/dte=uh/Rj.受信時刻は t=te+Rj/v なので

fd=f01+uh/(vRd),fr=f01+uh/(vRr),vΔ=Rr−Rd.

壁の一定の反射位相は振動数を変えない.Rr>Rd だから fd<fr<f0 となる.

  1. ηj=uh/(vRj) より q=Rr/Rd>1.時間差の式と合わせると

Rd=vΔq−1,Rr=qRd,h=Rd2−d2,
u=vRdηdh,a=Rr2−h2−d2.

測定値は ηd>ηr>0,Δ>0,Rd>d,0<Rdηd/h<1 を満たす必要がある.前の条件から最後の式の a も正になる.経路長は vΔ の次元をもち,速度も v の次元で得られる.

  1. 発音中に h と u を一定とみなす十分条件は,uτb/h,ατb/u がともに十分小さいことである.一方,音高を測るためには f0τb が十分大きい必要がある.受信する音の長さは一次近似で τb(1+ηd),τb(1+ηr).例えば τb(1+ηd)/Δ を十分小さくすれば,両音を分離できる.h→0 では ηd,ηr→0 となり,q は小さな測定値同士の比になる.さらに h=Rd2−d2 は近い数の差で,Δh/h≈RdΔRd/h2 の誤差増幅がある.高さ0では鉛直速度が視線に直交し,この瞬間の振動数から u を決めることはできない.

演習 3

オリジナル ★★★★☆

深い水の重力波は ω(k)=gk に従います.g は重力加速度で,表面張力を無視します.0<q<k0 とし,波数 k0,k0+q,k0−q の3波を,振幅 A,A/2,A/2,時刻0・原点で同位相として右向きに重ねます.すなわち

y=Asin⁡(ω0t−k0x)+A2sin⁡(ω+t−(k0+q)x)+A2sin⁡(ω−t−(k0−q)x)

で,ω0=ω(k0),ω±=ω(k0±q) です.q/k0 は十分小さいとします.

  1. k0 のまわりで ω を2次まで展開し,vg=dω/dk,β=d2ωdk2 を求めよ.

  2. X=x−vgt,δ=βq2/2 とおく.2次近似で,速い振動の包絡振幅 B(X,t) を求めよ.初め包絡振幅が0の X=π/q は,その後も0か.

  3. 初めの包絡振幅の極大位置 X=0 と極小位置 X=π/q の役割が初めて完全に入れ替わる時刻を求めよ.その時刻まで2次展開を使える条件を,省いた位相から確かめよ.

時刻0の波形y=−A(1+cos qx)sin k_0xを示す.速い振動の波長2π/k_0と,遅い包絡線の間隔2π/qを記す.波は右向きに進む. 時刻0の波形y=−A(1+cos qx)sin k_0xを示す.速い振動の波長2π/k_0と,遅い包絡線の間隔2π/qを記す.波は右向きに進む.
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考え方 分散関係の1次の項は包絡線の移動を,2次の項は波数の異なる成分の位相のずれを生む.

  1. 微分すると vg=ω0/(2k0),β=−ω0/(4k02).したがって ω±≈ω0±vgq+βq2/2.位相速度 v=ω0/k0 に対して vg=v/2 である.

  2. 実際の変位を,次の複素量の実部で表す.

Y=−iAei(ω0t−k0x)[1+12eiδt−iqX+12eiδt+iqX]=−iAei(ω0t−k0x)[1+eiδtcos⁡qX].

よって包絡振幅は

B2=A2[1+cos2⁡qX+2cos⁡qXcos⁡δt].

X=0 では B=2A|cos⁡(δt/2)|,X=π/q では B=2A|sin⁡(δt/2)|.初め0の場所にも時間とともに振幅が生じ,単に初期包絡線を vg で移動するだけではない.この包絡線の0を,定常波の永久的な節と混同しない.

  1. 完全な入れ替わりは初めて |δ|t∗=π となるときである.そのとき B=A|1−cos⁡qX|=A(1−cos⁡qX) なので

t∗=2π|β|q2=8πk02ω0q2.

3階微分は d3ωdk3=3ω0/(8k03).省いた各側波の角振動数の先頭項は ±ω0q3/(16k03) なので,t∗ までに蓄積する位相誤差の大きさは πq/(2k0).これが十分小さければ入れ替わりの予測は有効である.長時間では小さな角振動数誤差も累積するため,q/k0 だけでなく位相誤差を確かめる必要がある.深水の条件は最小波数でも (k0−q)h が十分大きいことであり,線形近似には Ak0 の小ささも必要である.ここで h は水深である.

演習 4

オリジナル ★★★★★

鉛直な縄を上端で支え,下端に質量 m0=μ0a のおもりを付けます.下端から上へ x を測り,0≤x≤l の線密度は μ(x)=μ0ex/a です.a,μ0>0,重力加速度は g,伸びを無視します.静的な張力を S(x) とすると,横変位の線形な方程式は

μ(x)∂2y∂t2=∂∂x[S(x)∂y∂x]

です.上端では横波を吸収できる装置を用い,下端の駆動で右向き,すなわち上向きに進む成分を作ります.おもりは静的な張力を定める役割をもち,下端の駆動変位は外から指定します.

  1. S(x) と局所的な速さ v0=S(x)/μ(x) を求めよ.

  2. y=e−x/(2a)ψ と置いて ψ の方程式を導き,ψ を Cei(ωt−kx) の実部とする波の分散関係を求めよ.実数の k をもつ波の角振動数の下限を求めよ.

  3. k>0 の狭い波数帯をもつ波束の伝播時間と,変位振幅の上下端での比を求めよ.平均仕事率 P=−⟨S∂y/∂x∂y/∂t⟩ が高さによらないことも確かめよ.

  4. 局所速さだけから見積もる l/v0 と波束の時間を比べ,両者が近い条件と先頭の相対補正を求めよ.

長さlの縄の線密度はμ(x)=μ_0e^(x/a)で,下端のおもりはm_0=μ_0aである.下端の駆動が上向きに波を送り,上端の装置が波を吸収する. 長さlの縄の線密度はμ(x)=μ_0e^(x/a)で,下端のおもりはm_0=μ_0aである.下端の駆動が上向きに波を送り,上端の装置が波を吸収する.
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考え方 張力の変化は,速さの比だけでなく運動方程式の空間微分にも現れる.振幅の高さ依存を取り除いてから,伝播とエネルギーを調べる.

  1. 高さ x の張力はその下にある質量の重さなので

S(x)=g[m0+∫0xμ0es/ads]=μ0agex/a.

したがって v0=ag は高さによらない.

  1. 方程式を μ で割ると ∂2y∂t2=v02(∂2y∂x2+a−1∂y/∂x).置換後は

∂y∂x=e−x/(2a)(∂ψ∂x−ψ2a),∂2y∂x2=e−x/(2a)(∂2ψ∂x2−1a∂ψ∂x+ψ4a2).

代入して ∂2ψ∂t2=v02(∂2ψ∂x2−ψ/(4a2)).調和解から

ω2=v02(k2+14a2),ωc=v02a=12ga.

実数の k は ω≥ωc で存在し,進行する波には ω>ωc が必要である.下限未満では k は純虚数になり,この模型の進行波ではない.

  1. 群速度は vg=dω/dk=v02k/ω なので,波束の時間は tg=lω/(v02k).y=A0e−x/(2a)cos⁡(ωt−kx) と書くと,振幅比は A(l)/A(0)=e−l/(2a).位相を θ=ωt−kx として

∂y∂t=−ωA(x)sin⁡θ,∂y∂x=−A(x)2acos⁡θ+kA(x)sin⁡θ.

⟨sin⁡θcos⁡θ⟩=0,⟨sin2⁡θ⟩=1/2 から

P=12S(x)ωkA(x)2=12μ0agωkA02.

変位振幅は減っても,仕事率は保存されている.

  1. 比は tg/(l/v0)=ω/(v0k)=1+1/(4a2k2).1/(ka) が十分小さいと

tg≈lv0(1+18a2k2).

局所速さの見積もりは短すぎ,角振動数が下限に近づくと vg→0 になって大きく外れる.狭い波数帯には Δk/k の小ささが必要で,小振幅近似には A0k2+1/(4a2) の小ささが必要である.伝播時間の見積もりには,さらに 1/(ka) が小さいことを使った.

演習 5

オリジナル ★★★★★

長さ 2l,張力 S,線密度 μ の弦を x=−l,l で固定し,中央を質量 M のピストンに軽い剛い棒でつなぎます.棒は弦中央の横変位 Y(t)=y(0,t) を,管の入口のピストン変位に同じ向き・同じ大きさで伝えます.管の断面積は A,平衡長は L,奥は固定壁です.管に沿って奥向きに z を測り,ピストンが奥へ動くとき Y>0 とします.気体の密度 ρ,音速 va,平衡圧力 p,比熱比 γ を与え,ρva2=γp とします.ピストンの外側は平衡圧力 p に保たれ,平衡の力は相殺しています.

弦の速さは vs=S/μ,気体の変位は ξ(z,t),音圧は δp=−ρva2∂ξ/∂z です.気体は断熱的に振動し,摩擦・漏れ・散逸を無視します.

  1. Y≠0 の左右対称な調和モードを考える.ks=ω/vs,ka=ω/va とし,sin⁡ksl≠0,sin⁡kaL≠0 の範囲で,弦と気体の変位を中央の複素振幅 Y0 で表せ.

  2. 中央へ働く弦の力と気体の力を求め,角振動数 ω を決める方程式を導け.

  3. 弦が左右反対向きに振動する反対称モードで,気体が静止するものの振動数を求めよ.ピストンに力が残らないことを確かめよ.

  4. ωl/vs,ωL/va がともに十分小さいモードについて,ω2 の先頭の近似を求めよ.気体を単なるばね,弦を単なる2本のばねとする近似の次に,どんな慣性が現れるか,エネルギーからも確かめよ.qcot⁡q=1−q2/3+4次以降 を使えます.

x=−lとx=lで固定した弦の中央を,軽い剛い棒で質量Mのピストンにつなぐ.断面積𝒜,平衡長Lの管の奥は固定壁で,座標zと変位Yの正方向はともに管の奥向きである. x=−lとx=lで固定した弦の中央を,軽い剛い棒で質量Mのピストンにつなぐ.断面積𝒜,平衡長Lの管の奥は固定壁で,座標zと変位Yの正方向はともに管の奥向きである.
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考え方 接続点では変位を共通にし,張力と圧力の力をピストンの運動方程式へ入れる.固有振動でも,接続点を節と決めつけない.

  1. y,ξ をそれぞれ y^eiωt,ξ^eiωt の実部で表す.両端固定,奥の固定壁,接続点の変位条件から

y^(x)=Y0sin⁡[ks(l−|x|)]sin⁡ksl,ξ^(z)=Y0sin⁡[ka(L−z)]sin⁡kaL.

これらは各区間の波動方程式と,y^(0)=ξ^(0)=Y0,y^(±l)=ξ^(L)=0 を満たす.

  1. 中央の左右の傾きは +ksY0cot⁡ksl,−ksY0cot⁡ksl.張力の横成分を足すと,弦の力の複素振幅は −2SksY0cot⁡ksl.気体については ∂ξ^/∂z|z=0=−kaY0cot⁡kaL なので,入口の音圧は ρva2kaY0cot⁡kaL.圧力はピストンを外へ押すから,力は −Aρva2kaY0cot⁡kaL.ピストンの運動方程式から

Mω2=2Skscot⁡ksl+Aρva2kacot⁡kaL.

これが指定した Y0≠0 の対称モードの条件である.分母が0の特殊なモードは,この式で割り算をする前の境界条件から別に調べる必要がある.

  1. 反対称な弦の形は y=Csin⁡(nπx/l)cos⁡ωnt,n=1,2,… と書ける.中央は変位0で,ωn=nπvs/l,fn=nvs/(2l).中央の左右の傾きは等しいので S[∂y/∂x|0+−∂y/∂x|0−]=0.気体を ξ=0 とすれば圧力のずれも0で,ピストンは静止できる.したがってこの一群の振動数は気柱と M によらない.

  2. kscot⁡ksl≈1/l−ks2l/3,kacot⁡kaL≈1/L−ka2L/3 を(2)に代入すると

(M+2μl3+AρL3)ω2≈2Sl+Aρva2L.

よって

ω2≈2S/l+γpA/LM+2μl/3+AρL/3.

低い振動数では y≈Y(1−|x|/l),ξ≈Y(1−z/L).その運動エネルギーは

EK=12[M+2μ∫0l(1−x/l)2dx+ρA∫0L(1−z/L)2dz](dYdt)2=12(M+2μl3+ρAL3)(dYdt)2.

弦と気体の弾性エネルギーは EU=(2S/l+ρva2A/L)Y2/2 なので,同じ角振動数が得られる.分母には動く弦と気体の有効質量が現れる.得られた ω を使って ωl/vs,ωL/va の小ささを事後に確かめる必要があり,M→0 でこの条件を満たさないなら近似式は使えない.さらに |Y|/l,|Y|/L,および管の横寸法と音の波長の比が小さく,振動中の熱交換が断熱近似を破らない範囲を前提とした.