ゆらぎと拡散(発展)
熱伝導と粘性の演習
著者:柚木芹香
温度差と
演習 1
長さ
両端の
温度差が の定常状態で,高温端から 低温端へ 軸をとり,熱流束 と熱流 を求めなさい. 両端も
断熱した後の 均一化の 時間を 見積もり,同材質で 長さ2倍の 場合と 比べなさい.
長さL=2.0 cm,断面積S=1.0 cm²の棒の側面は断熱され,両端の温度差は20 Kである.z軸は高温端から低温端へ向かい,熱流束qと熱流Pも同じ向きに流れる.
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考え方 熱流束を
フーリエの
法則より , で,高温端から低温端へ 流れる. . が目安である.長さ2倍では 時間は4倍と なる.
演習 2
長さ
高温側から
, の順に つなぎ,直列の 熱抵抗と 接続点の 温度を 求めなさい. 並列の
熱抵抗と,直列に 対する 全熱流の 倍率を 求めなさい.
各棒の長さはL,断面積はSで,熱伝導率はκと3κである.直列では高温側Thからκ,3κの順につなぎ,接続点をTiとする.並列では両方の棒が同じThとTcを共有する.直列では熱流が共通,並列では温度差が共通となる.
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考え方 直列では
, だから .接続点の温度は である. より .同じ温度差では となる.
演習 3
長さ
定常の
熱流 を求めなさい. 同材質を
厚さ だけ加え,外半径を にします.内外面の温度が 追加前と 同じなら,熱流は 何倍ですか.接触熱抵抗は 無視し, , とします.
追加前は内半径a,外半径2a,追加後は内半径a,外半径3aの円筒である.どちらも内面をTh,外面をTcに保ち,長さℓと材質は同じである.追加後の半径2aは材料の界面を表す.下に軸を含む断面と断熱された両端面を示す.
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考え方 面積が
半径
の面では . から まで積分すると .よって , である. より .厚さ2倍でも,面積も増すので 熱流は 半分に ならない.
演習 4
間隔
下板からの
高さを ,下流向きの 速度を とし,力の つり合いから 速度分布を 求めなさい. 各板の
粘性力を 向きも 含めて 求めなさい.圧力差と 寸法は 同じで, が2倍なら速度と 力は 何倍ですか.
上面図に流路長Lと幅wを,下の側面図に板間隔dと下板から上向きのz軸を示す.入口の圧力は出口よりΔpだけ高く,液体は右へ流れる.上下の板は静止している.高さzの厚さdzの薄い層を緑で示し,その流速をu(z)と記す.
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考え方 層を
厚さ
の層では .2回積分し, を使うと
と
壁での
勾配の 大きさは .各板の力は で,両方とも下流 向きである. が2倍なら勾配は 半分と なり,速度は 半分,力は 不変である.
演習 5
理想気体の
から が数密度に よらない ことを 示しなさい.等温で 圧力2倍,等圧で 温度4倍に した 場合の の倍率を 求めなさい.ともに とします.固定温度で
のとき です.隙間 で となる 圧力を 求めなさい.異なる 壁温度を 保ち, から に下げると,気体の 熱流は 何倍ですか.放射と 支持材の 熱伝導は 除きます.
同じ隙間dと壁温度Th>Tcをもつ2つの気体を比べる.左のλ≪dでは分子は衝突を繰り返し,輸送距離はλ程度である.右のλ≫dでは途中で衝突せず壁から壁へ直行し,輸送距離はd程度に限られる.
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考え方 分子数の
, で は消える. , , より,等温では順に 倍.等圧では が1/4倍で,順に 倍となる. より境目は . で輸送距離は 壁間隔と なる.壁温度 一定で 熱流は に比例し,約1/10倍に なる.真 空 断熱は この 領域で 効く.
ポイント 教える
熱流束と
熱流の 違いを 単位で 説明させます. 直列と
並列で 共通の 量を 問い,接続点の 温度を 確かめさせます. 円筒で
厚さだけを 使う 誤りには,各半径の 面積を 描かせます. 静止板の
粘性力を 問い,両板の 力の 和を 圧力の 力と 比べさせます. 密度に
よらない 結論の 適用条件を,自由行程と 隙間で 説明させます.