電磁誘導と交流
運動起電力の例題
著者:柚木芹香
導体の
例題
例題 1
水平と
斜面に沿う図と横からの図.間隔lのレールの上端を抵抗Rで結び,質量mの棒が斜面を下る.磁場Bは斜面に垂直で,斜面の傾きはθである.
棒の
速さが のときの 電流と 運動方 程式を 書き,終端速度 を求めよ. , , , , , で値を 求めよ. 放してからの
速さ を求めよ. 放してから
斜面に 沿って 距離 だけ滑る間に,抵抗を通った 電荷と 発生した ジュール熱を 求めよ. は十分 大きく,棒は すでに 終端速度に 達しているとする.
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考え方 運動起電力
起電力は
だから .棒が受ける 磁気力の 大きさは で,レンツの法則に より 斜面を 上る 向きである.斜面を 下る 向きを 正と して
である.右辺が0に
である.
とおくと,運動方程式は となる. より .数値では である.電荷は
で,回路の磁束の 変化量 を で割った ものに 等しい.エネルギーの 収支は,重力の した 仕事が 運動エネルギーと ジュール熱に なるので
である.
確かめ:終端速度では
例題 2
水平な2本の
初期状態で棒1だけが右向きの速さuをもつ.左はどこでも間隔lのレール,右は棒2の側の間隔がl/2のレールである.磁場Bは鉛直下向きで,紙面の奥向きを⊗で示す.
レールの
間隔が どこでも のとき,2本の 棒の 運動量の 和が 保存される ことを 示し,十分 時間が たった 後の 速さを 求めよ. 2本の
棒の 速さの 差 の時間変化と,発生する ジュール熱の 総量を 求めよ. 棒1の
所の レールの 間隔が ,棒2の所の 間隔が で,2つの部分は レールに 垂直な 短い 導線の 段で つながっているとする.棒は それぞれの 部分から 出ないと して,十分 時間が たった 後の 速さと 発生する 熱を 求め,運動量の 和が 保存されない 理由を 述べよ.
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考え方 2本の
2本とも
右へ 動くと,回路を 貫く 磁束は の速さで 変わる.したがって 電流の 大きさは で,棒1には左向き,棒2には 右向きに,同じ 大きさ の力が 働く.
を
2つの
式から .ここで は換算質量(第5章)である.よって , .熱は運動エネルギーの 減少で
である.直接積分しても
磁束の
変化の 速さは の大きさで,電流が0に なる 終わりの 状態では である.棒1に働く力は ,棒2に働く力は だから, とおくと
である.
と
である.
確かめ:(3) で
例題 3
鉛直な
長さaの棒OPが中心Oのまわりに角速度ωで回り,Pが円形レールに接する.固定された抵抗RがOとレールを結ぶ.磁場Bは紙面の奥向きである.Oからの配線とレールの交差は絶縁し,レールの上端で外部回路につなぐ.
角速度が
のときの 起電力を,棒の 中の 電荷に 働く 力から 求め,磁束の 法則でも 確かめよ. 棒に
働く 磁気力の トルクを 求め,角速度 を求めよ.Oの まわりの 棒の 慣性モーメントは である.止まるまでに
棒が 回る 角度と,発生する ジュール熱の 総量を 求めよ.
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考え方 棒の
Oから
の所の 速さは で,電荷は棒に 沿って 単位電荷あたり の力を 受ける.
磁束の
長さ
の部分に 働く力は 棒に 垂直で 大きさ ,向きはレンツの 法則に より 回転を 妨げる 向きである.トルクの 大きさは
である.回転の
回る
角度は .熱は初めの 回転の 運動エネルギーで, である.
確かめ:直接積分すると
ポイント ここまでの
回路の
式(起電力=電圧降下)と 導体の 運動方 程式を 連立する.磁気力は 速さに 比例する 抵抗力と して 働く. 通った
電荷は で,磁束の変化量を 抵抗で 割った ものに なる. 2本の
棒が 同じ幅なら 運動量の 和が 保存する.幅が 違うと 固定された 導線にも 力が 働き,保存しない.終わりの 状態は 起電力が 打ち消し合う 状態である. 回転する
棒の 起電力は .エネルギーの収支(外力や 重力の 仕事=運動エネルギーの 変化+熱)で 答えを 確かめる.