力学の総合演習
東大の過去問を発展させる(1)
著者:柚木芹香
力学の
総合演習 19
質量
B の固定を外す瞬間.A は糸の真下から右へ動きます.点線は解放前の支点の高さです.
解放直前の A の
速さ と糸の 張力を 求めてください. 解放後の
重心の 軌跡,二球の 相対位置,各球の 軌跡を 求めてください. 解放直後に
張力が 変わる 理由と,その後の 張力の 時間変化を 説明してください.二球が 最初に 同じ高さに なる 時刻も 求めてください. 解放直後の
運動エネルギーを 外部 運動と 内部 運動に 分けてください.速度 空間では,各球の 速度の 端点は 重心速度の 端点を 中心に どんな 円を 描きますか. , , のとき,同じ 高さに なる 時刻を 計算してください.
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考え方 一様な
高さ
の下降から .最下点の半径方向の 式 より,解放直前は である. , とおく.初期の重心位置と 速度から
相対位置を
これが
換算質量
の運動方 程式より,解放後は で一定.固定中には 支点の 反力が あったが,解放後は B も 加速する.力は 不連続に 変わって よく,有限の 力の 跳びで 速度は 跳ばない.高さが 等しい 最初の 時刻は .初期の
エネルギーは
ニュートンダイアグラムで,A と B の
総合演習 20
角度
圧縮されたばねで粒子を出口 A へ押し出します.着地面は出口と同じ高さです.
A での
速さと,そこに 正の 速さで 到達する 条件を 求めてください.圧縮量を 座標と する 有効な 位置エネルギーの 最小点も 示してください. 飛距離
を求め, , により,飛距離を 最大に する 条件を 三次方程式で 表してください.最大点が ただ 一つであることも 説明してください. と のそれぞれで,最適角の 主要な 近似を 求めてください.小さい でも射出できるのは なぜですか. , , の最適角と 最大飛距離を 数値で 求めてください.
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考え方 蓄えたばねの
圧縮量
の位置エネルギーを A 基準で とおくと,最小点は .保存則から
条件は
飛行時間
より
微分すると
正の
小さい
では ,したがって (ラジアン), .レールを十分寝かせれば 上昇に 要する エネルギーを 小さく できる.大きい では なので
圧縮量を
三次方
程式の 該当する 根は .したがって , .距離の式の 次元は 長さで,端の や では距離が ゼロに なる.
総合演習 21
底面の
前端が粗面に x だけ入り,右の滑車を介しておもり Q が引きます.図は四段の例で,転倒防止ガイドは省略しています.
での運動方 程式を 求め,単 振動型の 式に してください.この 式が 単振動に 似ていても,機械的エネルギー保存を 意味しない 理由を 述べてください. , , とおきます.最初に 速さが ゼロに なる 位置を 求め,部分進入で 止まる 場合,全体が 粗面に 入った 後に 止まる 場合,止まらない 場合を 分類してください. 積木間の
静止摩擦係数を ,粗面と底の 積木の 静止摩擦係数を とします.得られた停止位置まで 積木間が 滑らず,停止後も 動き出さない 条件を 求めてください. , , , , , , で,停止位置,そこまでの時間,必要な の下限を 計算してください.
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考え方 糸で
,ただし , .右へ滑る 区間では .熱に変わる エネルギーは で正である.左へ 動けば 摩擦の 向きが 変わる ため,この 式を そのまま 一周期に 延長できない. より,部分進入の候補は
どの
接触面でも,上側の 積木全体の 加速に 必要な 摩擦力を その 重さで 割ると となる.したがって
加速度が
, . なので初めて 止まるまで .加速度の絶対値の 最大は で, .停止保持には で足りるので,仮定を 満たす粗面なら 静止する. が結果に 入らないのは,転倒を ガイドで 除いた 模型だからである. では全進入後の 停止距離が 発散する.
総合演習 22
一直線上で
左のばね定数は k,右は 4k.自然長の位置の間隔は d で,左球だけを s だけ引いて放します.
滑らかな
床で とします.最初の衝突の 直前・直後の 速度を 求めてください. 最初の
衝突を , として,再衝突前の 両球の 位置を 求めてください.再衝突時刻を 決める 方程式を 書き,最初の 正の 根を 数値で 求めてください.それ以前に 別の 衝突が ない ことも 確かめてください. 再衝突までの
各ばねの 最大圧縮量と,再衝突直前・直後の 速度を 単位で求めてください.速度交換を ニュートンダイアグラムで 説明してください. 今度は
床を 粗くし,両球に 静止摩擦係数 ,動摩擦係数 を与えます.初期変位 を変え,左球が 動き出して 正の 速さで 右球に 衝突する ための 条件を 求めてください.衝突後の 運動は 問わず, とします.
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考え方 衝突中は
保存則より
左球の 入射速度は .等質量の一次元弾性衝突では 速度を 交換し,直後は 左球が ,右球が となる. とすると
求める
左ばねの
最大圧縮は で ,右ばねの最大圧縮は で .速度は , なので,再衝突直前は約 ,直後はその 逆.速度図の 中心は 衝突瞬間の で,相対速度の端点を 中心の 反対側へ移す 操作が 速度交換に なる.全エネルギーは 最初から で,式を代入しても 一定である. 動き出すには
.右へ動く間の 仕事から
総合演習 23
半径
中心 O を通るトンネル.右の入口 R から P を先に,Q を時間差で放します.球の位置は放出順を示す模式図です.
単球の
運動方程式と 周期を 導き,二球の 最初の 衝突時刻・位置・直前の 速度を 求めてください. Q の
放出後,重心座標 と相対座標 に運動を 分けてください.衝突に よる エネルギー損失は,どちらの 運動に 属しますか. 衝突は
どの 間隔で,どこで 起こりますか.第 回の衝突直後の 内部 エネルギーと,長時間後の 各球の 運動を 求めてください.有限時間で 衝突が 無限回起こるかも 答えてください. , , , とします.周期を分で,第4回衝突後の 内部 エネルギーを 衝突前の 内部 エネルギーとの 比で 示してください.
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考え方 同じ
内部質量
より ,周期 .放出後の自由軌跡は , .最初の交点は
Q の
衝突間は
, .重心は衝突を 通して 滑らかで
ポテンシャルの
衝突時は
各衝突直後から
相対位置は 正弦関数と なるので,次の ゼロは 必ず 後.第 回は ,位置は .初回直前の内部 エネルギーを とすれば, .両球の差は ゼロへ 近づくが,重心は 振幅 で振動を 続ける.衝突間隔は 縮まらないので,有限時間内の 無限回衝突は ない. なら内部 運動は 減衰せず, なら重心振幅が ゼロに 近づく. , (約 %). の次元は 時間の 逆二乗であり,周期が や に依存しない こととも 整合する.
ポイント この
同じ
運動を 重心と 相対 運動に 分けると,拘束力や 衝突の 役割が 見えます. エネルギーで
求めた 到達候補には,接触・静止・射出の 条件を 添えます. 最適化や
再衝突では,方程式の 根だけでなく,許される 区間と 最初の 事象を 確かめます. 繰り返しで
失われる 内部エネルギーと,残る 重心 運動を 区別します.