非慣性系
慣性系と非慣性系の演習
著者:柚木芹香
同じ物体の
演習 1
地上を
慣性系と
みなせる 観測室を 選び,理由を 述べよ. ウの
室内で,水平な 力を 受けない 小球を 室内に 対して 静止させて 放す.直後の 小球の 相対加速度と,導入する 慣性力の 向きを 述べよ.
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考え方 系の
アと
イである.両者の 原点の 加速度は0で,軸も 回らないので,任意の 物体に ついて が成り 立つ.ウは 速度の 大きさが 変わり,エは 速さが 一定でも 速度の 向きが 変わる ため,原点が 加速する 非慣性系である.エの 軸が 回らないと いう 条件でも,原点の 加速度は 消えない. ウの
加速度 は西向きである.小球の 水平加速度は 地上では0なので, は東向きと なる.室内で 加える 慣性力 も東向きである.小球を 東へ押す新しい 物体が 現れた わけではなく,観測室の 速度が 減って 小球との 相対速度が 生まれる.初めの 相対速度が0でも,相対加速度まで0とは 限らない.
演習 2
右向きを
地上での
加速度 と台車での 加速度 を求めよ. 台車での
運動方 程式を 書き, と書く 誤りを 説明せよ.
同じ物体と力を二つの系で見る.図中の記号と条件は「地上 S」「F」「A」「台車 S'」である.
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考え方 まず
. だから である.物体自身が左へ 加速する 効果と,台車が 右へ 加速する 効果が,相対 運動では 加わる.台車の 速度は 与えられていないが,加速度の 差を 求める ためには 不要である. 慣性力は
なので,台車では と書く.左辺を にすると,地上の 加速度に 対して 台車用の 慣性力を 足してしまう.正しくは を移項して 得られる 式であり,どの 座標系の 加速度かを プライムで 明示する ことが 二重計算を 防ぐ.
演習 3
質量
体重計の
示す垂直抗力 を地上と 箱の 両方から 求めよ. 同じ
下向き加速度の まま,箱が 下降へ 転じた 場合,目盛りは 変わるか.体重計が を質量と して 表示する ときの 値も 求めよ.
上昇しながら減速する箱.図中の記号と条件は「地上 S」「箱のV」「A」「箱 S'」である.
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考え方 上昇か
地上では
なので .したがって である.箱では で,慣性力は上向きに .よって となり,同じ値を 得る.重力 その ものが 小さくなったのではない. 加速度が
同じなら も同じである.速度が0を 通過する 瞬間にも 加速度は 残る ため,静止中の 通常の 目盛りに 戻るわけではない.表示は となる.人の 質量は のままであり,表示は 接触力を 一定の で割った 値に すぎない.この 問題では なので,人と床が 接触し続ける 仮定にも 矛盾しない.
演習 4
水平右
と張力 を求めよ. 車が
急に 等速運動へ 移った 直後,小球は 鉛直位置へ 瞬時に 移るか.糸が 張っていると して 説明せよ.
加速中の車内の糸.図中の記号と条件は「θ」「A」である.
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考え方 定常な
車内では
, .割り算から ,二式の二乗和から を得る.地上では 張力と 重力の 合力が 右向きの であり,静止の式ではなく 加速の 式と して 同じ 関係が 出る. 瞬時には
移らない.有限の 力では 位置や 速度は 飛び変わらず,小球は 傾いた 位置で 相対速度0の まま 加速終了を 迎える.慣性力が 消えると,重力の 接線成分で 鉛直位置へ 向かって 動き出す.抵抗が なければ 鉛直位置を 通り過ぎて 振動し,抵抗が あれば 振動が 減衰して 鉛直に 落ち着く.新しい つり合い 位置と,切替直後の 実際の 位置を 区別する 必要が ある.
演習 5
高さ
車内での
落下時間と,Pの 真下から 測る 着地点の 水平変位を 求めよ. 地上の
座標で 同じ 結果を 導き,結果が に依存しない 理由を 説明せよ.
天井から球を放す二つの見方.図中の記号と条件は「地上 S」「P」「h」「A」「車内 S'」である.
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考え方 車内では
Pの
初期位置を 車内の 原点,右向きと 上向きを 正と すると, , .床は だから .水平変位は で,車の後方へずれる.重力と 慣性力は ともに 質量に 比例するので,結果は 球の 質量にも 依存しない. 地上では
球の 水平位置は ,Pの水平位置は .差を取ると である.鉛直方向は車が 加速しないため落下時間も 同じと なる.初めの 共通速度 は差から 消え,どちらの 観測者も 同じ床上の 点への 衝突を 予測する.球が 後方へずれるからと いって,地上で 球が 左向きに 加速するとは 限らない.
ポイント 教える
速さ一定と
速度 一定を 区別し,円 運動を 反例と して 説明させる. 力の
図には 観測する 系の 名前を 書かせ,加速度の プライムと 対応させる. 体重計の
値を 質量 その ものと 同一視しない ことが 重要である. つり合い
位置の 変化と 実際の 過渡 運動を 分けて 問いかける.