回転と剛体
固定軸のまわりの回転の演習
著者:柚木芹香
慣性モーメントを
演習 1
軽い棒の
慣性モーメントと
角加速度を 求めよ. 時間
後の角速度,回転角,運動エネルギーを 求めよ.
Oの左へaにm,右へ2aに2mを置いた軽い棒.正のトルクτ₀を曲線矢印で示す.
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考え方 軸からの
.右の小球の 寄与は 左の8倍である. , より .軸は重心を 通っていないが,固定軸の 運動方 程式は この 軸の まわりの を用いればよい. 初めの
角度を0にとると , .運動エネルギーは .一定トルクの仕事 も同じ値に なる.角度を 回転数で 数えた 場合は,1回転を として ラジアンに 直してから 仕事を 計算する.
演習 2
質量
Oの
まわりの 慣性モーメントを 求めよ. 同じ棒を
端で 支えた 場合と 比べ,同じトルクを 加えた ときの 角加速度の 比を 求めよ.重力の トルクは 無視できる 向きに 装置を 置く.
長さlの棒と中心G,Gからl/4の軸O,端の軸Aを示す.軸は紙面に垂直である.
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考え方 平行軸の
重心まわりでは
.よって .軸が重心から 離れる ため, であり,端の軸の よりは小さい. 同じトルクを
とすると , .したがって .慣性モーメントの比の 逆数に なっている.な お「同じ力」だけでは この 比較は できない.軸から 力の 作用線までの 距離が 異なればトルクも 変わる ため,力の 大きさと 腕の 長さを 合わせて 調べる 必要が ある.
演習 3
慣性モーメント
停止時間と
停止までの 回転角を 求めよ. ブレーキが
奪った エネルギーと,停止までの 平均の 散逸仕事率を 求めよ.
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考え方 停止前に
より .これが0になる 時刻は .角速度は直線的に 減るので,回転角は である.回転数なら となる. 奪った
エネルギーは 初めの 運動エネルギー .仕事からも と求まる.平均の 散逸仕事率は .瞬間の散逸仕事率は なので,停止に近づく ほど 小さくなる.トルクが 一定でも 仕事率が 一定とは 限らない.ブレーキが 車に した 仕事 その ものは 負であり,ここでの は失われた エネルギーの 正の 大きさである.
演習 4
慣性モーメント
おもりの
加速度と 左右の 張力を 求めよ. 右の
おもりが 高さ だけ下がったときの 速さを,エネルギーから 求めて(1)と 照合せよ.
固定滑車I,Rと左のm,右の2mを描く.右のおもりの落下距離hを示す.
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考え方 糸の
右側の
下向き加速度を とし,左右の 張力を とする. , , .足し合わせて .張力は , となる. なら である.右が
下がる間に左は 上がるので,全位置エネルギーの減少は .共通の速さを とすれば .よって となり 一致する.滑車の 重心は 動かないため,滑車自身の 並進エネルギーは 加えない. なら で,左右の張力は 等しくなる.
演習 5
質量
周期を
の関数で 表せ. 周期を
最小に する と最小周期を 求めよ(必要なら を使ってよい).重心 その ものを 支えれば 周期が 最小に なる,と いう 考えの 誤りを 説明せよ.
支点Oの下側に重心Gがある傾いた棒.OG=d,全長l,鉛直からの微小角θを示す.
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考え方 軸を
で,回転の運動方 程式は .微小角で とすると, である.ここでの周期は 微小振幅の 極限であり,大きな 振幅に そのまま 使う ことは できない. 根号内の
を微分すると . の前で 負,後で 正だから ここが 最小で,許された 範囲にも 含まれる. より . では重力の 復元トルクが 消える 一方,慣性モーメントは に残るので 周期は 発散する. ではそもそも 重力に よる 振り子運動に ならない.
ポイント 教える
慣性モーメントには,どの
軸に ついての 量かを 言葉で 添えさせる. 角加速度と
角速度,トルクと 仕事率の 違いを 確認する ことが 重要である. 滑車の
張力差を,回転を 加速する 原因と して 説明させる. 最適化では,数式の
極値が 許された 範囲に 入るかまで 確かめさせる.