仕事とエネルギー
衝突の語り直し:例題
著者:柚木芹香
前の
ポイント 作図の
質量
実験室系の
例題
例題 1
霧箱の
質量4.0 uのα粒子が静止核に入射する.観測された最大角30°を示し,核の質量や速さは示さない.
的の
原子核の 質量は 何 か.最も
大きく 曲がった ときのα粒子の 速さと,原子核の 速さを で表せ. 的の
質量が だったら,曲がる角度に 上限は あるか.
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考え方 的が
上限が
あるのは,原点が 入射球の 円の 外に ある と き,つまり α粒子が 的より 重い ときで, である. より (重水素の原子核). なので ,入射球の円の 半径は である.最大角のとき は円の 接線で, だから
である.この
確かめ:エネルギーは
的の
ほうが 重い( )ので, は円の 半径 より小さく,原点は 円の 内側に ある.よって 上限は 無く, では逆向きに 速さ ではね返る.
例題 2
速さ
炭素の場合はOが円の内部,水素の場合は円周上にある.左右の端点を示すが,求める速さやエネルギーの値は記さない.
1回の
衝突後の 中性子の 速さの 最大値と 最小値を 求めよ.1回で 失う エネルギーの 割合は,最大で どれだけか. 重心系での
散乱の 向きが 全方向に 等しい 確率で 起こる とき,衝突後の 運動エネルギーの 平均値は,衝突前の 何倍か.的が 水素の 原子核(質量 )ならどうか. 平均の
運動エネルギーが 衝突前の 以下になるまでに,炭素と 水素で それぞれ何回ほど 衝突が 必要か.
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考え方 原点
なので ,円の半径は である.最大は ( ,変わらない),最小は ( ,はね返り)である.エネルギーの 最小は 倍なので,失う割合は 最大 で, と一致する. 三角形
の余弦定理から, である. が全方向に 一様なら の平均は 0 なので, の平均は である.炭素では だから,エネルギーの平均は 倍.水素では なので 倍である.1回ごとに
平均が (2) の 倍率に なるので, 回で倍率の 乗である.炭素: より ,つまり16回である(15回では約0.1005倍で,まだ より大きい).水素: より ,つまり4回である.
例題 3
質量
初期分裂方向は100°.Gを中心とする半径V₀/2とV₀/4の円上で,破片A,Bの先端は反対側に並ぶ.スライダーで上の軌跡と下の速度を同時に変更できる.
分裂で
解放された エネルギー を求めよ. 実験室系で,Aが
飛ぶ 向きは 粒子の 進行方 向から 最大で 何度か.その ときのAの 速さと,Aの 速さの 範囲も 求めよ. 実験室系で,Bが
飛ぶ 向きの 最大角を 求めよ. 解放された
エネルギーが4倍だったら,AとBの 最大角は どうなるか.
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考え方 重心系では
なので .
粒子は
速度
空間で ,Aの円の 半径は で, は円の 外に ある.接線の とき なので .速さは接線の 長さ .速さの範囲は から円の 半径を 引いた 長さと 足した 長さの 間で, 以上 以下である.Bの
円の 半径は なので で,電卓で角を 求めると である. が4倍になると,重心系の 速さは 倍で, , .Aの円は 原点を 通るので ,角度の上限は である.ただし,原点に来る 破片の 速さは0で 方向が 定まらないため,動くAは 未満の前方へ 飛び,直角は 極限と してのみ 近づける.Bは で である.
ポイント ここまでの
的が
静止した 弾性衝突では,的の 円が 原点を 通る. の入射球には 最大散乱角 があり,これを 測れば的の 質量が 分かる( ).1回の
衝突後の 入射球の 速さは .重い的ほど最小値が に近く,減速が 遅い.等方散乱なら 平均エネルギーは 倍になる. 分裂した
破片は,速度 空間で G を 中心と する 円の 上に,G を はさんで 正反対に 乗る. での最大角は . なら全方 向に 飛び, なら前方へ 飛ぶ(直角は 速さ0へ 近づく 極限).