確率振幅から組み立てる量子力学(発展)
同種粒子と光子の統計の例題
著者:柚木芹香
本体の
例題
例題 1
同じ
で,印の付いた 区別できる 粒子,アルファ粒子(スピン0),スピンの そろっていない 電子の ビームどうしに ついて,検出確率の 比を 求めよ.電子の 両ビームは 無偏極で,2粒子の スピンに 相関は ないと する. で同じ3つの 場合の 確率を の何倍かで 求め,区別できる 粒子に 対する 比を 求めよ.
左右から粒子1と粒子2が同じ速さで入射する.検出器Dは粒子1の入射方向から角θにある.実線は粒子1がDへ,粒子2が反対側へ行く過程,破線はその入れ替えである.π−θは反対側へ出る粒子1の入射方向から測る散乱角である.線は見分けやすくずらした模式的な道すじである.
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考え方
検出器に
2つの
である.
では .区別できる粒子は ,アルファ粒子は ,電子は .比は
である.
では , .
同じ
区別できる
確かめ:アルファ粒子の
例題 2
1つの
温度
の熱放射の 中で,波長 の可視光の モードと,振動数 のマイクロ波(アンモニア分子の 遷移)の モードの 平均光子数を 求め,誘導放出と 自発放出の どちらが 主に なるかを 答えよ. 温度
の熱平衡に ある 原子の 集団(準位差は 波長 に対応)に,光子数 のモードの 光を 通す.上下の 準位の 縮退度は 等しいと する.この 光は 強められるか.強めるには をどうすれば よいか.
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考え方
平均光子数は
.可視光では
なので
で,
その
モードへの 光子の 正味の 増加は 単位時間に
である.熱平衡では
確かめ:
例題 3
プランクの
波長が
と の間に ある 放射の エネルギー密度 を求めよ. が最大に なる 波長 について, を求めよ. の方程式は,くり返し代入で 数値的に 解いてよい. , , とする. が最大に なる 振動数 を求め, で と を比べよ.
同じ温度の黒体放射について,上は波長の幅あたりのエネルギー密度u_λ(λ),下は振動数の幅あたりのu(ν).山の位置にλ_maxとν_maxを付け,上のグラフにはc/ν_maxも示す.c/ν_maxはλ_maxより長い側にあり,一致しない.数値は入れてない.縦軸の尺度は上下で異なる.
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考え方
同じ
より .したがって
である.
とすると, は定数倍を 除いて である. と は1対1なので, が最大に なる を探せばよい.
これは
は定数倍を 除いて ( )で,同じ計算で . から始めて , , , , と収まる. なので, では
一方
確かめ:2つの
ポイント ここまでの
同種粒子の
散乱では,検出器に 入る 粒子を 入れ替えた 過程の 振幅を 組み合わせる.スピンの そろっていない 電子は,スピンが 同じ 場合と 反対の 場合の 確率を 平均する. では,区別できる粒子,スピン0の ボース粒子,スピンの そろっていない 電子の 確率の 比が になる. 誘導放出と
自発放出の 比は モードの 光子数で,室温では 可視光で ほぼ0,マイクロ波で 数百である.光を 強めるには 反転分布が 要る. プランクの
式から,波長で 数えたピークの 条件 と が出る.振動数で 数えたピークとは 位置が 違う.