問いしるべ
問いから始める物理 対称性から組み立てる力学(発展)

対称性から組み立てる力学(発展)

相互作用と力の演習

著者:柚木芹香

U から力を定義し,その対称性から作用反作用を確かめましょう.

演習 1

オリジナル ★☆☆☆☆

平面内の質量 0.50kg の粒子に,外から位置エネルギー U=Axy,A=4.0Jm−2 を与えます.

  1. L を書き,運動方程式を導いてください.

  2. (x,y)=(0.20,−0.30)m での力と加速度を成分で求め,原点を向くか答えてください.

x が正,y が負の位置に粒子 P を示す.力や加速度の向きは描かない. x が正,y が負の位置に粒子 P を示す.力や加速度の向きは描かない.
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考え方 U の勾配に負号を付けて力を決める.

  1. L=m(x˙2+y˙2)/2−Axy.偏微分して mx¨=−Ay,my¨=−Ax.よって力は (−Ay,−Ax) である.

  2. 力は (1.2,−0.80)N,加速度は (2.4,−1.6)ms−2.原点へ向く変位と逆の符号なので,原点を向かない.

確かめ:右下へ動けば U は減り,力の向きと合う.

演習 2

オリジナル ★★☆☆☆

2粒子の距離を r=|r1−r2|>0,位置エネルギーを U=C/r2(C>0)とするモデルを考えます.

  1. 力をベクトルで求め,引力か斥力か答えてください.

  2. C=0.18Jm2,r=0.60m での力の大きさを求めてください.粒子1,2の質量が順に 0.50kg,1.5kg なら,加速度の大きさの比を求めてください.

原点から各粒子への位置ベクトル r₁,r₂ と粒子間の距離 r を示す.力の向きは入れない. 原点から各粒子への位置ベクトル r₁,r₂ と粒子間の距離 r を示す.力の向きは入れない.
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考え方 距離の関数の勾配を使う.

  1. U′(r)=−2C/r3 より

F1=2Cr4(r1−r2),F2=−F1

である.力は粒子間の直線に沿い,相手から離れる向きなので斥力となる.

  1. 大きさは 2C/r3=0.36/0.603≈1.7N.a1=F/m1,a2=F/m2 より a1:a2=m2:m1=3:1.

確かめ:距離を増やすと U は減る.

演習 3

オリジナル ★★☆☆☆

質量 m の粒子に,位置エネルギー U=k(x−ut)2/2(k,u>0)を外から与えます.初期条件は x(0)=x˙(0)=0 です.

  1. L から方程式を立て,ξ=x−ut を使って x(t) を求めてください.

  2. m=0.50kg,k=2.0Jm−2,u=0.40ms−1 のとき,t=π/4s の位置と速度を求めてください.

破線は位置エネルギーが最小になる位置 x=ut で,右へ速さ u で移動する.粒子 P は別の位置に示し,その後の運動は描かない. 破線は位置エネルギーが最小になる位置 x=ut で,右へ速さ u で移動する.粒子 P は別の位置に示し,その後の運動は描かない.
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考え方 最小点からのずれで単振動の式にする.

  1. L=mx˙2/2−k(x−ut)2/2 より mx¨=−k(x−ut).Ω=k/m とおけば ξ¨=−Ω2ξ.初期条件は ξ(0)=0,ξ˙(0)=−u なので

ξ=−uΩsin⁡Ωt,x=ut−uΩsin⁡Ωt,x˙=u(1−cos⁡Ωt)
  1. Ω=2.0s−1,Ωt=π/2 より,x=0.40π/4−0.20≈0.11m,x˙=0.40ms−1.

確かめ:初めは最小点にいるので力は0で,解も x¨(0)=0.最小点が動くので静止は続かず,粒子だけでは閉じた系でない.

演習 4

オリジナル ★★★☆☆

特別な向きを許す仮想的な平面モデルで,

U=k2[(x1−x2)2+4(y1−y2)2](k>0)

とします.

  1. 力とその和を求め,全体の平行移動で U が不変になることを示してください.

  2. 相対位置 (a,2a)(a>0)で力は粒子間の直線に沿いますか.全体を90度回して相対位置を (−2a,a) にしたときの U と比較してください.

  3. 等方な空間内の閉じた2粒子系として使えるモデルですか.

粒子2を中心に粒子1の相対位置を (a,2a) から (−2a,a) へ90度回す.軸の向きは固定し,粒子間の線だけを描く. 粒子2を中心に粒子1の相対位置を (a,2a) から (−2a,a) へ90度回す.軸の向きは固定し,粒子間の線だけを描く.
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考え方 一様性と等方性を分ける.

  1. Δx=x1−x2,Δy=y1−y2 とおくと

F1=(−kΔx,−4kΔy),F2=−F1

となり,和は0.全体をずらしても差は変わらず,U は不変.

  1. 力は (−ka,−8ka) で,相対位置 (a,2a) と成分の比が違い,平行ではない.U は回転前が 17ka2/2,回転後が 4ka2.同じ距離でも値は異なる.

  2. 使えない.一様だが等方でなく,逆向きの力でも作用線は一致しない.

確かめ:係数4を1に替えると U=k|r1−r2|2/2 で回転でも不変となり,力は粒子間の直線に沿う.

演習 5

オリジナル ★★★☆☆

直線上の同じ質量 m の3粒子が,U=A(x1−2x2+x3)2/2(A>0)を持つモデルを考えます.初期位置は (0,a,3a)(a>0),速度はすべて0です.

  1. L から方程式を求め,力の和が0の理由を U の対称性から説明してください.

  2. s=x1−2x2+x3,Q=(x1+x2+x3)/3,d=x3−x1 の方程式を作り,各粒子の位置を求めてください.

同じ質量の3粒子を,x₁=0,x₂=a,x₃=3a に置く.力や運動の答えは描かない. 同じ質量の3粒子を,x₁=0,x₂=a,x₃=3a に置く.力や運動の答えは描かない.
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考え方 方程式の和と差で s,Q,d の運動を分ける.

  1. L=m(x˙12+x˙22+x˙32)/2−As2/2 から

mx¨1=−As,mx¨2=2As,mx¨3=−As

となり,力の和は0.全体の変位 ε に対して s の変化は ε−2ε+ε=0.一様性が力の和を0にする.

  1. s¨=−6As/m,Q¨=d¨=0.Ω=6A/m とおくと s=acos⁡Ωt,Q=4a/3,d=3a.逆に解けば x1=Q−d/2+s/6,x2=Q−s/3,x3=Q+d/2+s/6 なので

x1=a6(cos⁡Ωt−1),x2=a3(4−cos⁡Ωt),x3=a6(17+cos⁡Ωt)

確かめ:(1) と初期状態を満たす.粒子1と3の力は同じ向きでも,全体の和は0である.

ポイント 教える人へ

偏微分の負号と,全体の移動を確認してください.一様性と等方性を別々に問います.全体の力の和が0でも,2粒子の力が逆向きとは限りません.