問いしるべ
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電流と回路

直流回路と測定器の演習

著者:柚木芹香

電荷保存と電圧の収支を書いてください.測定器も回路の一部です.

演習 1

オリジナル ★☆☆☆☆

抵抗 Rg=80Ω,最大電流 Ig=1.0mA の指針式計器がある.

  1. 最大 0.20A の電流計にするため,計器に並列につなぐ分流抵抗を求めよ.

  2. 別の同じ計器を最大 8.0V の電圧計にするため,直列につなぐ抵抗と完成した電圧計の抵抗を求めよ.

抵抗R_g = 80 Ω,最大電流I_g = 1.0 mAの計器に,分流抵抗を並列につなぐ構成と倍率抵抗を直列につなぐ構成.測定範囲はそれぞれ0.20 Aと8.0 Vである. 抵抗R_g = 80 Ω,最大電流I_g = 1.0 mAの計器に,分流抵抗を並列につなぐ構成と倍率抵抗を直列につなぐ構成.測定範囲はそれぞれ0.20 Aと8.0 Vである.
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考え方
並列の等電圧,直列の等電流を使う.

  1. 計器の電圧は IgRg=0.080V.分流抵抗の電流は 0.20−0.0010=0.199A なので,抵抗は 0.080/0.199≈0.40Ω.

  2. 全抵抗は 8.0/Ig=8.0×103Ω.追加抵抗は 8.0×103−80=7.92×103Ω≈7.9×103Ω.電流計は小抵抗,電圧計は大抵抗となる.

演習 2

オリジナル ★★☆☆☆

接続点A,Bの間に3本の枝がある.第1枝は起電力 12V の理想電源と抵抗 4.0Ω,第2枝は起電力 6.0V の理想電源と抵抗 2.0Ω,第3枝は抵抗 6.0Ω である.両電源ともBからAへ進むと電位が上がる向きに置く.

  1. 第1・第2枝をBからAへ流れる電流を I1,I2 として,2つの閉じた道の式から全枝の電流を求めよ.

  2. 第3枝を外した端子A,Bから見たテブナンの起電力と内部抵抗を求め,(1)の端子電圧を検算せよ.

AとBの間に3枝を接続する.第1枝は12 Vと4.0 Ω,第2枝は6.0 Vと2.0 Ω,第3枝は6.0 Ωである.両電源の正極はA側で,仮の電流I₁,I₂はBからAを正とする. AとBの間に3枝を接続する.第1枝は12 Vと4.0 Ω,第2枝は6.0 Vと2.0 Ω,第3枝は6.0 Ωである.両電源の正極はA側で,仮の電流I₁,I₂はBからAを正とする.
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考え方
第3枝は I1+I2 が流れ,負の解は逆向きを表す.

  1. 第3枝をAからBへ戻る2つの道について

12=4I1+6(I1+I2),6=2I2+6(I1+I2)

が成り立つ.係数の単位は Ω,左辺の単位は V である.整理した第1式を4倍,第2式を3倍して差をとると 22I1=30.よって I1=15/11A≈1.4A,I2=−3/11A≈−0.27A.第3枝はAからBへ 12/11A≈1.1A である.

  1. 開放時の電圧 Vth は (12−Vth)/4+(6−Vth)/2=0 より 8.0V.理想電源を短絡して見ると Rth=4×2/(4+2)=4/3Ω≈1.3Ω.負荷を戻すと V=8×6/(6+4/3)=72/11V≈6.5V,負荷電流は V/6=12/11A と一致する.第2電源には正極から電流が入り,電気エネルギーを受け取る向きである.

演習 3

オリジナル ★★☆☆☆

未知の一定抵抗 R に,内部抵抗 RV=10kΩ の電圧計を並列につなぐ.理想電流計は抵抗と電圧計へ分かれる前に置く.電源電圧を変えて次の値を得た.電流の誤差は ±0.01mA 以内で,電圧の誤差は無視する.

電圧計の読み V

1.00V

2.00V

3.00V

電流計の読み I

0.30mA

0.61mA

0.90mA

  1. 両端の測定値から R を推定し,中央の値が一定抵抗の模型と両立するか判定せよ.

  2. 電圧計の電流を無視して V/I を抵抗とすると,真の値から何 %ずれるか.電圧計の電流が抵抗の電流の1 %以下となる条件も示せ.

理想電流計の後で未知抵抗Rと内部抵抗R_v = 10 kΩの電圧計へ分岐する.電流計は枝分かれ前の電流Iを測る. 理想電流計の後で未知抵抗Rと内部抵抗R_v = 10 kΩの電圧計へ分岐する.電流計は枝分かれ前の電流Iを測る.
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考え方
傾きから電圧計の電流の寄与を引く.

  1. I=V/R+V/RV.両端から I/V=0.30mAV−1,電圧計の寄与は 1/RV=0.10mAV−1 だから,1/R=0.20mAV−1,R=5.0kΩ.中央での予測は 0.60mA であり,測定の誤差範囲に入る.

  2. 見かけの抵抗は Rapp=RRV/(R+RV)=10/3kΩ.(Rapp−R)/R=−1/3 より約33 %小さい.電流の比は Iv/IR=R/RV なので,条件は RV≥100R.RV→∞ では補正が不要となることも確かめられる.

演習 4

オリジナル ★★★☆☆

理想電源の正極と接続点Aを抵抗 Rs=1.0kΩ,Aと負極Bを同じ抵抗 Rs でつなぐ.さらにA,B間に非線形抵抗素子をつなぐ.素子はAからBへの電流 I≥0 に対して V=V∗(I/I∗)2 に従う.V∗=1.0V,I∗=1.0mA,電源の起電力は E=10V とする.

  1. 素子以外をテブナンの回路に置き換え,素子の電流と電圧を求めよ.

  2. 起電力を δE=0.090V 増したとき,微分抵抗 rd=dVdI を使い,素子の電流と電圧の変化を1次まで求めよ.

電源の正極から抵抗R_sを通ってAへ接続し,Aと負極Bの間に同じR_sと非線形素子を並列につなぐ.素子の与えられた電圧特性を記す. 電源の正極から抵抗R_sを通ってAへ接続し,Aと負極Bの間に同じR_sと非線形素子を並列につなぐ.素子の与えられた電圧特性を記す.
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考え方
回路の電圧降下と素子の特性を同時に満たす点を探す.小変化には接線を使う.

  1. 素子を外すと Vth=E/2=5.0V,電源を短絡すると Rth=Rs/2=0.50kΩ.u=I/I∗ とおけば,Vth=RthI+V は 5=0.50u+u2.(u−2)(u+2.5)=0 だから,許される解は I=2.0mA,V=4.0V.

  2. rd=2V∗I/I∗2=4.0kΩ.δVth=δE/2=0.045V と δV=rdδI より,δI=0.045/(500+4000)=1.0×10−5A,δV=0.040V.近似には |δI|/I が十分小さい必要があり,ここでは0.0050である.省いた2次の電圧は V∗(δI/I∗)2=1.0×10−4V と1次項より小さい.

演習 5

オリジナル ★★★☆☆

立方体の辺に抵抗を置き,体対角線の両端をA,Bとする.AまたはBに接する6辺は抵抗 R,残りの6辺は抵抗 2R とし,A,Bを直接結ぶ抵抗 3R も加える.A,B間に一定電圧 V>0 を加える.

  1. 対称性を使って合成抵抗を求めよ.

  2. 各種類の辺の電流と,抵抗 2R の6辺全体の発熱率を求めよ.

体対角線の両端A,Bに接する6辺はR,残りの6辺は2Rである.AとBを直接結ぶ3Rの枝は立方体の外側に描く.A,B間の印加電圧はV > 0である. 体対角線の両端A,Bに接する6辺はR,残りの6辺は2Rである.AとBを直接結ぶ3Rの枝は立方体の外側に描く.A,B間の印加電圧はV > 0である.
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考え方
A,Bを固定する回転で入れ替わる頂点は等電位で,まとめても電流は変わらない.

  1. Aに隣接する3頂点を一群,Bに隣接する3頂点を一群とする.Aから第1群までは3本の並列で R/3,群の間は6本の並列で 2R/6=R/3,第2群からBまでは R/3.辺全体は直列で R となり,追加した 3R と並列だから,合成抵抗は 3R/4.

  2. 辺の網を流れる電流は V/R である.A,Bに接する各辺は V/(3R),残りの各辺は V/(6R).直接つないだ抵抗 3R の電流はAからBへ V/(3R) である.抵抗 2R の6辺の発熱率は 6[V/(6R)]2(2R)=V2/(3R).A側とB側の3辺も各群で同じ発熱率となる.直接枝の発熱率 V2/(3R) を加えた全体は 4V2/(3R)=V2/(3R/4) で,合成抵抗からの計算と一致する.

ポイント 教える人へ

  • 仮の電流が負になる意味を,実際の向きと電源の仕事から説明させてください.

  • 電圧計の電流を引く理由を問うてください.

  • 開放電圧と等価抵抗から負荷電流を検算させてください.

  • 等電位の頂点と,接線で近似する条件を確かめてください.