問いしるべ
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光

光学距離と干渉縞の演習

著者:柚木芹香

光学距離と反射の位相を数えてください.特記なければ真空波長 λ0=600nm,d=0.400mm,L=1.20m,空気の屈折率1とし,吸収と分散を無視します.

演習 1

オリジナル ★☆☆☆☆

同位相で照らす2スリットの装置全体を,距離を変えずに屈折率 n=1.50 の液体に入れる.

小角近似で,空気中と液体中の縞間隔を求めよ.

屈折率nが1.50の液体中に,間隔dの2スリットと距離Lのスクリーンを置く.スクリーンの中央を0とする横座標xを示す. 屈折率nが1.50の液体中に,間隔dの2スリットと距離Lのスクリーンを置く.スクリーンの中央を0とする横座標xを示す.
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考え方 明線の光路差は真空波長の整数倍である.

中央からの座標を x とすると,小角で経路差は dx/L なので,光路差は Δ=ndx/L.明線の条件 Δ=mλ0 から間隔は w=Lλ0/(nd).空気中は 1.80mm,液体中は 1.20mm である.

近似条件は d/L,|x|/L が十分小さいことである.

演習 2

オリジナル ★★☆☆☆

同位相で照らすヤングの装置で,上下のスリットを x=±d/2 とする.上側に屈折率 n=1.50,厚さ h=1.80μm の板と減光板を垂直に置く.上側からの電場振幅は下側の半分になる.板以外の位相変化と多重反射は無視する.

  1. 板を置く前の中央明線が移る向きと距離を求めよ.

  2. 下側だけの強さを I0 とし,合成の強さ,最大値,最小値を複素振幅から求めよ.

上のスリットの直後に屈折率1.50,厚さhが1.80 μmの板と減光板を置く.上下のスリット位置はxが±d/2で,xの正方向を上向きにとる. 上のスリットの直後に屈折率1.50,厚さhが1.80 μmの板と減光板を置く.上下のスリット位置はxが±d/2で,xの正方向を上向きにとる.
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考え方 板による光学距離の増加は,置き換えた空気の分を引く.

  1. 上側から下側を引いた光路差は Δ=(n−1)h−dx/L.中央明線は Δ=0 より x=L(n−1)h/d=2.70mm.板のある上側へ移る.

  2. ϕ=2πΔ/λ0 とする.下側の複素振幅を E0 とすれば,上側は E0e−iϕ/2.電場は和に eiωt を掛けた実部,強さは和の絶対値の2乗に比例し

I=I0|1+12e−iϕ|2=I0(54+cos⁡ϕ),Imax=94I0,Imin=14I0

となる.振幅の差が残るため暗線は0にならない.d/L,|x|/L が小さい範囲の近似である.

演習 3

オリジナル ★★☆☆☆

ガラス板の間に,接点から距離 ℓ=45.0mm の位置で厚さ h となるくさび形空気層を作る.ガラスの屈折率は ng=1.60.ほぼ垂直に照らし,層の上下からの反射の干渉を観察する.暗線の間隔は w=0.750mm であった.

接点が明るいか暗いかを説明し,h を求めよ.

ガラス板の接点から距離ℓが45.0 mmの位置に厚さhの空気層がある.ほぼ垂直な入射光と,ガラスの屈折率n_gを示す. ガラス板の接点から距離ℓが45.0 mmの位置に厚さhの空気層がある.ほぼ垂直な入射光と,ガラスの屈折率n_gを示す.
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考え方 反転は一方の反射だけに起こる.

ガラスから空気への反射は反転せず,空気からガラスへの反射は π ずれる.接点は光路差0で暗い.位置 x の厚さは t=hx/ℓ.暗線は 2t=mλ0 なので w=ℓλ0/(2h).よって h=ℓλ0/(2w)=18.0μm.

くさびの傾き h/ℓ=4.00×10−4 が小さく,同じ厚さで上下を比較する近似が有効である.

演習 4

オリジナル ★★☆☆☆

空気,薄膜,基板の屈折率を 1,nf=1.25,ns=1.5625 とする.垂直入射の複素振幅反射係数は

r=r0(1+e−iψ)1+r02e−iψ,r0=−19,ψ=4πnftλ0

で与えられる.多重反射を含む式で,t は膜厚,反射率は |r|2 である.

  1. λ0=500nm の反射を消す最小の正の膜厚を求めよ.

  2. 膜厚を2倍にしたときの反射率を求めよ.

屈折率1の空気,屈折率n_fが1.25の薄膜,屈折率n_sが1.5625の基板を示す.膜厚をtとし,光は垂直に入射する. 屈折率1の空気,屈折率n_fが1.25の薄膜,屈折率n_sが1.5625の基板を示す.膜厚をtとし,光は垂直に入射する.
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考え方 反射振幅の分子を0にする.

  1. r0=−1/9.分子0には e−iψ=−1,最小位相は ψ=π.分母は 1−1/81≠0 なので t=λ0/(4nf)=100nm である.

  2. t=200nm では ψ=2π なので r=(−2/9)/(1+1/81)=−9/41,反射率は 81/1681=0.0482.膜厚と反射率は単調な関係ではない.

演習 5

オリジナル ★★★☆☆

マイケルソン干渉計の一方に長さ ℓ=0.0500m の気体セルを置く.光はセルを往復し,温度一定で圧力 p に対し n−1=κp とする.λ0=500nm の光を用い,基準からの光路差を λ0 で割った符号付きの縞の本数 N を測った.基準は,セルを真空にし,窓を含む両腕の光学距離を等しく調整した状態とする.鏡には基準状態から一定のずれ ε があり得る(遠ざかる向きが正).窓の寄与は一定である.

p

N

0Pa

0.60

2.00×104Pa

8.60

6.00×104Pa

24.60

  1. N と p の関係から κ,ε を求めよ.

  2. ずれを無視し,p=2.00×104Pa の1点だけで κ を決めると,相対誤差はいくらか.

半透鏡から分かれる2本の腕を示す.一方の腕の気体セルの長さはℓで,光はセルを往復する.鏡の変位εの正方向は半透鏡から遠ざかる向きである. 半透鏡から分かれる2本の腕を示す.一方の腕の気体セルの長さはℓで,光はセルを往復する.鏡の変位εの正方向は半透鏡から遠ざかる向きである.
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考え方 傾きから気体の変化を,切片から鏡のずれを決める.

  1. 光路差の変化は Δ=2ℓκp+2ε.N=Δ/λ0 だから傾きは 2ℓκ/λ0,切片は 2ε/λ0.表の傾きは 8.00/(2.00×104Pa)=4.00×10−4Pa−1 で各区間で一致する.κ=λ0(4.00×10−4Pa−1)/(2ℓ)=2.00×10−9Pa−1,ε=0.60λ0/2=0.15μm.

  2. 1点からの値は κ′=Nλ0/(2ℓp)=2.15×10−9Pa−1.相対誤差は (κ′−κ)/κ=0.075,7.5 %の過大評価となる.p=0 のずれは気体の寄与ではない.

演習 6

オリジナル ★★★☆☆

2スリットの横座標を ±d/2,スクリーンの横座標を x とする.点光源はスリットの前方 D=0.600m,横座標 s にある.各光源の2スリット経由の振幅は等しい.

  1. 小角近似で全光路差を求め,光源を s=0.300mm へ移したときの中央明線の位置を求めよ.

  2. 点光源を,同じ強さで位相が無相関な2光源 s=±s0 に置き換える.縞が消える最小の正の s0 を求めよ.

上段は横座標sの1光源,下段は横座標±s₀の無相関な2光源の配置である.光源からスリットまでD,スリットからスクリーンまでLをとる. 上段は横座標sの1光源,下段は横座標±s₀の無相関な2光源の配置である.光源からスリットまでD,スリットからスクリーンまでLをとる.
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考え方 光源側の差も数え,無相関な光源の強さを足す.

  1. D2+u2≈D+u2/(2D) を使うと,上側から下側を引いた入射側の差は [(s−d/2)2−(s+d/2)2]/(2D)=−ds/D.出射側も同様に −dx/L だから Δ=−d(s/D+x/L).中央明線は Δ=0 より x=−Ls/D=−0.600mm で,光源と反対側へ移る.

  2. 片スリットからの強さを I0,ϕ=2πdx/(Lλ0),η=2πds0/(Dλ0) とする.複素振幅を足すと I±=I0|1+e−i(ϕ±η)|2=2I0[1+cos⁡(ϕ±η)].無相関なので交差項の平均は0で,合計は I++I−=4I0(1+cos⁡ϕcos⁡η).縞が消える最小条件は η=π/2 だから s0=Dλ0/(4d)=0.225mm.近似条件は d/D,|s|/D,d/L,|x|/L が十分小さいことである.

ポイント 教える人へ

  • 光路差と反射の位相を数えさせます.

  • 暗線の振幅条件を問います.

  • 無相関な光源では強さを足す理由を問います.