電流と磁場
磁場の中の荷電粒子の演習
著者:柚木芹香
速度の
演習 1
質量
らせんの
半径,回転周期,1回転の 間に 磁場方向へ 進む距離を 求めよ. 速さだけを2倍に
した ときの 各量の 倍率と,磁気力の 仕事を 答えよ.
正イオンの入射速度vと一様磁場Bのなす角θを示す.破線は速度の平行成分と垂直成分を読むための投影である.
解答を見る
考え方 垂直成分は
, .向心力の式 より .周期は .ピッチは である.半径と
ピッチは2倍,周期は1倍.仕事率は なので仕事も0である.速さが 一定でも,速度の 向きは 変わる.
演習 2
陽子を
加速電場の
振動数と,収容できる 最大運動エネルギーを 求めよ. 半径の
限界を 超えない 加速回数の 最大整数を 求めよ.光速 と比べ,近似を 点検せよ.
二つの半円形電極の間に加速電圧Vを加える.紙面手前向きの一様磁場Bと使用可能な最大半径Rを示す.すき間は見やすく広げてある.
解答を見る
考え方 半回転ごとに
周期
の電場なら 半周期で 反転する.したがって . より . より,丸める前の 値を 使うと で最大150回. , で,捨てた相対論的補正の尺度 は小さい.すき間の 通過時間も 半周期に 比べて 十分 短いことが 前提である.
演習 3
正イオンを
100 | |
200 | |
300 |
直線化に
よって を決め,3点目を 検算せよ. 傾きの
相対不確かさを0.020, の相対不確かさを0.010と する.小さい 不確かさを 足して 上限を 見積もるとき, の相対不確かさを 求めよ.
正イオンを電圧Vで加速して磁場Bの領域へ入れる.加速電圧には一定のずれV₀がある.磁場内で測る円弧の半径rを示す.
解答を見る
考え方 速さを
から .最初の2点より , .よって , .3点目は で一致する. なので,相対不確かさの上限は ,4.0 %である.これは不確かさの2次の 項を 無視する 近似で,各相対不確かさが1より 十分 小さい 範囲で 使う.
演習 4
第1領域から
出るまでの 時間と,境界での 位置と 速度を 求めよ. に達する 位置,速度,全通過時間を 求めよ. の場合も 示せ.
xが0からdでは磁場は紙面手前向き,dから2dでは奥向きである.正電荷の粒子は原点から正のx方向へ速さvで入射する.
解答を見る
考え方 位置と
とし,最初の 円弧の 回転角を とすると , . で出るので, ,位置は ,速度は である.第2領域での
経過時間を とすると 速度の 角は .変位は
演習 5
運動方
程式から を求めよ. 放した後で
初めて に戻る 時刻と 位置を 求めよ.最大の 速さと,電場の 仕事に よる 検算も 示せ.
正電荷qの粒子を原点から静かに放す.電場Eは正のy方向,磁場Bは紙面手前の正のz方向である.
解答を見る
考え方 速度の
, . とおけば .初期条件 より .積分して
サイクロイドである.
初めて
戻るのは ,位置は .速さの2乗は だから最大は .磁気力は仕事を せず, は電場の 仕事と 一致する.非相対論的近似には,最大速度での 無次元量 が1より十分 小さい ことが 必要である.
ポイント 教える
電荷の
符号と 曲がる 向きを 問います. 半径に
使う 成分と 周期の 独立性を 確認します. 軌道の
接続では 位置と 速度の 両方を 引き継が せます. 測定の
切片と 不確かさ,仕事を する 場,近似の 条件を 説明させます.