非慣性系
慣性系と非慣性系
著者:柚木芹香
問い
駅を
電車の
左は地上から見た傾いたつり革と右向き加速度A.右は車内から見た同じつり革で,重力と張力だけでは合力が0にならない.
考えてみる
まず,地上に
重力は
です.辺々を
この
次に,電車の
加速する
慣性系と 非慣性系
定義 慣性系と
慣性系:慣性の
非慣性系:慣性系に
この
の
つり革の加速度を比較する.図中の記号と条件は「地上 S」「θ」「A」「a=A」「電車 S'」「a'=0」である.
つり革では,
見かけの 力と いう 考え方
と
定義 見かけの
非慣性系で
見かけの
向きは,系の
加速度 と逆向きである. 大きさは,物体の
質量に 比例する. 他の
物体から 受ける 力ではない.そのため,作用・ 反作用の 反作用に あたる 力が,どこにも 存在しない.
つり革の
地上(慣性系) | 電車の | |
|---|---|---|
つり革の | ||
働く | 重力 | 重力 |
運動方程式 |
下の
な ぜ,わざわざ非慣性系で 考えるのか
地面と
私たちが
立っている 地球が,厳密には 非慣性系だから.地球は 自転している ため,地面に 固定した 基準系は 加速しています.普通の 実験では 無視できますが,台風や 海流,長い 距離を 飛ぶ弾道を 調べる ときは,この 効果が 現れます. 乗り物の
中の 観測は,その 乗り物を 基準に するのが 自然だから.電車の 中の 人に とっての「落ちる」「傾く」「止まっている」は,電車に 対する 運動です. 解きやすくなる
ことが あるから.系の 中で 静止している 物体は なので,つり合いの式だけで 済みます.上の つり革は,その例です.
ただし,便利さの
ポイント 非慣性系で
最初に,どの
基準系で 考えるかを 決める. 慣性系で
考えるなら,実際に 働く 力だけを 数える.見かけの 力は 入れない. 並進する
非慣性系で 考えるなら,実際の 力に,並進に よる 見かけの 力 を加える. 2つの
立場を 途中で 混ぜない.慣性系の 加速度を 使いながら 見かけの 力も 足すと,同じ 効果を 二重に 数えてしまう.
ポイント ここまでの
問いの
答え:つり革を 後ろへ 傾けている 力は,実在しない.電車の 中の 人から 見た ときだけ,後ろ 向きの 見かけの 力(慣性力) が重力と 張力に 加わって,3つの 力が つり合う. 地上の
人から 見れば,つり革は 前へ 加速する ために 傾いている.同じ 現象が,どちらの 立場でも 説明できる. 慣性系に
対して 向きを 変えずに 加速度 で動く(並進する)基準系は 非慣性系で,運動方 程式が そのままでは 成り立たない. から, となる. 並進に
よる 見かけの 力 を足すと,並進する 非慣性系でも 運動方 程式の 形が 使える.向きは と逆で,大きさは 質量に 比例し,反作用の 相手は ない. 非慣性系で
考える 理由は,地球自体が 非慣性系である こと,乗り物の 中の 観測が 自然である こと,静止した物体が つり合いで 解ける ことの3つである. どちらの
系で 考えるかを 先に 決め,途中で 混ぜない.