熱力学の法則
エントロピーとラチェットの演習
著者:柚木芹香
系と
演習 1
600 Kの高温熱源から400 Kの低温熱源へ,240 Jの熱だけが直接移る.熱の向きを赤い矢印で示す.
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考え方
熱源は
高温側は
演習 2
等体積の
番号1〜8で区別できる分子の配置例を並べる.Aでは左に2個,右に6個,Bでは左右に4個ずつある.左右は等体積で,破線の中央境界は分子が通過できる.
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考え方
左側の
配置数は
演習 3
氷の
エントロピー変化を 求めてください. 分子1個あたり
の何倍ですか. 微視状態数の
増え方と,「1分子あたり約13倍」の 意味を 説明してください.
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考え方
可逆な
. . より総数は 約 倍.約13倍は総数比の 乗根 の実効的表現で,分子が 独立に 空間の 居場所を13倍に した 意味ではない.微視状態には 速度 分布や 相関も 含む.
演習 4
ピストンを
断熱しピストンを固定したシリンダーで,体積V₀,温度T₀の理想気体を体積3V₀の真空から仕切る.仕切りを除くと,気体は温度T₀のまま体積4V₀へ自由膨張する.次に断熱と固定を外し,T₀の熱源に接して外から可逆等温圧縮し,体積V₀へ戻す.圧縮では気体から熱源へ熱が移る.
自由膨張の
,最終温度,気体のエントロピー変化を 求めてください. 圧縮の
と,全過程の気体・熱源・全体の エントロピー変化を 求めてください.気体を 戻せば 可逆ですか.
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考え方
エネルギー収支を
断熱・真
空への 膨張で . より最終温度は .可逆等温経路から .熱0でも増える. .気体は ,熱源は 変化する.全過程では気体は0,熱源と 全体は .投入仕事 は熱源に 残り,外界は 戻らない.
演習 5
理想気体
熱源T₀に接した理想気体が,初めは固定ピストンの下で体積V₀,圧力2pₑにある.固定を外して一定外圧pₑへ膨張させ,静止した終状態は温度T₀,体積2V₀,圧力pₑとなる.熱Qは熱源から気体へ,仕事Wは気体から外へ移る.途中の平衡状態やp-V経路は仮定しない.
終体積,
,系・熱源・全体のエントロピー変化を 求めてください. エントロピー生成
を収支から 求め,同じ 両端の 可逆等温膨張と 比べてください.
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考え方
途中の
状態方
程式より .両端で なので .系は可逆経路から ,熱源は .仕事の受け手の エントロピーは 不変で,全体は 増える. より .系内の散逸と,系と 熱源の 温度差に よる 界面の 生成を 含む.可逆なら ,系は同じ,熱源は ,全体と生成は0.仕事差は である.
演習 6
羽根側を
羽根側はT₁=600 K,爪側はT₂=300 Kで,羽根とラチェット歯車を軸で結ぶ.回転を生む機構には羽根側から熱120 Jが入り,外へ仕事45 J,爪側へ熱75 Jが出る.別に軸を通る熱漏れ30 Jが羽根側から爪側へ直接移る.実線で機構の経路,破線で熱漏れの経路を区別する.
各熱源の
熱収支,装置全体の 効率,両熱源の エントロピー変化の 和を 求めてください. 機構が
受け取る 熱と 熱漏れの 量を 固定し,機構を 可逆な 極限に しても,全体は カルノー効率に 届きますか.数値でも 確かめてください.
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考え方
仕事を
機構から
爪側への 熱は .高温熱源は を失い,低温熱源は を受ける.効率は ,エントロピー変化の和は .熱漏れで が生じる. 機構の
吸熱を ,熱漏れを とすると,仕事の 上限は .したがって
である.仕事の
ポイント 教える
系と
熱源,実際と 可逆経路の 熱を 区別します. 少数系の
揺らぎと 巨視的な 第二法則の 違いを 問います. 温度差・熱漏れの
生成と,融解の「約13倍」を 説明して もらいます.