全範囲の総合演習
IPhO の問題を発展させる(2)
著者:柚木芹香
IPhO の
総合演習 57
動く
質量
落下の
速さ ,法線力積 ,摩擦力積 と滑りが 止まる 条件を 求めよ. 衝突後の
水平速度 ,角速度 ,次の接触までの 水平 移動距離を 求めよ. 水平並進と
回転の エネルギー ,駆動の仕事 ,摩擦熱 の収支を 導け.滑りが 止まる 場合に が増す条件と,摩擦熱が 正である 理由を 述べよ.
質量m,半径rの円板を,最下点とベルトの間の高さhから落とす初期配置.重心の並進速度は0,角速度ω_0は時計回りである.ベルトの速さUは右向きで,x軸は右,y軸は上を向く.
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考え方
滑りの
より .衝突後の上向き速度は なので .時計回りを正と すれば
初めの
なら
速度と
角速度は(1)の を最初の 式に 代入すればよい.飛行時間 より .初終の
運動エネルギーを 引けば
ベルトへは
従って
総合演習 58
熱を
真
球殻の
積分で,重力エネルギー の と巨視的 運動の エネルギーを 求めよ. 放射を
止めた 可逆断熱の 変形で, とする. ,平衡半径 の温度,安定条件,小 振動の 角振動数を 導け. で平衡を ほぼ保ち放射で 収縮する.熱容量を 無視できる 外層が ( 一定)を保ち, を放射し,入熱は0と する.全エネルギーと 温度の 関係,半径の 変化, までの時間を,初期放射仕事率 で表せ. , の比で 準静的近似を 検査せよ.収縮中に 条件は 満たしやすくなるか.
一様密度の質量M,半径rの気体球を断面で示す.中心から距離sの球殻と半径rを示し,収縮時の内向き速度を青い矢印で表す.要素の速度はs ṙ/rで,半径に比例する.外層温度はT_sで,放射は外向きの矢印で示す.
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考え方
エネルギーの
, だから
各要素の
体積は に比例する.断熱の 一定より , . とおけば
曲率は
なら .従って
放射で
半径は
より
比が
総合演習 59
電場計の
一様な
一定として 複素インピーダンスで 定常電圧 を求めよ. とし,振幅と 面積変化に 対する 位相を 示せ. , , とする.同じ電場・ 抵抗での 測定から を決めよ.振幅に1 %の 不確かさが ある とき,両周波数とも が小さい 場合と 大きい 場合の 推定の 限界を 説明せよ.
電圧振幅 | |
|---|---|
の系統誤差を1 %以下に する 条件と,今回の 高い 周波数での 過小評価率を 求めよ.電場の 変化時間 ,装置の大きさ ,光速 を使い,周波数を 上げる 方法の 条件も 示せ.
上向きの一様電場E中に検出板と接地した可動遮蔽板を置く.検出板の露出面積はA(t)=A_0+A_1 cos ωtである.検出板から接地まで抵抗Rと容量Cを並列につなぎ,検出板の電圧をVとする.抵抗は長方形,コンデンサーは平行な2本の線で示す.
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考え方
振幅比で
とすると . より並列回路は なので
実部に
, とする.周波数比は4なので
低周波では
.これを0.99以上とする 不等式を2乗して 解くと .今回の では比が0.894,約11 %の 過小評価と なる.電場一定と 集中定数回路の 近似には, と が十分 小さい ことを 要する.検出電圧に よる 場の 変化も 小さい ことを 要する. は時間の 次元で, の振幅は となる.
総合演習 60
冷却する
質量
と
平均力を
の形まで 展開し,平均速度の 減衰時間を 求めよ. 1回の
力積 の2乗平均から, の2乗平均の方程式と 定常値を 導け. , は十分 小さいと する. と定義する 温度と その 最低値を 求めよ. 強さ一定で
最も 速く 減衰させる 離調と,その 温度を 求めよ.最低温度の 状態で , とし, , で近似を 検査せよ. , .平均力だけで温度0を 予測する 問題点も 述べよ.
質量mの原子にx軸の両側から等強度のレーザー光を照射する.入射光の波数はkで,光の矢印は原子へ向く.原子の速度vはx軸に沿う.斜めの外向き矢印は運動量の大きさℏkの放出光子を示し,放出方向のx軸に関する方向余弦をn_xとする.
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考え方
吸収率の
放出の
平均力積は0で . とし,率を 展開すると .従って
1回の
力積は なので . を各率で 平均する.第1項は ,第2項では率の 和を 速度0で 評価して
定常値は
の微分の 符号は で決まる.最大は ,従って .温度比は で,最低温度とは異なる.最低温度では , .速度の展開と 反跳を 微小変化と する 近似は 自己整合的である.平均力だけなら 運動は0へ 減衰するが,力積の2乗は0にならず反跳で 加熱する. の次元は 質量を 時間で 割った もの. では摩擦が 消え,温度の 式が 発散して 小速度近似も 破れる.